A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【来日インタビュー】NYの先鋭的アヴァンギャルド・ユニット『タリバム!』(マシュー・モッテル+ケヴィン・シェイ)ジャパン・ツアー・スタート

2019年04月04日 23時12分59秒 | 素晴らしき変態音楽


タリバム!インタビュー
TALIBAM! Interview

Interview & translated by 剛田武 Takeshi Goda (2019年3月中旬Eメールにて)

●バイオグラフィー

マシュー・モッテル Matthew Mottel (Mini Moog, Midi Synths, Yamaha CS1x, Roland Juno 1, Roland Lucina, Arp Solus):
1981年ニューヨーク生まれ。1997年以降国際的なアート・コミュニティでアーティスト/パフォーマーとして活動している。公共のスペースをアーティストと一般の人が交感できるようなより創造的かつ共生的な場所に変えることに興味を持っている。
これまで実父でフォトグラファーのサイウス・モッテル Syeus Mottel、振付師のキャロル・アーミテージ Karole Armitage、フルクサス・アーティストの刀根康尚、楽器発明家クーパー=ムーアCooper-Moore、映像アーティストのピーター・コフィンPeter Coffinなどと共演。2010年にNYイシュー・プロジェクト・ルームIssue Project Roomでレジデンシー公演、2011年にLMCC Swing Space Recipient、MoMa , Museum of Contemporary Art Chicago , Victoria & Albert Museum London , The Kitchen NYC, All Tomorrow's Parties Festivalなどの有名な会場やフェスに出演して来た。さらにユニークな演奏とコラボレーションの機会を求めて実践を広げている。

ケヴィン・シェイ Kevin Shea (drums, electronics)
ドラマーのケヴィン・“Sir Gigs-A-Lot(ライヴ狂)”・シェイは真のオリジナルである。同世代で彼ほど独自かつ有名なドラマーはいない。彼の高度に考え抜かれたドラム演奏は、卓越したテクニック、意識的な生々しさ、強迫観念に根差している。これまで200作以上のアルバムに参加し、45以上の国で演奏し、アヴァンギャルド、コンテンポラリー・ミュージック、その他のジャンルの数えきれないほど多くのグループやプロジェクトに参加し、容赦のない多作家かつ分裂症的存在であり続けている。

1. 二人の出会いについて教えてください。

マシュー(以下M):ケヴィンのことを初めて知ったのは、1999年か2000年のインディ・マガジン『Tuba Frenzy』に載ったイアン・ウィリアムス Ian Williamsのインタビューでした。当時Storm and Stress とDon Caballeroという二つのバンドをやっていたイアンは、ケヴィンのことを「自分が一緒に演奏した中で最高の即興ドラマー」と語っていて、それ以来気になる存在になりました。そのころ僕はニューヨーク中の腕のいいドラマーと数多く即興演奏していて、2003年4月Free103.9 Radio Station Loftにサックス奏者のラス・モシェRas Mosheのバンドで出演した時のドラマーがケヴィンだったんです。とても興奮しました。もちろん演奏も最高でしたが。もっと重要なことは、お互いにすごく気が合って、お互いにリスペクトを払いながら冗談を言い合える関係になれたことです。16年経った今でも、リスペクトと笑いが絶えません。とてもいい関係なのです!

ケヴィン(以下K):初めて会ったときは、バンド合戦の音楽戦士のように激しくやり合いました。2003年のニューヨークは、9.11同時多発テロの余波が残る混乱の年でした。まるで腹をすかせたバッファローの群れのようにフル・エナジーの演奏でした。僕たちの振動の余震があまりに深かったので四次元まで到達する気分がしました。それ以来そこに留まっています。そんな僕らの世界にようこそいらっしゃいませ。

