2011年11月16日にリリースされたでんぱ組.incのメジャー・デビュー曲『Future Diver』のサビは「夢で終わらんよ」とはじまる。その気持ちは2013年1月20日『ワールドワイド☆でんぱツアー2013 夢見たっていいじゃん?! in ZEPP TOKYO』、2014年5月6日『ワールドワイド☆でんぱツアー2014 in 武道館〜夢で終わらんよっ!〜』、2016年1月9日 - 4月2日『GOGO DEMPA TOUR 2016 〜 まだまだ夢で終わらんよっ! 〜』、2017年1月20日『幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 〜またまたここから夢がはじまるよっ!〜』と、コンサート・ツアーでも何度も繰り返された。
そして2019年1月6日『でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in 日本武道館 ワレワレハデンパグミインクダ 〜宇宙からの帰還〜』にて発表されたでんぱ組の今年の目標が「夢を持つ」だった。メディアの記事では翌日の『夢眠ねむ卒業公演 〜新たなる旅立ち〜』ばかりが大きく取り上げられているが、夢眠を含めたメンバー7人が「夢」を持ち続ける決意を表明した事実は、「卒業」よりも重要なのではなかろうか。これまで何度も「言葉に出せば夢は叶う」ことを証明してきたでんぱ組である。「夢を持ちつづけ、夢で終わらせない」という信念がある限り、メンバーも元メンバーも大丈夫。
⇒でんぱ組.inc、武道館ライブ決定「夢って本当に叶うんですね。」(2014年1月5日 Barks)
でんぱ組の決意をバックアップする推進力が、昨年末に「プリキュア」シリーズの第16弾「スター☆トゥインクルプリキュア」の声優キャストに選出されたことが発表されたえいたそ☆成瀬瑛美である。以前からプリキュアシリーズのファンを公言していたえいたそが現役アイドルとして初めて主人公の声を担当することは、正に「夢で終わらん」努力の賜物である。
おはえいそーヽ(*´∀`*)ノ!☆夢が...夢が叶ったよ!✨本当に今までもこれからもずっとずっとプリキュアが大好きだよ...!!!☆
— えいたそ☆成瀬瑛美 (@eitaso) 2018年12月26日
しかし遡ってみれば「夢を叶える」ことは、えいたそがずっと以前から追求してきた生き方であることは明らか。彼女の発言や呟きには常に「夢」「ドリーム」という言葉が登場する。
⇒君の夢が叶うのは 誰かのお陰じゃないらしい☆(2012年7月5日でんぱ組.inc成瀬瑛美オフィシャルブログ)
キミはどんなドリーム見た見た(ノ∀`*)?🗻🦅🍆🌟✨キラメキ新年スターズおはえいそーヽ(*´∀`*)ノ!!!☆
— えいたそ☆成瀬瑛美 (@eitaso) 2019年1月2日
ちなみに私は杏仁豆腐に自分で集めて来た(という設定の)はちみつをかけている夢でした。それ美味しいの?🍯✨w #えいそと初夢
— えいたそ☆成瀬瑛美 (@eitaso) 2019年1月2日
牡蠣のクリームパスタ食べたっの。🍽🍝💓お皿の上は夢の海 大好き好きっなオイスター汁パーラダーイス(ノ∀`*)🏖💛✨ pic.twitter.com/6yuaFSpWpE
— えいたそ☆成瀬瑛美 (@eitaso) 2019年1月13日
夢がどんどんどんどん膨らむよーo(*´∀`*)o!!!💖✨
— えいたそ☆成瀬瑛美 (@eitaso) 2019年1月19日
「夢」が暴走し過ぎれば「妄想」になる。妄想こそ我が人生、夢のパッション(情熱)を萌やして生きていこう。瑛美は自らの人生を賭けてそれを教えてくれる。その教えに感謝をしつつ、俺なりの夢=妄想を書き続けていこう。
【えいたそモダニズム】Episode23.『夢のパッション』
『夢』をテーマにした楽曲は数限りないが、本論では筆者の嗜好に合わせて音楽ジャンルごとにまとめで論考することで、俺と瑛美の夢つながりを探っていくことにする。夢でいいからいつでも会いたい。
【PUNK / ROCK'N'ROLL】
●Friction『Crazy Dream』
初期日本のパンク、東京ロッカーズの中心バンド、フリクションがレック、チコヒゲ、ツネマツマサトシのトリオ編成で1979年にPASSレコードからリリースした1st EP『フリクション』のA面に収録。80年の1stアルバム『軋轢』に坂本龍一プロデュースで再録された。
発売日直後の79年8月20日に吉祥寺ジョージア・ジュニア店まで買いにいった。ジャケットが青と黄色の2種類あり、青の方がカッコいいなと思ったが何故か黄色を選んだ。その時点でえいたそ推しになる運命が芽生えたのかもしれない。店員が「ヘッドフォンで聴くと最高ですよ」と言ったので家のステレオでヘッドフォンをして爆音で聴きながら踊っていたら、弟からキチガイと呼ばれた。黄狂い上等!
