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Haino Keiji & The Observatory
Authority is Alive
12” Vinyl / Digital Ujikaji Records UJI-017LP
Side A: Over Here
Side B: Over There
Haino Keiji : Guitar, Vocals
Dharma : Guitar
Cheryl Ong : Drums
Yuen Chee Wai : Guitar
Recorded live at Playfreely – The Transparency of Turbulence, 29 Nov 2019.
https://theobservatory.bandcamp.com/
アジアから大きなものへの異議申し立て
2019年11月28,29日の二日間シンガポールのベテラン・アートロックバンドThe Observatoryが主催する実験・即興音楽フェスティバルPlayfreely Festivalが、シンガポールのヴェニュー72-13で開催された。シンガポール、インドネシア、マレーシア、中国、台湾、香港、日本のアーティストが参加し、”The Transparency of Turbulence(乱流の透明性)”というテーマを冠した今回のフェスは、蔓延しつつある権力主義、大国のエゴ、イデオロギーの暴力により引き裂かれる東・東南アジア地域のミュージシャンを合体させ、世界を正しい方向へナビゲートするという野望があった。
シンガポールは世界でも有数の裕福で清潔な国として知られる。しかしその裏には国家による徹底的な管理があるという。清潔な街並みを保つためにごみのポイ捨てや交通違反はおろか、大道芸やデモ行為にまで多額の罰金を科している。また経済成長を支えているのは、近隣の国フィリピンやインドからの低賃金の出稼ぎ外国人労働者である。富裕層に比べ劣悪な環境に暮らす外国人労働者の宿舎で新型コロナ感染が爆発的に拡大したという報道もある。The Observatoryのメンバーが富裕層に属すのかどうかは分からないが、少なくとも彼らはそうした国家権力の横暴に異議を唱えていることは確かである。
90年代に勃興したシンガポールのロックシーンを代表するミュージシャンにより2001年に結成されたThe Observatoryは、これまで8枚のアルバムをリリースし、日本やヨーロッパを含む国際的なツアーを行うとともに、東・東南アジアのミュージシャンのネットワークを作ってきた。リーダーのユエン・チーワイ(Yuen Chee Wai)は、大友良英らと共にアジアン・ミーティング・フェスティバルの共同ディレクターとして活動する。以前から灰野敬二のファンであり、2017年9月に札幌で開催された「Asian Meeting Festival 2017」で灰野と共演して以来コラボレーションの機会を模索していたという。今回のシンガポールでの共演は、2019年にヴォーカリストが脱退し、インストゥルメンタル・トリオとなったThe Observatoryにとってはまさに新たなスタートと言えるステージだった。
『権力は生きている(The Authority Is Alive)』と題された本作は、2019年11月29日のコラボレーション・ライヴを収録したアルバム。灰野が英語で歌う歌詞には、”あっち、そっち、そこ、ここ”、”私と今 どっちがどっちに滲んでる”といったお馴染みのフレーズと共に、最近よく歌われる”義務より礼儀正しく”という言葉も聴きとれる。権威を振りかざす”大きなもの”への警告は、灰野の40年以上の音楽活動の中で核となるテーマの一つである。チーワイをはじめとするThe Observatoryのメンバーや、集まったオーディエンスとの接点となったことが、全編を貫く静かな興奮と緊張感の中に感じられる。
プリペアードギターとドラムのポリリズム、フィードバックのクラスター、緩急に富んだ音の断続、The Observatoryの演奏に宿るアミニズムに感化されて、灰野が発するシャープな言葉と雷のようなシャウトは「魂を操る司祭」と呼ばれる彼のシャーマン性をこれまで以上に強く感じさせる。世界を侵食する”大きなもの”に対する除霊の儀式ともいえるライヴコンサートから半年も経たないうちに、全世界が新型コロナウィルスの脅威に侵されるとは誰も想像しなかっただろうが、この日のステージがそれを予感していたことが、インサート写真で示唆されている。それを奇跡と呼ぶか必然と捉えるかはあなたに任せたい。
Haino Keiji & The Observatory - Authority is Alive. Out on Ujikaji, 30 September 2020.
45回転12インチ・アナログレコード。両面インナーシート(歌詞付)封入。限定200枚。マスタリングはノルウェーのノイジシャン、ラッセ・マーハーグ(Lasse Marhaug)。
アジアから
異議申し立て
届いたよ
【灰野敬二Live Schedule】
10月13日(火) 東京・下北沢440
〈にじのつきeden vol.2〉 Phew 灰野敬二
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5b/34bdb39e3692bce35ef6e9c78b87c5b1.jpg)
有観客ライブ(40人限定)+有料ライブ配信(アーカイブなし)
開場 19:30 / 開演 20:00
入場チケット:前売¥3,500(1D別)/ 当日¥500up ※SOLD OUT
配信開始:20:00〜(※アーカイブなし)
配信チケット:¥2,000+投げ銭
ZAIKO:( https://440-fourforty.zaiko.io/_item/330718)
販売期間 9/28 20:00〜 10/13 20:00
配信期間 10/13 20:00〜 10/13 23:00(終演まで)
10月26日(月)渋谷 公園通りクラシックス
『事 ある 事』~灰野敬二、吉田隆一、SOON KIM
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/ec/6b092c12995a63b11344e44f8be0e0cb.png)
有観客ライヴ(配信無し)
開場:19:00 / 開演:19:30(終演21:30予定)
前売り:3,000円 当日:3,500円 1ドリンク別
定員30名要予約!
お問合せ:03-6310-8871
http://koendoriclassics.com
灰野敬二 (g,vo,etc)
吉田隆一 (baritone sax)
SOON KIM (alto sax)
12月20日(日)東京・秋葉原CLUB GOODMAN
doravideo presents “ 秋葉原グッドマン大復活祭 ”
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/fb/7e7f7765a6c93c7079bf95524cfa3243.jpg)
【出演】ドラびでお / 灰野敬二 / 大友良英 / 坂田明 / 山川冬樹…他
OPEN 18:00 START 19:00
¥6,000(ドリンク込)限定50名プレミアムチケット
クラブグッドマン&スタジオリボレ再開支援【Birth Cry Project】クラウドファンディング
https://camp-fire.jp/projects/view/327780
12月30日(水) 東京・高円寺ShowBoat
灰野敬二 Keiji Haino-2020年最終公演
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/90/38920f6f2be005ceb2ca157579ca74d2.jpg)
【出演】
※後日発表
【時間】開場 18:00/開演 19:00
【料金】前売¥4,500/当日¥4,800(税込・別途ドリンク代¥600)
【チケット】
■ShowBoat
電話、メールによる予約、代引郵送販売受付中(14:00~23:00受付)
※プレイガイド販売なし
※チケットの整理番号はご購入順になります。予約では整理番号がつきませんのでご注意ください。
※代引郵送にてご購入希望の方は、メールにて下記をお送り下さい。
(別途発送手数料¥580)
《公演日・公演名・住所・氏名・電話番号・購入枚数》
【問い合わせ】
ShowBoat
■Tel 03-3337-5745(14:00~23:00)
■Mail info@showboat.co.jp