2. 2003年にタリバム!を結成する前の活動を教えてください。

M:十代後半にソニック・ユースとジョン・ゾーンを入り口にアヴァンギャルド・ミュージックを発見しました。1996年4月初めてソニック・ユースを観た時のオープニング・アクトは有名なフリージャズバンドのTEST!でした。僕は15歳でした。ライヴが始まる直前に、友達とやっていたパンク・バンドから首にされたことを知って動揺していたので、その時はTEST!の魔法のエナジーに気が付きませんでした。3か月後の7月4日にセントラル・パークでオノ・ヨーコとショーン・レノンのIMAバンドを観ました。ジョン・ゾーンのマサダがオープニングに出演して、パンクとノイズのパワーを感じると同時に、ジャズ的なサウンドに新鮮な驚きを感じたのです。エキサイティングでした。そのあとニッティング・ファクトリーを知って、翌年の夏にブッキング担当として働き始めました。

同じころ、友人と即興グループを始めて、ドラマーのクリス・コルサーノと知り合いました。僕は17歳、彼は24歳でした。彼はボルビトマグースBorbetomagusを教えてくれて、僕のバンドEYE-DOORに少しの間参加してくれました。さらにTEST!のドラマーのトム・ブルーノTom Brunoを紹介してくました。シンセサインザー奏者を探していたトムは、一緒に演奏しようと誘ってくれたのです。トムとのコラボレーションは最高でした。彼は僕より45歳も年上なのに、僕に敬意を払ってくれたのです。二人でノー・ネック・ブルース・バンドのロフトでの週末のジャム・セッションに参加してたくさんのことを学びました。この少し後にCooper-Moore, Daniel Carter, Sean Meehan, Tim Barnes, Michael Evans, Ryan Sawyer, Matt Heyner, David Gouldなどアヴァンギャルド・ミュージック・シーンの優れたミュージシャンと出会い、一緒に演奏するようになったのです。
だからケヴィンに会ったとき、僕は新しいことを始める準備が出来ていたのです。

K:僕は80年代末からバンドでプレイしてきたので、たくさんのプロジェクトがあります。最も有名なのは、バトルズ Battlesのイアン・ウィリアムスがギターを弾くStorm & Stress (1994-2000)です。Touch and Go Recordsから2枚のアルバムをリリース、一枚はスティーヴ・アルビニ(『Storm & Stress 』1997年)、2枚目はジム・オルーク(『Under Thunder and Florescent Lights』2000年)のプロデュースです。S&Sの基になったのは、1993年に始まったサックス奏者Micah Gaughとのコラボレーションです。Micahのアルバム『The Blue Fairy Mermaid Princess』に1997年に共演したときの録音が収録されています。MicahとS&Sでの活動を皮切りに、2003年までにたくさんのアーティストと共演してきました。Vernon Reid, Marc Ribot, Arto Lindsay, Marvin Sewell, Melvin Gibbs, Daniel Carter, Ravish Momin, Michael Pestel, Graham Haynes, DJ Olive, Jim Black, William Hooker, Bern Nix, Josh Roseman, Tyondai Braxton, Mary Halvorson, Pamelia Stickney, Kyp Malone, Jon Seden, Peter Evans, Beans and Hprizm/High Priest from Antipop Consortiumといったアーティストの他に、ボストンのシューゲイザーバンドSwirliesとのコラボレーションもあります。2000年代初めには、有名なJoan Of ArcのBobby Burg率いるLove Of Everythingにドラムで参加し、『friENDs』と『Piano. Bedroom. Florida.』の2枚のアルバムを作りました。

3. タリバム!を結成した動機は?

M:タリバム!はコンサートの成功とか動員とかを気にしないで、常に演奏を続ける現在進行形のバンド・スピリットを持っています。練習スタジオではなく。実生活で音楽を進化させることに興味がありますた。「リハーサルをするのは素人」を合言葉に、NYで週に5回、ときには一日に2回ギグをやったものです。この強度と集中力によって、ケヴィンと僕が一つのユニットであることを印象付け、新しい共演者が参加した時に、3人の人間の共演ではなく、相手がタリバム!に参加した時、自分らしく自由にプレイすることを可能にしました。

K:音楽的なつながり、痙攣治療、時代の混乱、自発的で生々しい音楽のコードを絶望的な地球人に伝える使命、身振りと音への強烈な自信、先入観のある審美的切望から自分自身を開放するためのコンテクスト的規範に付随する自己疑問、ジョン・ケージのシアター・ピースへの称賛とエイリアンの存在の超自然的な計算。

4. バンド名はアフガニスタン問題に関する新聞記事からとられたそうですが、なぜこの名前に決めたのですか?ほかのバンド名候補はありましたか?

