日本人の繊細な美的感受性は、世界の人々が認めるところです。
現在の日本人には、分からないと思われますが、生活の隅々まで沁みこんでいるのです。
日常のお茶を飲むのを考えても、イギリス等西欧諸国ではみんなマグカップにドボドボと注いでガブ飲みをします。
しかし、日本では茶道というものにしてしまいます。
茶道 華道
花の活け方も、日本では華道にしてしまいます。
字を書くのでも書道にしてしまい、何でも芸術にしてしまいます。
漢字を真似してあっという間に訓読みと万葉かな、続いて平かな、カタカナを発明して完全に日本のものとしてしまいました。
柔道や剣道でも美とか礼を重視します。
諸外国の格闘技とはだいぶ趣(おもむき)が違うようです。
自然への繊細な感受性を源泉とする美的情緒が、日本人の核となっているのです。
「悠久の自然とはかない人生」という対比の中に美を感じると言う類(たぐい)まれな能力も日本人にあるのです。
日本という土地には、台風や地震や洪水など、一年を通じて自然の脅威が絶えません。 他国より余計に「悠久の自然と儚い人生」と言う対比を感じやすく、「無常観」というものを生みやすい風土なのです。