Friction Crazy Dream
●INU『夢の中へ』
町田町蔵(現・町田康)が高校生時代77年に結成したバンド「腐れおめこ」が79年に「INU」に名前を変え、81年にリリースしたアルバム『メシ喰うな!』に収録されたナンバー。
東京ロッカーズに対抗して関西NO WAVEと自称したグループのひとつ。当時観たり聴いたりしたことはなかったが、同じ1962年生まれの町田には好き嫌いは別として共感を覚える。79年高校2年生の頃、雑誌のメンバー募集でメンバーを集めて何度かスタジオに入ったが、一回どこかの区民ホールのコンサートに出演しただけで解散した。もっと続けていればミュージシャンか作家になって瑛美と仕事をするチャンスがあったかもしれない。
INU 夢の中へ INTO THE DREAM
●ブルーハーツ『夢』
「夢」(ゆめ)は、日本のロックバンド、THE BLUE HEARTSの通算13枚目のシングる。1992年10月25日発売。6thアルバム『STICK OUT』からの先行シングル。サントリー・ビール「ライツ」のCMソングに起用される。2002年、フジテレビ系ドラマ『人にやさしく』の主題歌に起用され、CDが再発された。
ブルーハーツのメンバーも同世代。ブルハがデビューした87年頃に筆者はサイケバンドをやっていて、ブルハの1st『THE BLUE HEARTS』はカッコいいと思ったが、シンプルなビートパンクは物足りなく感じた。筆者のバンドは94年に解散し、その後バンドはやっていないが、同学年のヒロトとマーシーは、ハイロウズ〜クロマニヨンズと30年以上ロッケンロールし続けている。瑛美をはじめでんぱ組メンバーも形を変えつつ活動し続けていければいいな。
ブルーハーツ / 夢 (1993.8.7)
●The Birthday『夢とバッハとカフェインと』
結成10周年を迎えた2015年、2ヶ月連続シングル、ベスト・アルバム、通算8枚目のアルバムのリリース、そして3度目となる日本武道館公演と、怒涛の活動を行ってきたThe Birthday。新たな10年をスタートさせる、約1年5ヶ月ぶりのシングル(2016/11/9)。
チバユウスケ(68年生)とクハラカズユキ(69年生)は6歳年下だが、悪ガキロッケンロールライフを貫く姿勢は年齢に関係なく尊敬したい。男の涙を誘うチバのロマンティックな歌詞にも惚れる。間にベンジー(浅井健一)(64年生)を挟んでヒロト&マーシー、チバ&キュウちゃん(クハラの愛称)の5人は、日本のロッケンロールを世界にお届けできる可能性があると信じている。でんぱ組の萌えきゅんソングとセットで海外進出できないものだろうか。
The Birthday - 夢とバッハとカフェインと (Music Video)
【IDOL】
●夢眠ねむ『夢眠時代』
でんぱ組.inc の夢眠ねむ、ソロ活動集大成となる1st ソロアルバム!2010年にリリースされた初のソロ曲「魔法少女☆未満」から、清 竜人による提供曲「あのね…実はわたし、夢眠ねむなんだ…」、ボーカロイド“夢眠ネム”と夢眠ねむによるデュエット曲「あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード」を始め、最新録音楽曲まで収録。
