別稿でちらっと触れたが、9月のフランス旅行以来、筆者のレコード購買欲はもっぱらクラシック、それも現代音楽に傾倒している。きっかけはパリのモダーン・ミュージックと名付けた中古レコードショップでピエール・アンリのオリジナルLPを購入し現音熱が再燃したことだが、何よりも自分が知らない世界に足を踏み入れる歓びと、掘りがいのある地下水脈に想いを馳せてワクテカ感がハンパない。勝手知ったるロックやジャズや地下音楽よりも現代音楽/クラシックの未だ見ぬ秘宝に巡り会う楽しみという禁断の沼に片足を突っ込んでいる。そんな日々を送る筆者は11月11日ポッキー&プリッツの日の知人のFacebook投稿で日本の前衛音楽のレクチャーがあることを発見した。丁度昼間の現場と夜の現場の間の隙な時間だったので明治学院大学へ足を伸ばすことにした。
日本近代音楽館レクチャーコンサートシリーズVI
前衛の種子たち―「グループ・音楽」の日々
開催日 2017年11月11日(土)
時間 14:00開演(13:30開場)
会場 明治学院大学白金キャンパス アートホール
主催 遠山一行記念日本近代音楽館
講演 佐野光司.............音楽学
座談会 水野修孝.............作曲家、「グループ・音楽」メンバー
塩見允枝子...........作曲家、「グループ・音楽」メンバー
一柳慧................作曲家
佐野光司(司会)
音源再生
即興演奏「デュエット」(小杉武久+水野修孝 1958)
集団即興「オートマティズム」(グループ・音楽 1960)
集団即興「メタプラスム・9-15」(グループ・音楽 1961)
ほか
「グループ音楽」という音楽集団の存在は知っていたし、海賊盤もどきのLPも所有している。併しそれ以上の実体を紹介するメディアや報道機関は存在せず、少数の専門家か狭いアカデミズムの中で密かに語り継がれる都市伝説のような気がしていた。それが正にその時代の生き証人といえる面々が会しての座談会に昂奮するなと言っても無理。現代音楽の第一人者として有名な一柳慧氏はともかく、70年代ジャズのアレンジャーとして知っていた水野修孝氏や、名前も知らなかった塩見允枝子氏を生で見られるとは、ネット社会に感謝しか無い。レクチャーの詳細な内容は主催の「遠山一行記念日本近代音楽館」の会報に掲載されると思うので、筆者のメモを無修正で晒すことで報告に代えさせていただく。
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第1部
講演:佐野光司
58年ケージ不確定性
同じ年、小杉が即興 日本の真面目な即興の最初
61年サイレンス 佐野さんはよくわからなかった
61年シェーンベルク死後10年
しかし初日のアメリカの前衛音楽が話題に
水野さん自宅の即興演奏オブジェ 60.5
グループ音楽第一回演奏会
佐野さんよくわからない
水野さんが徹夜で講義
おかげで現代音楽を理解できた
ジャズ喫茶にも連れて行かれた
集団即興演奏
60年5月 新宿で水野 小杉 柘植さんが打ち上げで即興演奏したのを覚えている
シュトックハウゼン7つの日
水の中にストロー吹きながら花から息を吸う
グローボカー
水野さんの指導教官と 柴田南お 彼は夢みたいなことばかりやっている
水野 声のオートノミー64年
現代音楽 楽譜になっていないので自由に演奏できる
塩見さんアメリカへ渡りフルクサスに参加
公然猥褻物陳列罪で逮捕 氷のチェロ
小杉さん タージマハル旅行団 ストックホルム
Taj-Mahal Travellers - Live Stockholm July, 1971
波の映像を見て即興演奏
意識のメタ化
意識と無意識のキャッチボール
所有された花はすぐ死ぬ
1975.1小杉 マノ・ダルマ解説
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第2部
座談会
水野修孝
塩見允枝子
一柳慧
佐野光司(司会)
一柳さんアメリカから帰って61年
50年代半ばから12オン音楽、セリー行き着いた作曲ができにくい状況。
58年ケージと会って必然的に変わった。
日本へ帰ってグループ音楽の存在を知り驚いた。
草月ホール61年11月 図形楽譜、即興演奏は普通の教育を受けた演奏家には無理。創造的な活動をする人を求めていた。
自分のコンサートでグループ音楽出演
ケージ ウインターミュージック 高橋悠治10月に1時間40分演奏。驚いた。
11月30日
IBMハプニングとミュージックコンクレート
水野さんチェロ小杉さんヴァイオリンで
デュエット 58年から即興演奏始めた12月26日にやってみたら気に入った。芸大試聴室
塩見さん 59年芸術祭 シェーンベルクピエロリュネール演奏 アンサンブルがとても楽しかった。終わった後も寮の仲間vo.fl.p3人で即興演奏
卒論書きながらセリーの限界に気づいた。鳥の声や自然の音を取り入れたい。
即興
楽器の音だけでない音を演奏したい
ハクに捉えられない音楽
その場で出す音 音楽的に
即興演奏には完成形がない
一柳さん
不確定性の音楽に入った理由
一番の影響は
ボールウィリアムスがパトロン
ストリーポイント住む場所を提供広大な土地を与えた
自由に家を建てて住んでもらう
音楽を生活の中に感じられる生き方
制度化された芸術へのアンチ
ケージ 野生のきのこや植物を、採取
音楽と同じ次元で実践している
音楽思想を生活の中に取り込んでいる
刺激を受けた
オートマティズム
60.5.8水野家でのライブ演奏
Group Ongaku - Automatism
塩見さん 普段は学校で楽器でやっていたが、いろんなもの台所用品などがある、
自由でなんでもあり、高揚感があった。
音楽よりも客ダメだった
メタプラスム
61.9.15草月ホール
Group Ongaku - 3. Metaplasm 9 15
一柳さん
今聴いても新鮮
グループ音楽がどうして続かなかったのか
一柳 IBM パンチカードを、渡されて二つのアクションを考えろ
東京理科大でテルミンの原型とシャボン玉
行為の芸術に進んだ
オートノミー 全員勝手にやると騒音になる
めちゃくちゃの音とシンプルなオナとの間な
グローボカール コレスポンデンスで同じ試み 世界に広がる
フルクサス シャーロットムーア ナムジュンパイク作品
パイク64年草月ホールでピアノを壊す演奏
アメリカでは
テープレコーダー
小泉先生の学理教室で民族楽器を演奏したことあり。影響あり。
録音 タイトル 小杉さんの奥さんが付けた。
グループ音楽は何の影響もなく始まった
60年代音楽会が燃えていた時代
グループ音楽 - Object
即興は
無から有を
生むだけじゃない
会場で偶然会った陰猟腐厭の増田直行氏と話をした。11月16日にライヴがあるとのこと。