A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

地下音楽から路上演奏、そして天上の調べ~白石民夫『東京への短い訪問』

2016年06月03日 01時28分31秒 | 素晴らしき変態音楽


日本のエクストリーム・ミュージックを聴く ~終わらない吉祥寺マイナー&第五列~

【日時】5/29(日) 13:15OPEN 13:30START
【場所】ピコピコカフェ(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-11-2 モミジビル8F ※エレベーターは7Fまでしかありません。7Fからは階段で8Fまでお上りください)
【選曲&トーク】Onnyk、Geso、sonorous(第五列)
【聞き手】堀 史昌
【料金】1,000円



園田佐登志、金野ONNYK吉晃、藤本GOSO和男の3人が所有する77~80年の吉祥寺マイナー関連音源を、のべ4時間に亘って聴き倒すという、地下音楽愛好家には垂涎のイベント。アルバム『愛欲人民十時劇場』等で名前を知る音楽家の演奏に加え、自虐視座の戯れ、ステレヲズ、アニオタなど初めて聴く音源も多く、大変興味深かった。が、どうにもこうにも極端なマイナー音楽ばかり続くと、流石に疲れを感じるのは否めない。80年代吉祥寺のライヴスペース『ぎゃてい』でバイトをしていたとき、マイナー音楽ばかり聴いていると気が滅入る、と不平を言っていた知り合いがいたが、35年経って彼の気持ちがわかるような気がした。

イベントの最後に、参加者持参の吉祥寺マイナー音源紹介コーナーがあり、筆者が高校2年の1979年7月13日に吉祥寺マイナーで隠し録りしたパンクバンド『SYZE』(現FOOL'Sの伊藤耕、故・川田良のバンド)の音源をかけてもらった。吉祥寺マイナーで演奏されたのはマイナー音楽だけじゃないという事実を示せればいいな、と思っていたが、そんな気持ち以上にパンクロックのカッコよさに心が救われる想いがした。

THE FOOLS 【On The Eve Of The Weed War】trailer


イベント終了後、来場していた.es(ドットエス)の橋本孝之とお茶でも行こうと思ったが、心身ともに疲れ果て、早々に帰宅。微熱が出て夜あまり眠れず、翌日39度の熱と極度の腹痛に襲われ二日間寝込んでしまった。実は筆者にとっては、フリーキーな地下音楽よりも、ストラクチャーのはっきりしたロックやアイドルソングの方が体質的にあっているのかもしれない。

Necronomidol - NEMESIS (Full Album)


などと泣き言めいたことを考えていたら、ひとりの地下音楽出身のミュージシャンのことを思い出した。先のイベントでも何度も名前が出て、音源もいくつか紹介されたその人の名前は白石民夫。本人曰く"マイナー族の最年長"である白石は、90年代からニューヨーク在住。地下鉄のホームや路上で演奏する姿は、当時から伝わってきたし、時折帰国すると、新宿駅や川縁で野外演奏を行いもする。地下音楽から路上音楽へ。音楽演奏の極北の天上を歩む白石民夫の『東京への短い訪問』のスケジュールは以下の通り。いつもの音楽に飽き足らない欲望愛好家の方々はぜひ足をお運びください。

如何お過ごしでしょうか?
また、ちょっとだけ日本に戻ります。で、演奏の予定です。

2016/6/03(金) 22:00 ソロ
新宿駅西口駅前カリオン橋の上。小雨決行。

2016/6/05(日) 19:00 幡ヶ谷 forestlimit
白石民夫+KみかるMico 他 

2016/6/12(日) 22:00 ソロ
新宿駅西口駅前カリオン橋の上。小雨決行。

新宿西口については、直前の変更・キャンセルがあるかもしれません。
下記のWEB、またはFacebookで確認してください。

白石 民夫
2016/05/25
www.shiraishitamio.info


好きなのは
地下音楽か
天上人か

Tamio Shiraishi 11pm, E train, Spring street station 5-14-16 1/5


Tamio Shiraishi 11pm, E train, Spring street station 5-14-16 2/5


Tamio Shiraishi 11pm, E train, Spring street station 5-14-16 3/5


Tamio Shiraishi 11pm, E train, Spring street station 5-14-16 4/5


Tamio Shiraishi 11pm, E train, Spring street station 5-14-16 5/5
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【JazzTokyo最新号】マーシャル・アレン・インタビュー/グンジョーガクレヨンCDレビュー他

2016年06月02日 00時10分00秒 | 素晴らしき変態音楽

photo by Akira Saito

JazzTokyo
Jazz and Far Beyond No. 218

<Jazz and Far Beyond ジャズとその先へ>をテーマとする音楽情報サイト『JazzTokyo』の最新号が更新されました。先々月からリニューアルし、ちょっとおしゃれで読み易くなったJazzTokyo(ジャズトーキョー)。<ナウなヤング>も<昔はイケメン>も揃ってお読みくださいませ。
JazzTokyo


【My Contribution】
Interview #147
マーシャル・アレン Marshall Allen (サン・ラ・アーケストラ)

