A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【地下アイドルへの招待】第18回:アイドル&バンド対バン〜ネクロ魔/爆裂女子/リリカオ/キノコホテル/THEE CONTINENTAL KIDS/ROSE ROSE/SCAMP

2019年04月22日 03時05分54秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界
 
 
【地下アイドルへの招待】第18回:アイドル&バンド対バン
ネクロ魔/爆裂女子/リリカオ/キノコホテル/THEE CONTINENTAL KIDSROSE ROSESCAMPSLIGHT SLAPPERS
 
 
DJ Necronomicon(剛田武)
 
 
かつてテレビやコンサートホールのステージで観るだけで手の届かない高嶺の花だったアイドルが、距離の近い小劇場やショッピングモールのイベントスペースで活動しはじめ、さらに多くの場合地下にあるライヴハウスを主な現場とするライヴアイドル/地下アイドルの登場により、アイドルとファンの関係は、物理的な距離だけじゃなく心理的な距離も近くなった。その一方で同じ地下ライヴハウスを活動拠点とするバンドとの距離は物理的には急接近したが、心理的にはまだまだ隔たりがある。もちろんバンドもアイドルも出演するフェスやイベントは少なくないし、地下アイドルのヲタクの中にはバンドファンも多数いる。それでもバンドのノリとアイドルの作法の違いは歴然としていて、得てしてアイドル現場の方がバンド現場より活気に満ちているように思うのは筆者だけでは在るまい。しかしながら元号が変わるまで1ヶ月を切った20194月に開催されたふたつのライヴイベントは、バンドとアイドルの精神的融和策をこれまでとは異なるベクトルで実践した画期的な試みだった。そしてその両方にアイドル運営の思想・姿勢が反映されていることに注目したい。
 
ひとつは414日(日)渋谷 CYCLONEにて開催されたキノコホテル×NECRONOMIDOL2マンライブ「BEYOND vol.4」
 
 
430日東京キネマ倶楽部で開催される新体制NECRONOMIDOL 1stワンマンライブ「VVALPURGIS」ヘ向けて1月から毎月開催されて来たネクロ魔主催イベントの第4弾はガールズバンドの急先鋒キノコホテルとのツーマンライヴ。なんとキノコホテルの支配人マリアンヌ東雲がネクロ魔に楽曲を提供したことが前々日に発表された。201810月ハロウィーン当日に同じ渋谷CYCLONEで初対バンした時、マリアンヌ様が酔った勢いでネクロ魔プロデューサーのリッキ・ウィルソンに「ねえ、アイドルソングを書かせてよ」と言いよったところ、後日本当にリッキーから楽曲の発注があって驚いたという。いわゆる業界あるある的な挨拶代わりの空約束ではなく、律儀に正式発注したリッキーの真面目さが産んだ奇跡のコラボと言えるだろう。そして地下アイドルにハマる前はキノコホテルが主現場だった筆者にとっては、両者の絆が産まれたことは、新旧ヒロインがひとつになる奇跡の歓びである。これまでのネクロ魔にはないノスタルジックなサビが印象的な昭和サイケ歌謡アイドルソングが新たな世界を開いた。
 
●NECRONOMIDOL
 
●キノコホテル
 
マリアンヌ様提供の新曲は「phantasmagoria cosmos」(ファンタズマゴリアコスモス)
作曲:マリアンヌ東雲 @marianne_sama
作詞:ネクロ魔
 
 
 
もうひとつは421日(日)高円寺ShowBoatで開催された「NO RULES!Vol.1」。出演:SCAMP / LiLii Kaona(リリカオ)/ ROSE ROSE / SLIGHT SLAPPERS / 爆裂女子-BURST GIRL- / THEE CONTINENTAL KIDS
 
 
筆者にとっては2002年に灰野敬二の不失者を初めて観て以来、地下音楽/前衛ロックを観る為に通い続けるShowBoatでもアイドルイベントが開催されるようになってきた。この日は81年に元SSのシノヤンを中心に京都で結成されたパンクバンド「コンチネンタル・キッズ」、83年に東京で結成されたハードコアパンクバンド「ROSE ROSE」という伝説的パンクバンドとアイドルが対バンするオレ得なライヴ。しかし、パンクロックアイドル「爆裂女子」は分かるが、オーガニックエレクトロニカというお洒落な音楽性をもつ「LiLii Kaona(リリカオ)」は異色というほかない。場違いなアウェー現場にならないかと心配したが、スラッシュコアの「SLIGHT SLAPPERS」の次に登場したリリカオは、清廉な空気感で会場の熱を冷ますと共に、激しいロックに対抗するナイフのように鋭利かつ鮮烈なサウンドで会場を貫いた。80年代ポストパンク時代に現れたDurutti ColumnEverything But The Girlといったネオアコや、インダストリアルやハードコアパンクがリチュアルフォークやアンビエント/テクノに変貌したセカンド・サマー・オブ・ラヴに通じる。それもそのはず、このイベント「NO RULESVol.1」の主催はリリカオの運営プロデューサー。リリカオの先鋭的な世界観の作り手がハードコアパンクスと繋がっている事実は興味深い。
 
ウッドベースをフィーチャーしたスラップ・ハードコア「SCAMP」を含めバンド勢のエナジーは筆者にとっては馴染み深い80年代ライヴハウスシーンを彷彿させるエキサイトメントに満ちていた。そして我らが「爆裂女子」は、5ヶ月ぶりの旧衣装の露出度も興奮剤となり、いつも以上に爆裂したパフォーマンスでフロアのカオスを引き出した。トリのコンチネンタル・キッズのハードコアパンクのみならず東京ロッカーズ風のロックンロールは心の中のティーンエイジ・スピリットを目覚めさせた。
 
●SLIGHT SLAPPERS
Twitterからの転載画像です)
 
●LiLii Kaona
 
●SCAMP
 
●ROSE ROSE
 
●爆裂女子
 
● THEE CONTINENTAL KIDS
 
 
運営が
垣根を壊す
ライヴシーン
 
【急報】ネクロ魔のプロデューサー、リッキー.ウィルソンに密着したドキュメンタリー番組が本日放送。
ネクロ魔ファン/アイドルファンだけでなく全音楽ファン必見です!
 
4月22日(月)21:00〜放送
BSテレ東「ワタシが日本に住む理由」
 
アメリカ合衆国・ピッツバーグ出身のリチャード・リー・ウィルソンさん。幼少期に観た映画「ガメラ」で日本の特撮映画にハマり、大学時代に語学留学で来日。その後友人に勧められた高円寺に移住しフィギュアを扱う会社に就職。会社主催のイベントで「ももクロ」に出会い、日本のアイドルの演出の幅の広さに感動。自分でプロデュースしたいとアイドルプロデューサーに。リチャードさんから見た日本の魅力とは?
 
ワタシが日本に住む理由 | BSテレ東
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