エミール・ガレの「フランスの薔薇」
信州ツアーの二日目午後、諏訪湖畔にある北澤美術館新館で見ました。
フラッシュ無しなら写真撮影が許されています。
やさしいピンクに紅、黄、白を練り合わせたアプリカッシオンの薔薇の蕾と葉が熔着されています。
薔薇の蕾の生々しい表情を見事に写したガレの代表作だそうです。
前後で、薔薇の蕾と開花と咲いている状態が異なります。
普仏戦争でドイツに敗れ、アルザス・ロレーヌ地方はドイツに割譲されました。
ガレはフランス東部のナンシーで生まれたので、その地もドイツ領となったのでした。
ロレーヌのサン・カンタン山でしか流血を象徴するような赤い花を咲かせないと、この「フランスの薔薇」という作品を作ったそうです。
1902年~1904年の作品 高さ32.8cm
1985年 ドイツのグンザーコレクションよりエミール・ガレの大作「フランスの薔薇文大杯」を購入したときは結構安かったらしい。
ところが今や値段は上がり2億円は下らないそうだ。
北澤美術館新館の館員の方は、とてもお話が上手で聞き入ってしまった。
いろんな作品の説明をわかりやすくしてくださり、知らない世界がとても興味あるものになりました。
1時間ほどの見学時間があっという間でした。
アールヌーヴォーのガラスコレクションでも有名な北澤美術館。
ルネ ラリックの生誕150年記念コレクション展も見ることができた。
どれもこれも、今なお通用するモダンな惚れ惚れするような作品ばかりだった。
これらを収集した北澤さんのセンスの良さは驚きでした。