記事はこちら

Live Report #895
Gilles Peterson presents 『WORLDWIDE SESSION 2016』

記事はこちら


CD Review #1311
『グンジョーガクレヨン / Gunjogacrayon』

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CD Review #1303
『Pascal Niggenkemper le 7 ème continente / talking trash』

記事はこちら

現実の
破綻できない
ストーリー



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【私のB級サイケ蒐集癖】第5夜:<地味渋ジャケ編>カリオペ/ゴスペル・オーク

2016年06月01日 00時43分58秒 | 素晴らしき変態音楽


サイケと言うと極彩色の色気狂いなヴィジュアルを想像してしまうが、地味で渋いジャケットのレコードに、聴き手の平衡感覚を狂わせたり、必要以上にリラックスさせ仕事をする気をなくさせたり、手当たり次第周りの人や動物すべてにキスして回りたくさせたりする、危険度たっぷりのサイケデリックサウンドが収録されているケースは少なくない。逆に上辺だけサイケを真似た偽物より、地味変(じみへん)こそリアルサイケな在り方ではなかろうか。今回取り上げた2枚は、筆者にとってはサイケであろうと無かろうと、聴くたびに落ち着く気分が味わえる鎮静剤ロックと言える。

●Calliope『Steamed』(Buddah Records BDS-5023 1968)
¥1350/1985.8.25/吉祥寺Disk Inn 2


CALLOPE – Clyde Heaton, Danny O'Keefe, John Simpson, Paul Goldsmith
Producer – Lewis Merenstein

ブッダレコードは60年代バブルガムミュージックやグッドタイムサウンドでヒットを飛ばしたレーベルだが、もともとサイケな要素がある。「仏陀」という名称、タイダイ風のレーベル面を見れば明か。上半身裸の4人の男が暮夜けて写るジャケットを見てピンと来た。カリオペとは蒸気オルガンであり、ギリシャ神話の叙事詩の女神のこと。オルガン入りのヘヴィサイケで、「カリフォルニア・ドリーミング」のファズヴァージョンがかっこいい。「ライク・ア・ローリング・ストーン」「ハウンド・ドッグ」などカヴァー曲、ダニー・オキーフ作のオリジナルもキャッチーかつファジーでよい。

ワシントン州シアトル出身のサイケデリック・ロック・バンド。70年代にシンガーソングライターとして活躍するダニー・オキーフ(1943年ワシントン州スポーケイン生)がベース/ヴォーカルを担当しているが、彼のバイオからオミットされる場合もある。決して悪い過去ではないと思うが、当然時代の熱に浮かれた仏陀レーベルの大人たちに乗せられて創ったアルバムとも言えるだろう。そんな空気感も含めB級好きには堪えられない一枚。

Calliope - 1968 - Steamed [Full Album]



●Gospel Oak『Gospel Oak』(Kapp Records KS-3635 1970)
¥667(3枚で¥2000)/1995.5.31/下北沢FLASH DISC RANCH


John Rapp - vocals, rhythm guitar, bass guitar
Bob Le Gate - lead guitar, vocals
Matthew Kelly - harmonica, percussion guitar
Gordon Huntley - pedal steel guitar
Cliff Hall - piano, organ
Kerry Gaines - drums, percussion

ぶっとい木の根元でポーズをとる4人の男たち。幻想的な内ジャケのポートレートから、プログレっぽい香りがするが、サウンドはカントリータッチのライトフォークロック。CSNを思わせるハーモニーとアコギのアルペジオのバックにファズギターが鳴り、ブルースハープが唸る世界はただのフォークロックじゃない。かといってドサイケでもないし、<時代の狭間のヒッピーロック>と呼ぶのが妥当だろう。しかし6人組なのに4人しか映っていないのは何故だろう。ゴスペル・オークとは北ロンドンの地名であり、地下鉄の駅名である。



サンフランシスコ生まれのマシュー・ケリーは1960年代後半に、メル・ブラウン、チャンピオン・ジャック・デュプリー、ジョン・リー・フッカー、Tボーン・ウォーカーなどの有名ブルースマンのバックでハーモニカを演奏し、音楽キャリアをスタートした。しかし彼は一攫千金を夢見てブリティッシュ・インヴェンジョン発生の地イギリスへ移住した。

同じ頃ドラマーのケリー・ゲインズ、キーボードのクリフ・ホール、ペダルスティールのゴードン・ハントリー、リード・ギターのボブ・ル・ゲイト、シンガー/ベーシストのジョニー・ラップはイギリスにいた。なんとかビートルズのパブリシストのトニー・バロウの関心を引くことに成功し、バロウがマネージャーになり、コネを使ってKAPPとのレコード契約を獲得した。レーベルはバンドをロンドンへ呼び、ケリーと引き合わせた。拡大したラインナップは、プロデューサーのマイク・リーンダーとロジャー・ワトソンとともにセルフタイトルLPでデビューした。

アルバム・リリース後マシュー・ケリーがアメリカに帰国し、ゴスペル・オークは自動消滅。ケリーはサンフランシスコロックシーンで活躍し、Grateful Dead、The New Riders Of Purple Sage、Kingfishなどで活躍する。

Gospel Oak - S/T 1970 (Full Album)


地味だけど
渋いけど
変だけど

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