A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【私のB級サイケ完全コレクション#11】Cのはじまり:The Cake/Calliope/C.A.Quintet/Cathy Young/The Carolyn Hester Coalition

2020年07月26日 00時59分21秒 | 素晴らしき変態音楽


5月25日の緊急事態宣言解除からちょうど2か月。感染者数は増加の一途で第2波感の危機が迫る中、6月19日からスタートした自分のコレクションをABC順に全部聴き倒す挑戦は1か月と1週間過ぎて、3番目の「C」の欄に来た。早いのか遅いのか前例がないので判断できないが、在宅勤務が徐々に解除されると仕事中に好きなレコードを聴く時間も次第に少なくなるに違いない。「Z」に到達する日が果たして来るかどうかわからないが、できる限り聴き続けて行こうと思う。

●The Cake / The Cake

1967 / US: Decca ‎– DL 74927 / 1994.11.29 Boston Nuggets $15

1966年ニューヨークで結成されたガールグループ。メンバーはJeanette Jacobs, Barbara Morillo, Eleanor Barooshian。ロネッツやシャングリラスの流れをくむコーラスグループだが、自作曲をレコーディングしたことが特徴。67年のデビュー・アルバムではA-3 Medieval Love、A-4 Fire Fly、A-5 Rainbow Woodの3曲をメンバーが書いており、いかにも60年代ガールズポップスの他曲とは趣の異なるクラシカルなバロック・ポップを聴かせる。68年に2nd『A Slice of Cake』をリリースして解散。ジャネットとエレノアはDJ.ジョンとスターした後イギリスヘ渡り、Ginger Baker's Air Forceに参加する。マネージャーとケンカしたジャネットが終始ふてくされているテレビ出演ビデオは、現代のツンデレアイドルを思わせて萌える。

Cake You Can Have Him Better Audio Mix 10011967 Smothers Brothers



●Calliope / Steamed

1968 / US: Buddah Records ‎– BDS-5023 / 1985.8.25 吉祥寺Disk Inn 2

ワシントン州シアトルのサイケデリックバンド。メンバーはPaul Goldsmith (g,vo), Danny O'Keefe (b,vo), John Simpson (ds), Clyde Heaton (key)。65年結成のシアトルのガレージバンドEmergency ExitのメンバーだったGoldsmithを中心に68年に結成された。ブッダ・レコードからの唯一のアルバムはグルーヴィなオルガンとファズギターが目立つ良質なサイケナンバーが満載。A-2 California DreamingやA-4 Hound Dog、A-5 Link A Rolling Stoneなど有名曲のサイケカヴァーがカッコいい。オリジナル曲が4曲しかないせいで見過ごされているが、ヘヴィサイケの名盤として再評価の価値あり。O'Keefeは70年代以降シンガーソングライターとして活躍、SimpsonはテキサスのサイケバンドChristopherの70年のアルバムにセッション・ドラマーとして参加した。

Calliope - California Dreamin



●C. A. Quintet ‎/ Trip Thru Hell

1969 / UK Reissue 1988: Psycho Records ‎– PSYCHO 12 / 1984.10.29 下北沢レコファン ¥1,250

82年に知られざるサイケのレア盤の再発をスタートした英Psychoレコードの初期カタログの中で、Music Emporiumと並んでマニアに衝撃を与えたのがC. A. Quintetだった。ミネソタ州ミネアポリスで60年代半ばに結成されたガレージサイケバンド。メンバーはDoug (Beaver) Reynolds (key,vo), Ken Erwin (tp,vo), Jimmy Erwin (b), Tom Pohling (g), Rick Patron (perc)。『Trip Thru Hell=地獄を通る旅』というタイトル通りの不気味なジャケットに偽りなしの謎めいたクレイジーファズサイケ曼荼羅を展開する。枯れたトランペットと亡霊のようなヴォーカルが迷宮に輪をかける。Psycho盤は海賊盤で、片チャンネルの音が入っていないらしく、95年の正規再発盤が完全な音源だという。しかしPsycho盤に馴染んだ耳には、不完全な状態の方が酩酊感が高いように感じられる。

SIDE ONE TRIP THRU HELL the C A Quintet with Extensive Information about the band



●Cathy Young /‎ A Spoonful Of Cathy Young (ニュー・フォークのスター キャシー・ヤングの世界)

1969 / Japan: 日本コロムビア Mainstream Records ‎– YS-2246-MS / 1991.12.24 渋谷レコファン ¥2,180

1951年カナダ・トロント生まれの女性シンガーソングライター。69年18歳でリリースした1stアルバムは、ジャケットだけでも心惹かれるがもちろん内容も「うたう呪術師」と紹介される通りのブルージーなアシッド・フォーク。A-1 Spoonfulのファズギターとオルガンに彩られた呪術的なヴォーカルは、キャシーの回想によれば、生まれて2回目のスタジオだったので、モニター・ヘッドフォンの音量を下げて、と言うことが出来ず、絶叫で歌うしかなかった結果だという。若過ぎて経験もなかったが情熱は本物だった。バックを務めるのはフォーク/ブルーグラスSSWのEric Weissberg (g, banjo)をはじめベテラン・スタジオ・ミュージシャン。Spooful以外は全曲キャシーの自作曲でドリームポップのB-2 Color That Lightningなど素晴らしい。

Cathy Young Spoonful Mainstream 69



●Cathy Young /‎ Travel Stained

1973 / Canada: GRT ‎– 9230-1035 / 2014.4.16 Discogs Jim Fewer, Canada $21.60

4年後にAOR/フュージョン系レーベルのGRTからリリースした2ndアルバム。ジャケットの変化をみれば王道ポップスに転身したことは明らか。ファンキーなポップ・ロック・アルバムになっている。しかしキャシーの歌声は地に足がついていない浮遊感があり、心の中では幻想の世界を彷徨っていることを想像させる。アコギの音色が瑞々しいB-2 ロッド・スチュワートのMaggie May、ホーンセクションとコーラス隊を配したウィルソン・ピケットのソウル・クラシックMidnight Hourと、カヴァー曲も面白い。このアルバムでカナダのグラミー賞と言われるJUNO Awardの最優秀新人賞を受賞。キャシーは現在もシンガー、TVタレントとしてカナダで活動している。

Cathy Young - Eagle



●The Carolyn Hester Coalition ‎/ The Carolyn Hester Coalition

1968 / US: Metromedia Records ‎– MD-1001 / 1994.4.30 New Orleans Record Ron's $15.00

Carolyn Hesterは1937年生まれのフォークシンガー。57年にレコード・デビューし、グリニッジヴィレッジのフォーク・リバイバルの中心的存在として活動。60年代後半に入りフォーク・シンガーとしての活動に限界を感じてサイケに転身して結成したThe Carolyn Hester Coalitionの1stアルバム。メンバーはCarolyn Hester (vo, g), Dave Blume (b,p,org,viv), Steve Wolfe (g)‎, Skeeter Camera (ds)。キャロリンの天使のようなハイトーン・ヴォイスとアコースティックなサイケサウンドが天上に遊ぶような美しさを持つ極上のアシッドロックを聴かせる。70年に2nd『Magazine』をリリースして解散。キャロリンはデイヴ・ブルームと結婚し、ソロシンガーとして活動を続ける。

the carolyn hester coalition - half the world (vinilo)


サイケ愛
ウルトラCを
目指します


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする