A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木SuperDeluxe 2018.11.27(tue)

2018年12月04日 01時43分31秒 | 灰野敬二さんのこと


Keiji Haino + Jim O'Rourke + Oren Ambarchi
灰野敬二/ジム・オルーク/オーレン・アンバーチ

Open: 19:00 | Start: 20:00 SuperDeluxe
前売/Advance: ¥3,000/Reservations closed | 当日/Door: ¥3,500
ドリンク別/Plus drink

スーパー・デラックス閉店感謝祭り!西麻布より愛を込めて…

出演:灰野敬二 + ジム・オルーク + オーレン・アンバーチ

2009年、現代美術センター・CCA北九州で初ライブを披露した強者三人のセッションを2010年以来スーパー・デラックスで定期的に行って頂きました。2018年11月27日はSuperDeluxeでの記念すべき9回目の公演です。また、本会場では最後の公演となります。是非ご来場ください。(SuperDeluxe Websiteより)



六本木の地下で16年以上の間世界中の地下音楽のコンサートを開催してきてきた西麻布スーパーデラックスがビルの老朽化により賃貸契約が継続不可となった為、2019年1月中旬に閉店することとなった。筆者が初めてスーパーデラックスに行ったのが何時なのか、過去ブログを辿ってもハッキリしないが、2000年代後半からは年に何度も訪れ、数多くのアーティストを観てきた。その中でも灰野敬二/ジム・オルーク/オーレン・アンバーチのトリオは2010年以来毎年スーパーデラックスでライヴを開催しており、この会場との関わりが深い。実際2009年に北九州の現代美術センターで初共演した後、このトリオとしてのライヴはスーパーデラックス以外では開かれていない。

●1st SET:デュオ


1stセットは3通りの組み合わせでデュオによる演奏。これまでのライヴで完全なデュオ演奏をしたことはない。デュオとは「3-1」ではない。3対3のトリオではなく、1+1かつ1対1であることを明らかにした。その一方でもしトリオの存在なしでデュオをしたならまったく違った演奏になることも確か。人と人/者と者/個と個/弧と弧/1と1。それぞれの微妙なニュアンスの中間点に焦点があるわけではないので、常に昇天するような驚きに満ちた演奏であった。

1. 灰野:スネア/オルーク:ギター
静謐な爪弾きギターの無調の調べの中を、ピッコロスネアの堅い打音が飛沫を上げ、満場のスーパーデラックスの空気を清浄な音で満たす。

2. オルーク:エレクトロニクス/アンバーチ:ドラム
オルークらしく雑音に陥らない柔和な電子音が空間的なパーッカッションと親和して、音と音が戯れる豊潤なサウンドのプレイグラウンドが現出した。

3. アンバーチ:ドラム/灰野:アルトフルート
最近手に入れたというアルトフルートの太いブレス音の侘び寂びは尺八に似た和の精神が宿る。手を使ったドラミングが優しく包み込む慈しみの演奏。




●2nd SET:トリオ


スーパーデラックスで最後のトリオ演奏はオルークのベース、アンバーチのドラムに灰野がチャルメラで始まった。怪鳥の鳴き声か急降下するロケットの断末魔のように聴こえるチャルメラの超音波を6弦ベースの弦を掻きむしるオルークの早弾きが突き上げるように唸る。灰野は丸いボディの弦楽器に持ち替える。名称がないオリジナル楽器なので筆者はびよんびよんと呼んでいるが、この楽器を灰野がライヴで演奏するのはずいぶん久々である。音階のない軟体動物のような不定形な音は、固定された方程式のない灰野のスタイルの象徴である。セットの半ばでギターに持ち替え強固な音の嵐が巻き起こる。三者三様に激烈なプレイを繰り広げ、スーパーデラックスの隅々まで音の念が染み渡る。この音を8年間包み込んできた天井と床と四方の壁が喜びに震えている。アンコール終了後、灰野がマイクに向かって「サンキュー、スーパーデラックス!」と叫んだ。



このトリオ
バンド名は
Imikuzushi

いみくずし(灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ)
スーパーデラックスでのライヴ記録

*スーパーデラックスの紹介文では今回が”9回目の公演”となっているが、実際は10回目である。

1. 灰野、オルーク、アンバーチ@六本木Super Deluxe 10.1.24(sun)

2. 灰野敬二/ジム・オルーク/オーレン・アンバーチ他@六本木SDLX 2011.1.6(thu)

3. 灰野敬二 + ジム・オルーク + オーレン・アンバーチ@六本木Super Deluxe 2012.1.30 (mon)

4.灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木スーパーデラックス 2013.3.17 (sun)

5. 灰野+オルーク+アンバーチ/スティーヴン・オマリー他@六本木スーパーデラックス 2014.3.2(sun)

6. 灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木SuperDeluxe 2014.10.28(tue)

7. 灰野+オルーク+アンバーチ/石橋英子@六本木SuperDeluxe 2015.11.11(wed)

8. 灰野+オルーク+アンバーチ/TAMARU/澤井妙治@六本木SuperDeluxe 2017.2.27 (mon)

9. 灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ/crys cole and Francis Plagne@六本木SuperDeluxe 2017.12.18 mon

10. 灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木SuperDeluxe 2018.11.27(tue):今回
コメント (1)
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