M:流行語とかカッコいいだけで、政治や文化的な意味を持たないバンド名は嫌でした。僕らの音楽は歴史上の危機の時代から生まれたので、アメリカ政府や軍隊が決めたアフガニスタンやイラク侵攻を支持しない、という明確な宣言を表明したかったのです。

K:バンド名はタリバム!一択でした。タリバム!という言葉は、汚れない意味を持つ新たな言語の創造であり、慣用的なキーワードと直感的なヒントを再構成する意味があります。政治的な含みのない無難なバンド名にして体制に迎合するのではなく、ソクラテス式問答法から直接導き出された神秘的な世界観を通して平和を検証するのです。外交こそ僕らの科学をドライヴさせる血管なのです…僕らが「平和」と呼ぶ黄金の虹の妄想に浸りきった世界に向けて。

5. 今の音楽シーンで共感を覚えるバンドやミュージシャンは?

M:リスクを恐れず独自の音楽言語を生み出すアーティストが好きです。若手のサックス奏者では、ロサンゼルス/メキシコ出身のマーティン・エスカランテMartin Escalanteがお気に入りです。彼は4月に日本へ行きます。他の誰にも真似できないサウンドを持っています。デュオでレコーディングし短いツアーもしました。マーティンは他人をコピーすることはありません。また、アンドレア・パーキンス Andrea Parkinsの成長にも注目しています。20年前に初めて会ったとき、彼女はジム・ブラックとエレリー・エクスタインのバンドでアコーディオンを弾いていました。そのバンドも素晴らしかったのですが、今では彼女はアコーディオンを辞めて、テーブルにオブジェを並べて、コンピューターでコントロールして音楽を作っています。彼女自身が発明した音響発生システムは驚異的です。20年かけて進化・変化してきたのでしょう。僕自身も自分の音楽の世界で同じように進化することにトライしています。

K:まず最初に、昨年リリースしたタリバム!15周年ボックス・セットで共演させてもらった数多くのミュージシャンに深い親近感を持っています。Audrey Chen, Phil Minton, Tamio Shiraishi, David Watson, Alan Wilkinson, Joe McPhee, Sandy Ewen, Luke Stewart, Ron Stabinsky, Jeremy Wilms, Colin L., Sam Kulik, Steve Dalachinsky, Tim Dahl and Tom Blancarteといった素晴らしいミュージシャンたちです。
自分たちのヒーローとコラボレート出来たことは素晴らしいし、近い将来もっと多くの憧れのミュージシャンと共演する幸運に巡り合えそうです。今年はすでにAndrea Parkins, Ingrid Laubrock, Stephen Gauci, Adam Lane, Jeong Lim Yang and Akio Mokunoと共演しました。今年後半には、Silke Eberhard, Nikolaus Neuser, Rachel Therrien, Dodó Kis, Welf Dorr, and Ayako Kandaといった国際的な音楽家とのコラボレーションが予定されていて、今からエキサイトしています。4月7日に京都でノー・ネック・ブルース・バンドのヴォーカリストのMicoと共演するのも楽しみです。

6. コラボレーションの幅広さは驚異的ですね。共演者はどのように選ぶのですか?最も大切なことは何でしょうか?

M:オープンな人であれば誰でもコラボしたいです。タリバム!はギリシャ古典音楽合唱団やハイチ・スティールドラム・バンドとでも素晴らしい音楽が作れると思います。大切なことはひとつ、共演者が僕らの真似をしないで気持ちよく演奏してくれることだけです。音楽への適応とは、どちらか片方があまりに強すぎるのではなく、すべてのスタイルがひとつなって新たな方法を作りだす許容力です。
今回のツアーの物販CDを聴いてもらえれば、日本の音楽ファンに僕らのコラボレーションを理解してもらえるでしょう。例えばボックスセット『15th Anniversary Box Set- Presenting 15 New albums for 2018』には僕らが尊敬するユニークなミュージシャンが多数参加しています。

https://talibam.bandcamp.com/album/15th-anniversary-box-set-presenting-15-new-albums-for-2018

