The Heliocentric Worlds Of Sun Ra / サン・ラの太陽中心世界 (1965)
A1 Heliocentric / 太陽中心
A2 Outer Nothingness / 無の外界
A3 Other Worlds / 無限の宇宙世界
B1 The Cosmos / 宇宙
B2 Of Heavenly Things / 天体現象
B3 Nebulae / 星雲
B4 Dancing In The Sun / 宇宙の乱舞
Recorded at RLA, New York City, April 1965.
The Heliocentric Worlds Of Sun Ra, Volume 2 / サン・ラの太陽中心世界 第2集 (1966)
A The Sun Myth / 太陽神話
B1 A House Of Beauty / 美の殿堂
B2 Cosmic Chaos / 宇宙混沌
Recorded on November 16, 1965 at RLA Sound Studios New York City.
The Heliosonic Tone-tette/ Heliosonic Toneways, Vol. 1
ヘリオソニック・トーンテット / 太陽音響音乃川 第1集
Marshall Allen (as,p,marimba)
Danny Ray Thompson (reeds)
Scott Robinson (b, perc, etc)
Frank Lacy (tb)
Philip Harper (tp)
Pat O'Leary (b)
Yosvany Terry (sax)
Tim Newman (b-tb)
Matt Wilson (ds)
JD Parran (b-cl)
サン・ラのことを語り出すと切りがないし、筆者は語るほどの知識を持っていない。それでも1965年4月20日,11月16日の2回に亘りニューヨークのRichard L. AldersonのRLAスタジオでレコーディングされESPレーベルからリリースされた『サン・ラの太陽中心世界(The Heliocentric Worlds of Sun Ra)1&2』の印象は朦朧とした霧の中に陽光が乱反射するかの如く白昼夢の世界に近い。60年代のサン・ラはシカゴからニューヨークに移り、ビッグアップルの地下のマグマの噴出、つまりジャズの10月革命に至る経路でサン・ラ自身の意識改革が進行し、最早「ジャズ」レーベルでは背負い切れないほど厚い美の牢獄の壁をバックに歌い踊るしか余韻を楽しむ術は無い。つまりESPのローバート・ストルツマンに取ってはアメリカのレコードレーベルが出したくても出せない状況にある革新的潮流を世に知らしめるには大きなチャンスであり、個人的に力を入れ過ぎて仕舞ったに違いない。十人超えの一途なミュージシャンが一同に会し、ここに集まったのは偶然ではなく、恣意的な悪巧みによる使命の報復だと宣言する不埒者に牛耳られなよう、監視の目を光らせるしかあるまい。魂の戒厳令下のビッグアップルに、異様な香りと共に発芽した「太陽中心世界」は、10月革命に浮かれる聴衆や、革命宣言したものの、周りを取り巻く環境地帯の痩せ我慢や楽器を質に入れなきゃ暮らせない不遇な日々に甘えること無く「10年単位の身の引き締め生活に向かって個人個人の努力と触れ合いが必要であることは、何度繰り返しても覚えられないラヴバラードや、口に出す端から順番に呑込まれて行く銀河系(天乃川)を起源とする学説がこのところ勢いに乗る日々の暮らしがどう変革するのか、その道行きは筆者ひとりのために、全推し箱を蓋を取らないで自分の支配下に置こうとする宇宙塵のリベンジのように捉えれば、不安げな表情がみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんな音に転化されており、ジャズのイディオムが75%削減され臭みが消え、初めてサン・ラやマーシャル・アレン爺や、フリージャズという新しく見ないでは居られないその気持ち、この『音乃川』で水浴びすればそっと誰かが後押ししてくれるに違いない。
皆既日蝕の日(2017年4月21日)にリリースされた。
日を食べて
日食夜食
天乃川