アルジェリア南部イナメナス近郊の天然ガス関連施設でプラント大手「日揮」の従業員らがイ
スラム武装勢力に拘束された事件で、アルジェリア内務省は19日、掃討作戦で武装勢力32人を
殺害し、人質ら23人の死亡を確認したと発表。サイード情報相は20日、死者数がさらに増える
との見通しを示した。犠牲者に日本人が含まれるか未確認だが、「9人死亡」の目撃証言もあ
る。城内実外務政務官は20日午後(日本時間同日夜)、イナメナスに到着。邦人の安否を確認
するため病院を訪問したという衝撃的なニュースが飛び込む。人質の解放交渉なしでテロリス
トを問答無用とばかり殺戮する(?)アルジェア政府を欧米各国は温度差があるものの一応に
支持するあたりは、血に彩られた植民地支配の欧米の武闘信仰が今も色濃く生きている証であ
る。日本はこの事件を契機として、湾岸戦争以降、踏み込んだ欧米の軍事的支援を続けてきた
ことへの総括を踏まえ、今後の邦人救出プログラムの早期策定を余儀なくされた。
【武闘依存症の行方】
このような異常な体験を目の当たりにして、なぜか茂木健一郎の『幸福になる「脳の使い方」』
の前書きと交差する。
幸福とは技術の積み重ねです。どこかに落ちているものでも、天から降ってくるもので
もありません。生まれた時から幸運に恵まれている人もいなければ、生まれつき不幸な人
というのも、私はいないと思っています。なぜなら人は思考法を変えることによって、自
ら幸福にもなるし、不幸になることもできるからです。
なぜそこまではっきり断言できるのか、不思議に思われる方もいるでしょう。その理由
は簡単です。私白身が、かつては原因不明の体調不良やストレスに悩まされてきたにもか
かわらず、ある時期からそれが完全に収まったからです。
人は悲しみながらスキップをすることができないように、体調不良やストレスに悩まさ
れながら幸福感に浸ることはできません。逆のことをいえば、幸福感を抱いている時には、
精神的なストレスからも解放され、安心感に満ちているものです。
現在、私は常に上機嫌で毎日を過ごしています。幸福であるといっていいでしょう。
でもそれは宝くじが当たったとか、特別にラッキーなことが私の身に降りかかったから
ではありません。自分の精神や体調を、自らコントロールできるコツを身につけたからで
す。
実はそこに至るまでの道のりは、簡単なものではありませんでした。私のストレスや体
調不良は幼い頃からのもので、極度の人見知りで潔癖症、自家中毒や多動症(注意欠陥多
動性障害=ADHD)など、いろいろなトラブルを抱えてきました。普段は元気に走り回
っていても、何かの拍子で急に具合が悪くなったり、吐いてしまったりということが、子
ども時代にはよくありました。かつてはそれも特別なことだとは考えていませんでしたが、
今から振り返ると子どもながらのストレスがそこには関係していたのだと思います。
中学生や高校生時代の思春期にも、ストレスはありました。友だちと遊んだり喋ったり
していても、どこか自分ではない別人を演じている、そんな感じが常にあり、素の自分を
出すと、周りが引いてしまうのではないか、他の人に合わせなくてはいけないのではない
か、そんな不安感がいつも私を取り巻いていました。
そんな私ですが、いつの頃からか、自分の不安感をコントロールする術を身につけ、健
康になることができました。いったい何か影響していたのか、長らく自分でも理解するこ
とができませんでした。あまり深く考えてこなかった、という方が正しいかもしれません。
「健康になったんだから、いいじやないか」と片づけてきたのです。
-中略-
私の場合、体調不良を引き起こしていたのは、他の人とどう距離をとったらいいのか分
からない、学校や社会というシステムに順応するのが難しい、というようなストレスが原
因だったと今では考えています。それらの問題を自分なりに解決できるようになって以来、
明らかに私の中のストレスは消え、肉体的にもすこぶる健康になったからです。ストレス
から解放されることは、体調をよくし、毎日を上機嫌で幸せな気分で過ごすことを可能に
します。
茂木健一郎の『幸福になる「脳の使い方」』
つまり、自家中毒の原因が背景色が黄色の部分、すなわち「他の人とどう距離をとったらいい
のか分からない、学校や社会というシステムに順応するのが難しい」ということに気づいたと
いう件。勿論、「個人と小さな社会あるいは組織」と「個人と人種・民族・国家という大きい
社会あるいは組織」とではその背景となる歴史的スケールの大きさと複雑という点で大きく異
なるのだが、重要なのは双方に共通するストレスからの解放というテーマに肝があると直感す
る。ストレスとは、生物学的には何らかの刺激によって生体に生じた歪みの状態を意味し、こ
れがある一定の限界を超えてしまうと身体や心に摩耗(アロスタティック負荷)が生じるとい
うわけだが、心理的ストレスを長期間受け続けるとコルチゾールの分泌により、海馬の神経細
胞が破壊され、海馬が萎縮する心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥る。特に鬱病の患者にそ
の萎縮が確認されている。
そのなかでも、戦一般に戦闘によってもたらされる心理的な反応のである戦闘ストレス反応は
極度の緊張から攻撃行動の衝動、アルコール依存、不安、無感動、疲労感、飲食障害、集中力
低下、記憶障害、鬱、嘔吐、自己嫌悪、言語障害、現実逃避などの症例特徴が挙げられ、その
ストレッサーとなる要因として、環境的要因、生理的要因、精神的要因、軍事的要因、人格的
要因に分けられいるが、常態的に、日常的にそのような緊張化に晒された、人種、民族、国家、
組織の構成員にそのストレス性障害が遺伝的に受け継がれていけば、最悪の場合を想定すれば、
敵対する集団は永遠にそのストレス性障害から逃れることが出来ないだけでなく周囲を巻き込
んでの底なし沼化するだろうし(その閾値がどこにあるのかいまのところデータとして持って
いない?それゆえに長期的なオーバーシュートが恐ろしい?)、米国での銃規制の停滞も関係
してくる。欧米と比較し、日本では、大がかりな海外出兵は豊臣秀吉の朝鮮出兵、明治、昭和
の三度と数少ない上に、北アメリカ豪州あるいは中国のチベットといった直接入植した歴史は
ない(大和朝廷が朝鮮半島からの移民のによる影響が大きいことが遺伝子解析の根拠とされて
いる-それがどのような形態でなされたのかまではわからない-「縄文・弥生混血説を裏付け
日本人の遺伝子解析」、2012.11.1 中国新聞)。
ここで言いたいことは、欧米の“武闘信仰”の歴史的背景が複雑にからみ「テロとの戦い」を
正当化し、そのためには手段を選ばないという非人道的解釈が生まれる、遺伝子的病理分析な
しに根本治療できないのではということだ。現時進行形で進む“欧米化”の陥窮を見せつけて
いるという肝を外したいかなるコメントも、わたし(たち)には無効だとそう考えると同時に
「武闘依存症」の行方に憂慮する。
【羽ばたくナノセルロース】
ところで、「デジタル革命」「新弥生時代」「ネオコンバーテック」などなど、独自に銘々し
た分野での日本の躍進が、独走がめだってきている。再三の手前味噌で申し訳ないが、オイル
ショック下の反インフレ闘争を吉本隆明の原則的な忠告下で組織してきたわたし(たち)は、
「地下化石燃料本位制」を乗り越えていく戦略基軸として「先端技術本位制」→「環境リスク
本位制」(順逆不二)を想定してきたが、その成果が現在進行形で結びつつある。そのなかで
今夜は「新弥生時代」から、ナノセルロース(セルロースナノファイバー、セルロースナノク
リスタル)について俯瞰、記載してみる。この分野の技術が世界で今注目されている植物資源
由来のナノ材料だ(ブログでも掲載)。
それでは現在考えられている用途を列記すると、医薬用コーティング剤、酢酸セルロース分離
膜、セルロース発熱シート 、偏光板保護(TAC)フィルム、視野角拡大(WV)フィルム、反射防止
フィルム、セルロース系プラスチック、自動車用エンジン用フィルター、スピーカー用振動板
などがある、特に軽くて強靱という特性を生かした、従来の自動車ボディーや鉄鋼構造、住宅
合板、包装材など大量に使用されていく可能性があり、その市場予測例として、矢野経済研究
所の調査では、2015年頃にはナノ/バイオベースファイバー市場が本格的に立ち上がると予測。
2015年度の高機能ファイバー市場規模を、2011年度比20.5%増の1574億3000万円と予測。そ
の後も、ナノ/バイオベースファイバーの事業拡大と新規参入が進行し、2011年度から2020年
度までの年平均成長率は5.6%で推移、2020年度の同市場は2,140億300万円へ成長するとみてい
る。