夢見ている日本でのコラボは、灰野敬二さんとドアーズのカヴァー・バンドを結成して「LAウーマン」を2時間連続で演奏することです!もちろんレコーディングしたいです。灰野さんはドアーズが大好きだと言っていますし、ドアーズは僕のフェイバリットでもあるのです。ニューヨークで友人のColin Langenus(日本ツアーの経験があるノイズ・パンク・バンドUSAISAMONSTERのメンバー)とビリー・ジョエルのカヴァー・バンドをやっています。灰野さんとドアーズのカヴァー・バンドをやれたら世界一ワイルドなバンドになるでしょう。

K:地球上にはとても多くの素晴らしいミュージシャンがいるので、常に発見をしています。時には知り合ってすぐにいい関係になれることがあります。時にはいい関係になれないままのこともあります。時には関係を築くのに数年かかる場合もあります。時には一目惚れもあります。僕らが魅了される主な要素は、優しさ、共通性、友情、そして生のインスピレーションです。この地球規模の流れの全体のプロセスは極めて同時発生的になることがあります…。時々運命的な出会いもあるので、運命の導きに感謝しています。日本でも新たなコラボレーションの種を蒔けるよう祈っています。

7. 最近ではフローリアン・ヴァルターなどヨーロッパのミュージシャンとコラボしたそうですが、いかがでしたか。

M:ヨーロッパをツアーしてみて最高だったのは、アメリカに来る有名なミュージシャン以外の才能の持ち主にたくさん会えたことです。有名なミュージシャンは忙しすぎて僕らと共演する時間を取れません。だから現地を訪れて、多数のオープンな心のミュージシャンと出会い、共演を通して新たな体験が出来たことが幸せでした。フローリアンは素晴らしいミュージシャンで、ヤン・クラレ Jan Klareがオーガナイズする大編成のグループDORFのメンバーです。

K: フローリアンを含む27人のミュージシャンからなるビッグ・バンドThe Dorfのゲストに招かれたのは2018年10月ドイツのUmlandフェスティバルでした。そんなに多くの素晴らしいミュージシャンたちと一緒に演奏できたことは光栄でした。マエストロ、ヤン・クラレの痛快な指揮の下で。

M::僕らがタリバム!のままで参加することで、オープンで自由に演奏できたのがうまくいった理由です。また、昨年のドイツ・メールス・フェスティバルでAC/DCのカヴァー・バンドをお披露目しました。Chad Taylor / Bobby Hall / Tchseser Holmes / Christian Lillinger / Giuseppe Mautone / Valentin Duit / Spazzfrica Ehd / Achim Zepezauerという8人のドラマーをフィーチャーして「Big Impakt」という曲を演奏しました。彼らは僕らのやり方を信頼してくれて、自由なプレイで魔法のようなサウンドを生み出してくれました。



8. これまで日本で演奏したことはありますか?

M:はい、日本は2016年~2018年の間に3回訪れました。シティ・カレッジで履修する芸術の博士課程で日本のジャズ史の調査をしたのです。日本ではあらゆる公共の場所のBGMでジャズがかかっていますが、なぜなのか興味を持ったのです。喫茶店、ショッピング・モール、セブン・イレブン、どこへ行ってもポップ・ミュージックよりもジャズがかかっています。なぜでしょうか?僕の考えでは、日本でジャズがとてもリスペクトされているからだと思います。その証拠に横浜のCHIGUSAのようなお店では、バーのマスターのレコード・コレクションを高級オーディオ再生して、お客さんは静かに鑑賞しています。こういうリスペクトがあるから、日常生活の場所でジャズが聴かれているのです。でも日本人はそれをあまり意識していません。慣れているからです。来日したアメリカ人にとっては驚きです。どこへ行ってもジャズが流れているような環境は、アメリカではありえません。アメリカのセブン・イレブンではコマーシャルな音楽しかかりません。

K:初めて日本で演奏したのは、2004年渋谷O-nestで自分のソロ・バンドSexy Thoughtsでバトルズのオープニング・アクトを務めた時です。2005年にCoptic Lightで来日し、2006年に東京のレコード・レーベルDotlinecircleからCoptic LightのCDをリリースして、東京、神戸、大阪、名古屋をツアーしました。同じ2006年にSexy Thoughtsで再来日したのを最後に、13年間日本へは行っていません。タリバム!で来日したいと熱望していました。夢がかなってうれしいです。皆さんに感謝しています。

9. 日本ツアーの共演ミュージシャンをどうやってアレンジしましたか?