筆者が初めてでんぱ組を観たとき印象に残ったのは金髪の最上もがとおかっぱヘアで長身の夢眠ねむで、その後半年余りはその二人しか認識できないママだった。「夢を眠る=Sleep Dreaming」という意味の芸名にねむの本意が現れているのは確か。胸に矢を刺し泥だらけで座るポートレートは、夢から覚めてリアルへ戻った眠り姫の真の姿を伝えている。真実を晒すことは「夢でおわらん」為のもう一つの在り方なのである。"Be Real"という訳だ。ちなみに「夢眠時代」というタイトルは筆者の妄想論『えいたそ野性時代』のパクリだと信じている。
夢眠ねむ「夢眠時代」Trailer Movie
●HAMIDASYSTEM『夢うつつにキスをして』
2016年11月3日「今の自分からはみ出すために、新しいシステムを作ろう」という想いから結成され「メロディック・エレクトロニカ」を標榜する四人組アイドルグループHAMIDASYSTEMが2017年7月に披露したナンバー。シングル『DERO』(2017/10/7)、ミニアルバム『DERO X』(2018.4.29)に収録。
2017年12月にハミシス初めて観たとき、観客を微動だにさせまいとするストイックな意志にショックを受けた。特にこの曲は推しメンのKOYAMA FLAMEが「ねえ、キスして♥」とKISS顔で歌う神曲である。ドープ感たっぷりのエレクトロニカは、電波ソングの対極にあるように思えるが、実は一周回って同じ方向を目指しているのではなかろうか。瑛美もいつものバビュではなく、気怠いニュイたそになってキス顔をすればヲタクは簡単に骨抜きになる。その間に世界征服してしまえばいい。
HAMIDASYSTEM - 夢うつつにキスをして (Official Music Video)
●Maison book girl『夢』
Maison book girl 2ndアルバム「yume」 (2018/11/21)。今作はタイトル通り"夢"をコンセプトに、サクライケンタがトータルプロデュースを務める。
元BiSという事実がどれほど意味があるか分からないが、コショージメグミの現在(いま)は別次元に存在している。ブクガデビュー前にサクライケンタとポエトリーリーディングのライヴをしていた2014年秋、まさか4年半後に灰野敬二とTaigen Kawabeと自作のポエトリーで張り合うことなど想像もつかなかったに違いない。瑛美とは別のベクトルで「夢」を武器にコショージは表現者の道を行く。
Maison book girl / 夢 / MV
●斉藤由貴『夢の中へ』
80年代アイドル歌手、斉藤由貴の13枚目のシングル(1989年4月21日)。井上陽水のカバーで彼女最大のヒット曲。BaBeがバックボーカルで参加。この曲で、斉藤自身最大のヒット曲ともなり40万枚を越えるセールスを記録する。
中学時代ギターに目覚めてフォークギターの教則本を買ってきたが知っている曲は殆どなかった。数少ないレパートリーのひとつがTVCMで聴いた井上陽水の『夢の中へ』だった。明るい曲のハズだが自分で歌うと鬱っぽく聴こえた。80年代アイドルもカバーしたこの曲をブクガがライヴでカバーしていたのに驚いた。21世紀アイドルの心にも刺さる曲なのだろうか。
斉藤由貴 夢の中へ Yuki Saito
PSYCHEDELICやFOLKといったジャンルにも俺と瑛美を繋ぐ『夢』ソングは数多い。しかし今宵の夢にはもう十分。2月の生誕イベントの抽選結果は「落選」だったが、夢で会えれば文句は言うまい。
夢の中
成瀬を抱いて
眠りたい
でんぱ組.inc「Future Diver」LIVE映像【コスモツアー2018】