大阪維新の会のマニフエストには・・・
「市営バス、地下鉄を民営化し料金を値下げします。 堺市を含めた地下鉄ネットワークを形成し、地下鉄と私鉄の相互乗り入れを促進し、広域交通網を整備します」 とあります。
大阪の市営地下鉄は、見掛け上、年間約200億円の黒字ですが、利益の半分は補助金だそうです。
さらに、市バスの赤字補填に30億円を回しており、実質は収支トントンだそうです。
しかし、その上売り上げが減少気味で、債務が6500億円あり、今のコスト構造では、経営は成り立たなくなるのは必至です。
大阪地下鉄 10系 御堂筋線工事 淀屋橋付近
どこの場合もそうですが、経営の足かせになるのが人件費です。
鉄道の場合、キロ当たりの職員数で、その鉄道の充足性が計れるのです。
地下鉄のキロ当たりの職員数は、44.6人で、他都市の地下鉄の平均は25.4人です。
いかに大阪の地下鉄の人員が多いのかが分かります。
先日テレビで、そのことを聞かれた大阪地下鉄の幹部は、多くの人員がいることにより、安全性とサービスに努めていると得意げに話されているのを聞いて愕然としました。
では、その給与はどうなっているのでしょうか?
大阪地下鉄の平均年間給与は754万円で私鉄の平均より約100万円も高いのです。
公務員という身分保障が改善の障害になっているのです。
昭和33年の梅田駅 今の梅田駅 新大阪方面のホーム
前市長も改善に乗り出したのですが、挫折してしまったようです。
日本の初の公営地下鉄として1933年に御堂筋線の梅田と心斎橋間で営業を開始し、現在8路線あります。
今も3路線の延伸計画と9路線目の新線建設の計画があります。
でも、この計画の見通しは立っていません。
◎延伸計画
1、地下鉄2号線(谷町線) 大日~高槻。 八尾南~富田林。
2、地下鉄8号線(今里筋線) 井高野~岸辺付近。 今里~杭全~美原方面。
3、地下鉄7号線(長堀鶴見緑地線) 大正~千島~鶴町
◎新線計画
なにわ筋線 新大阪~北梅田~JR難波・汐見橋。
このまま大阪市の直営では、周辺自治体に財源がなく延伸が出来ない事態になっており、
ここで考えられるのが、市や府が出資して公社を設立するとか、第3セクターで経営する案なのです。
ニューヨークやパリ、ソウルでも世界の地下鉄のほとんどが公社経営だそうです。
ここで、考えなくてはならないのは、大阪の地下鉄は、大阪市のほかに府や国からも巨額の税金が投入されており、市だけではなく、府や国の財産でもあるのです。
財源だけでなく安易に民営化出来ない理由がここにあるのでしょうか?