K:マットのほうが最近日本へ行っているので、すべてマットに任せました。

M:ラッキーなことに来日するたびにSuperDeluxeで面白い形で出演させてもらいました。最初は2016年DADAフェスティバルで西原尚さん(ニューヨークで知り合ってコラボしていました)と共演。2回目はコーネリアスとBaffalo DaughterのYumikoとのトリオ! 三回目はタバタミツルさんと和田慎二さんと共演しました。今回はAlien Owl Caféというトリオになり、4月3日UFO CLUBでCDリリース・パーティを行います。
そのように日本のミュージシャンと知り合いになったので、公式な招待を待つのではなく、自分でギグをブッキングできたのです。僕らはパンクなので、ライヴが決まっていなかったけどまず航空券を購入しました。そのあと日本へ行くことをみんなに伝えたところ、徐々にライヴが決まっていったのです。

10. 好きな日本の音楽家、芸術家、映画、文学、その他カルチャーは?

M:僕が最も尊敬する日本の音楽家は、普通の社会に順応していない大胆不敵な人たちです。ラッキーなことに、ニューヨークは国際的な場所で、日本のミュージシャンがたくさんNYに住んでいます。NYは多様性に富んだ街なのであらゆる種類の人がいます。若いころにイクエモリ、加藤英樹(Ground Zeroのベース)と出会いました。そして重要だったのはBING a.k.a. TOSHIO KAJIWARA(前衛音楽家、DJ)と恩田晃(サウンドアーティスト)との出会いでした。二人とも僕の音楽とアートをサポートしてくれて、必要に応じてライヴの機会をくれたり推薦してくれたりしました。また、キュレーターのAnn Adachi や Miki Kanedaが2013年MoMAで開催されたJapan 1955-1970 exhibitionにタリバム!を招待してくれて、刀根康尚(前衛芸術家)と共演できたのは光栄でした。刀根さんを最初に観たのは2002年NYヴィジョン・フェスティバルでのロスコー・ミッチェルとの共演でしたが、聴いたことのない最高の音楽でした!思い出したのは、同じように大胆不敵な方法で、ジム・ジャームッシュの『Mystery Train』で、エルヴィスとメンフィス・カルチャーに夢中な日本人キャラクターでした。1980年初頭のアメリカで日本人が南部に住むのは勇気のいることでした。

K:現在僕が気に入っている日本のミュージシャンは、出会って共演する機会を得た人たちです。個人的な思い出があるからです。NYには多くの偉大な日本人ミュージシャンが住んだり訪れたりします。2013年にタリバム!とSam Kulikで伝説的な刀根康尚さんとNYのMoMAでの“Tokyo: Experiments in Music and Performance”のプログラムの一つとして共演しました。刀根さんのFluxus時代の古典Music For Painting, Anagram for Strings,に加え。即興演奏をしました。その共演に続き刀根さんとレコーディング・セッションを行い、2015年Karl Recordsから『Double Automatism』としてレコード・リリースされました。素晴らしい!2013年にはまた、ドバイ近くで開催されたSharjah Art Biennialに招聘されて、Yoshimi P-Weと吉田達也を含む10人の世界中のドラマーと演奏しました。長年愛聴してきた二人の素晴らしいドラマーと一緒に即興演奏するのは刺激的な体験でした。

もっと最近では、タリバム!としてDavid Watsonとサックス奏者の白石民夫とコラボレーションしました。民夫さんはNYの前衛音楽界で伝説的なサックス奏者です。彼のサウンドと奏法は完全に独自で、極端に集中力があります。最近民夫さんとデヴィッドとのアルバムが完成しました。日本ツアーに持っていきます。2,3年前にコラボした西原尚さんと今回のツアーで再会できればいいのですが。彼は革新的なマシン・インスタレーション作品を作って、錯乱したパフォーマンス才能の幻影を想起させます。感動的です。

