in the lesson of the world
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all that will be, be through me
JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO
APRIL 2013
出演:JOSEPHINE FOSTER&VICTOR HERRERO with 田中徳崇(Noritaka Tanaka)/灰野敬二 Keiji Haino
Josephine Foster、待望の初来日。WWW公演の共演には灰野敬二が決定。
最新作「Blood Rushing」がイギリスの雑誌「WIRE」の2012年ベスト・アルバムの一枚として選ばれ、発売時には表紙も飾ったJosephine Foster。デビュー以来、最も来日が待望されていたアーティストの一人である彼女の初来日が決定しました。近年の彼女の作品・ライブには欠かせない、スペイン人ギタリスト・VICTOR HERREROも共に来日。WWW公演ではJosephineがシカゴで活動していた時期に親交の深かったドラマー田中徳崇を迎えます。
共演には灰野敬二がソロで登場。Josephine自身も"とても名誉なこと"と云うこの組み合わせが実現するのはもちろん今回が初めてです。じつに幅広い音楽に造詣が深く、数々のジャンルのミュージシャンと多彩な共演を行ってきた灰野敬二とJosephine Fosterの一夜限りの邂逅。お見逃し無く。
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灰野敬二が海外アーティストのサポートをするのは2011年のAKRON/FAMILY以来1年9カ月ぶり。ジョセフィン・フォスターに関しては何の知識もなかったが取り急ぎチケット予約した。ラテン風の名前の響きから勝手にアルゼンチン音響派だと思い込んでいたが直前に調べてアメリカ出身の歌手だと知った次第。素朴なアコギ弾き語りに昨年秋の灰野とテニスコーツとの共演のようなものかと想像していた。てっきり椅子席だと思ったらスタンディングだった。物販コーナーにはジョセフィンとヴィクトール以外にもアメリカ・南米のインディー系のCD/LPが並んでおりアルゼンチン音響派というのもあながち的外れではなかった。比較的年齢の高い一癖ある客層で明らかに灰野リスナーではない。プロモーターのHPで灰野がアコースティック演奏になりそうだと発表せれていたがAKRON/FAMILYの時と同様灰野にとってはアゲンストな雰囲気がないわけではない。
鳥の鳴き声のSEがアンビエント感を醸し出す中まずは灰野のソロ。10日間のアメリカ・ツアーから戻ったばかりだが疲れは全く感じさせない。鉄琴、カンテレ、テーブルギター、ギター弾き語り、ウォーターフォンと展開するが一貫して歌=祈りが色濃く脈打っている。灰野敬二=轟音というパブリック・イメージを覆す静謐な演奏だがそれ故剥き出しになった強靭な魂の力に圧倒される。
▼2013.4.11シカゴでのライヴ動画
ジョセフィン&ヴィクトール+田中に名前はわからないが見覚えのあるヴァイオリン奏者も参加。ブリジット・フォンテーヌ、カレン・ダルトン、アーネット・ピーコック、ニコ、バルバラ、ロッテ・レーニャなどに繋がる系譜に位置づけられるジョセフィンだが、田舎娘風の地味なワンピースや片足を台に乗せてギターを爪弾くスタイル、そして何よりも美しくも不安定な歌声にはシャッグスやワイルドマン・フィッシャー、クラウス・ノミ、タイニー・ティムなどに通じる「天然の前衛性」「勘違いの美学」と呼ぶべきオーラがある。テレミンの音色にそっくりな細かいビブラートのソプラノには伝説上の生物を目の当たりにするような非現実的な感動を覚えた。作為のないヴィクトールの隙間だらけのギターとのアンサンブルは小泉文夫が1970年代にフィールドレコーディングした民族音楽集に収められていても何の不思議もない。スペイン民謡を素材にしているにも関わらず時代を超越した根なし草的な無国籍性が溢れている。聴けば聴くほど謎が深まる不可思議音楽。
後半灰野がゲスト参加。深くリヴァーブをかけたガラスのようなギターが素朴な演奏に突き刺さる。ヴィクトールも打って変わった凶暴な演奏で応じトライバルなセッションを展開する。ジョセフィンと灰野の声が重なったときの魂の共鳴は奇蹟的な瞬間だった。轟音ギターに浸食されることなく自らのスタイルを貫いたジョセフィン&ヴィクトールも灰野に負けず強固な意志を持った表現者である。スタイルの違う二者の邂逅が産み出したのは単なる「異種格闘技」とは次元の違う壮絶な魂の交感だった。
出会うこと
恐れていては
何も生まれない
<灰野敬二ライヴ・スケジュール>
5.3(fri)高円寺ShowBoat
灰野敬二 ~生誕記念公演~
5.4(sat)渋谷O-nest 『エクス・エクス・ポナイト!』 “ex-ex-ponight!”
【LIVE】灰野敬二 VS 空間現代/高橋敏幸 with 泥んこ!/MARK feat. 飴屋法水
【TALK】飴屋法水 × 朝吹真理子/黒沢清 × 三浦哲哉
5.30(thu)六本木Super Deluxe
リシャール・ピナス (エルドン)/灰野敬二/メルツバウ/吉田達也
5.31 (fri) Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE「真夜中のヘヴィロック・パーティー」
頭脳警察/外道/灰野敬二/ROLLY/非常階段/キノコホテル/騒音寺/ザ・シャロウズ