極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

進化と環境ストレス

2013年01月14日 | 新弥生時代

 

 

 



    If by "inflation targeter" you mean a central bank that puts top priority
    on inflation and other goals like employment as subsidiary goals, the
    answer is no. We are a dual-mandate bank.

                           Benjamin Shalom “Ben” Bernanke 

 

 

 

【トマトの環境ストレス応答】


家庭菜園をやりはじめ、セカンドライフで改めて生命のエネルギーの凄さを実感した。殆ど移動
できない植物は、常に環境のストレスを受けている。それは低温、乾燥、塩による被害が上げら
れていて、これらのストレスにより全収量の約5割が損害を被っているという。イネ、トマト、
キユウリなどの熱帯・亜熱帯出来の植物は10℃付近よりも温度が下がると、葉が枯死し、果実表
面に傷がつく低温障害を示すというが、人間だったらこの冬の夜に寝ていろといわれたらひとた
まりもなく凍死だろうが、氷雨降る中でも植物はじっと耐えているから偉い!そうはわないか?
さて、ハウス栽培のトマトは朝夕の急激な冷え込みで障害が現れることが多いという。低温障害
が発生する主な原因として、光合成で作られたエネルギーが炭素固定によって消費しきれないの
だ(炭素固定は酵素反応)。これは、酸素に電子が移動し活性酸素が発生するが、植物が低温に
さらされると様々な抗酸化物質を蓄積する。単離したトマトの転写因子(ICE1)が低温耐性に関
わる、また転写因子(ICE1)が過剰に発現したトマトは抗酸化物質の蓄積が促進され、抗酸化力の
増進し低温環境に順化する。具体的には、タンパク質の凝集を防いだり、細胞膜の可塑性を高め
脂肪酸不飽和化に関わる遺伝子が含まれているためだ。さらに、活性酸素の発生で植物は酸化
スト
レスにさらされた場合、カタラーゼやスーパーオキシドディスムターゼを発現させるが、こ
れらの遺伝子(DREB1)の
AP2型転写因子により調節される。この調節を担うのがMYC型転写因
子(ICE1)だ。
そこで、筑波大学の三浦謙治準教授らのグループは、低温耐性(10℃以下で良好な
生育が可能)の
トマトのSlICE1を単離するも、そのアミノ酸配列が植物間に保存され若い葉、花、
果実で高い発現を
示す。また、野生株に比べ低温耐性を示したという(上図)。



植物が低温にさらされると、様々な代謝産物の蓄積量の変化が見られる。例えば、スクロースやラ

フィノースといった糖、プロリンなどのアミノ酸の蓄積が顕著となり、活性酸素の蓄積が起きて、
ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質の蓄積増加するが、ホウレンソウ栽培などの寒締め
呼ばれるが、トマトやキュウリなどの熱帯・亜熱帯由来の植物は、低温ストレスにより枯死する。
トマト果実におけるメタボローム解析を行った結果、グルコース6リン酸、フルクトース6リ
酸、フルクトース1,6リン酸といった糖やプロリン
等のアミノ酸を蓄積促進。SlICE1過剰発現によ
り低温耐性能を増強
させ、抗酸化物質の蓄積を促進できたという。活性酸素は植物でも障害を引
き起こすが、ヒトでも様々な症状を誘因する物質。活性酸素の増加は生活習慣病やメタボリック
シンドロームの原因と考えられているが、抗酸化物質を多く含む高機能食品は予防効用があると
考えられている。トマトSIICE1でもセリン(S436)およびその近傍配列が高度保存され、アラニン
置換体SIICE1(S436A)を導入で、より強い低温耐性能を持ち、より多くの抗酸化物質を蓄積するト
マトの作出につながり、トマトの点変異を誘発し、436番目のセリンを他のアミノ酸に置換したト
マトを作出で、形質転換技術によらず、低温耐性・抗酸化物質蓄積トマトを作出できると期待さ
れる。トマトは茄子の子供?だとは今では当たり前になっているが、これほど人類を虜にさせた
果実はまれで、凄まじい勢いで、品種改良と料理レシピの開発なされている。この先停滞して行
くのか、それとも進化が続くのか今夜のわたしではイメージできないので、日を改めて考えるこ
とにする。

メタボローム解析

 

 

【それからの高性能太陽電池】 


余りの忙しいさに、量子ドット中間型太陽電池の研究作業が滞っているので慌てて特許情報を調
べの作業に入る。ところで、光電変換デバイスは、近年、製造コストの低コスト化が進められ、
その結果、光電変換層の薄型化、薄膜化が進んでいるが、光電変換層が薄くなると、照射された
光の一部が透過し、光の吸収が不十分となり、光電変換層の薄型化等が行われた光電変換デバイ
スは、光のエネルギー変換効率が低下してしまう。このような背景から、光電変換デバイスの表
面に構造体を形成し光電変換層における光の吸収を増加させたり、波長変換フィルムを付与する
ことで、紫外線領域の短波長エネルギーを取り込むなどの対策が取られている。後者は農作物の
光合成の効率アップのため既に普及している。前者では
、太陽電池本体の表面側に、誘電体で形
成された無数のロッドアンテナを設ける太陽電池が知られている(ロッドアンテナで、太陽から
照射される電磁波、すなわち太陽光をより効率よく受信し、太陽電池本体にそのエネルギーを供
給する)。



また、光電変換層(例えば、量子井戸構造)の上面に微粒子が分散され、この微粒子が誘電体コ
アとその外周面を覆う金属シェル部との複合構造であり、光が照射されると2波長の光で局在表
面プラズモン共鳴する光電デバイスが知られている。局在表面プラズモン共鳴する波長の光が、
この光電デバイスに照射されると、局在表面プラズモン共鳴により、前記微粒子の周囲に増強さ
れた強い電界(近接場光)が発生し、光電変換層に光が吸収される確率が増大し、光電デバイス
の変換効率が向上させるというものだが、従来のロッドアンテナを設ける太陽電池は、太陽光を
太陽電池内に再放射して供給するので、ロッドアンテナに太陽光を局在させることができないの
で変換層が薄いと十分吸収されず透過する上、製造にコストがかかる。また、後者は、
局在表面
プラズモン共鳴の共鳴波長以外の波長では電界の増強が進まず、光を遮光し影を作り、局在表面
プラズモン共鳴は、共鳴波長の幅が狭く、電界の増強がその一部に限られ、複数の共鳴波長を発
生させる場合でも、個々の微粒子は1つの共鳴波長しか持たないので、他の波長では影を作って
しまうことになり効率向上に十分に寄与できないことが懸念される上、貴金属使用のためコスト
高となる

これらに替わる方法として、光電変換層40と、誘電体により形成された複数の構造体50と、
光電変換層と構造体との間又は各構造体間の少なくともいずれか一方に光を伝達する媒質層とを
備え、ndie>nmed、D×nmed/λmax<0.3である光電変換デバイスは高い変換効率を有する
光電変換デバイス構造を構築することで、構造体の周囲に生じる近接場光を強くすることができ
る。構造体の高さが高すぎると、近接場光が発生しないことがあるが、近接場光を発生させ、光
電変換デバイスの変換効率を高めることができるというものである。要点をまとめたらそのよう
になるがコスト的側面の評価は未知数だし、これだけでは分かってもらえそうもないなぁ~~~。


波長変換フィルタ方式についての説明には時間がないので、上図をクリックされたし。とりあえ
ず、この
作業はやっとこさ終えることができた。
 

コメント (1)
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