また最近、タリバム!& Jeong Lim Yangでモクノ・アキオ(vo&electronics)と共演する機会がありました。アキオは陽気な不協和音を使う音楽家で、そのサウンドは人間の魂から有害なエゴを一掃するパワーを持っています。近いうちに再度共演し、年内にレコーディングしたいと思っています。
阿部薫のサックスと、高柳昌行のギターの生々しさを愛しています。小杉武久のエレクトロニクス、タージ・マハル旅行団、YMO。冨田勲のクラシカルなシンセサイザー、高橋悠二、高橋アキのモートン・フェルドマンのピアノと弦楽四重奏(多分これまで1000時間は聴いたと思います)、灰野敬二はもちろん。吉村弘の瞑想的な可愛らしさ。まだまだあるし、学ぶこともたくさんあります。

今回のツアーの後NYに戻ったら神田 綾子と共演するのを楽しみにしています。将来は、大友良英、巻上公一、などなどと共演したいです。未来に何が起こるか誰にもわからないでしょう。数か月前に僕のエクスペリメンタル・ジャズバンドPuttin’ On The Ritzがあがた森魚と対バンしました。うれしい驚きでした。

11. 日本のファンにメッセージを。

M:タリバム!は特別な精神を持っていて、新しいオーディエンスの前で演奏し、日本の文化や日本音楽の伝統から学ぶことを光栄に思っています。僕ららしいライヴをするので、自分らしい気持ちで観に来てください。

K:日本が恋しかったです。会うのを楽しみにしています。

Talibam! Big Impakt - live @ moers festival 2018 - ARTE Concert


コラボれば
タリバム効果
自由人



Talibam! On Tour in Japan – April 2019!
https://www.facebook.com/events/637695883333266

4月3日(水)東京・東高円寺UFO CLUB
開場 19:00 開演 19:30
前売 ¥2500(ドリンク別) 当日 ¥3000(ドリンク別)
【ALIEN OWL CAFE presents #1】
吉兼聡[gt/ZAZEN BOYS]×亀川千代[ba/ex.ゆらゆら帝国]×山本達久[dr]トリオ
PHEW
ALIEN OWL CAFE feat. 石井モタコ : Matt Mottel(key/Talibam!) + 和田晋侍(dr/DMBQ) + 田畑満(gt/ex.AMT) + 石井モタコ(vo/オシリペンペンズ)
*Matt Mottelのみの出演
https://www.facebook.com/events/308443406690132

4月5日(金)東京・幡ヶ谷 forestlimit
開場 19:30 開演 20:30
¥1500+1ドリンク
TALIBAM!
パーティーキラーズ!: 原田 仁 (ROVO) + suppa micro pamchopp + 原口 承悟 (Gaiamamoo)
https://www.facebook.com/events/596491504106038/

4月6日(土)宮城・仙台Gallery TURNAROUND
開場 17:30 開演 18:00
入場料 ¥1800
Talibam!
Koji Shibuya’s Eternal Calamity
菊地良博
https://www.facebook.com/events/301955150468349/

4月7日(日)京都 SOCRATES
開場 18:00 開演 18:30
¥1500+1ドリンク
Talibam! + KみかるMico from No Neck Blues Band
どくおんき
Spazma
Kim woohae
氧化銀

4月10日(水)大阪・難波ベアーズ
開場 19:00 開演 19:30
前売 ¥2000 当日 ¥2500
和田晋侍[DMBQ,kyozin yueni dekai]/Talibam!
guest: GAIAMAMOO

4月11日(木)東京・飯田橋 Ftarri
開場 19:30 開演 20:00
入場料 ¥2000
・Talibam!
・網守将平 + 畠中実
・梅沢英樹+ 上村洋一

4月12日(金)千葉・市川 本八幡cooljojo
開場 19:30 開演 20:00
予約/当日ともに¥2500
Talibam! with 今西紅雪 (箏)
https://www.facebook.com/events/536416706761899/

4月13日(土)東京・江東区mumei
開演 19.00
Osmotic Imagination: photography by Syeus Mottel, live performance by Talibam!
https://fuyumimurata.com/mumei-event_gmc

4月14日(日)東京・落合 Soup
開場 18:00
前売 ¥1500 +1ドリンク 当日 ¥2000 +1ドリンク
『下落合の魔法学校』
act:
TAlibam!
Fuelphonic
AKBK
Natsumi Geeker
T.美川 & Joe Talia
The Fists of Danny Pike
DJ: Evil Penguin、dj Vinyl (CDR)
https://www.facebook.com/events/2335672749995985/

4月15日(月)東京・立川 AA Company
Daytime
Talibam!:Matthew Mottel (Fender Rhodes, synthesizer) Kevin Shea (ds)
川島誠(as)

4月16日(火)東京・千住 東京藝術大学千住キャンパス
19:00 – 21:00
Talibam! Musicology lecture: ‘The Process and the Purpose’
https://www.geidai.ac.jp/access/senju
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【年度末地下ジャズ動画】タイショーン・ソーリー/クリス・ピッツィオコス/ルーク・スチュワート/Ryosuke Kiyasu

2019年04月04日 08時46分22秒 | 素晴らしき変態音楽


ショッピングセンターや商店街が決算バーゲンで賑わう年度末、道路工事が増えているように感じるのは筆者だけではないだろう。予算を使い果たさないと次年度の予算が削られるから慌てて必要の無い工事を無理矢理入れているというのは都市伝説に過ぎず、発注の段階で3月末に計画される工事が多いだけ、というのが事実らしい。

決算バーゲンや道路工事は兎も角、音楽表現と年度末はまったく関連性はない。にも拘らず3月末に総決算的な音楽体験を求めがちなのは、生活サイクルが音楽中心に回っている重度の音楽ジャンキーの性(サガ)かもしれない。しかしながら3月31日(日)自宅に籠り某音楽情報サイトの原稿を執筆していた筆者は、年度末の音楽体験をすることが出来なかった。一抹の淋しさを覚えてネットをググると、ニューヨークとアムステルダムで素晴らしい地下ジャズのライヴ演奏が繰り広げられていたことを知った。世間では4月1日に新元号の発表を控えて世の中が浮ついていたが、地下ジャズの矜持はそんな流行に左右されることは無い。

●タイショーン・ソーリー+クリス・ピッツィオコス
NY即興シーンの注目株ドラムのタイショーン・ソーリーとサックスのクリス・ピッツィオコスがブルックリンでタイマンデュオライヴを開催。切れ味を増したNYハードコアジャズの真髄。
Chris Pitsiokos - alto saxophone
Tyshawn Sorey - drums

Tyshawn Sorey & Chris Pitsiokos - at De Construkt, Brooklyn - Mar 31 2019


●ルーク・スチュワート
同じ会場でワシントンDCのべース奏者ルーク・スチュワートのソロ演奏。フィードバックのドローンが涅槃の境地。

Luke Stewart - Works for Upright Bass and Amplifier - at De Construkt, Brooklyn - Mar 31 2019


●Ryosuke Kiyasu+アンドリウス・デレヴィ+ゲディミナス・ステパナヴィシウス
グラインドコアバンドのSETE STAR SEPT(セテスターセプト)や、フリージャズバンドのKIYASU ORCHESTRA(キヤスオーケストラ)、灰野敬二の不失者等で活動するドラマー、Ryosuke Kiyasuはスネアひとつもってヨーロッパツアー中。年度末はアムステルダムで若手即興演奏家とトリオで共演。世界的にも珍しいスネアソロで知られるKiyasuのプレーがホーン2本と対峙する異能プレイが聴きもの。

Ryosuke Kiyasu (snare drum)
Andrius Derevi (saxphone)
Gediminas Stepanavicius (sousaphone)

Ryosuke Kiyasu (drum) + Andrius Derevi (sax) + Gediminas Stepanavicius (sousaphone) in Amsterdam



元号は
どうでもいいから
地下音楽

Oliver Lake Africa

2019/03/31 に公開
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする