昨日のブログの続きで、林業の専門家K氏の説明の中で、私の目から鱗が落ちた内容を、いくつか報告します。
(1)オオバヤシャブシが実のつき方を変えたのは、島の風のせい?
本土のヤシャブシは、雌花よりも雄花の方が枝先につきますが、オオバヤシャブシは雌花が枝先につきます。芋虫みたいなのが雄花で、赤っぽくて小さなものが雌花です(昨年春の写真)

花の後に葉と枝が伸び、

冬には茶色いマツボックリのようになって残るのですが、どうして雌花と雄花の位置が入れ替わったのか、ずっと不思議でした。

K氏の推理は「本土は同じ木の花粉が自分にかからないように下にあるけれど、島は風が強く、花粉はすぐ遠くに飛ばされ自分の雌花にかかる心配がないからこうなったのでは?」というものでした。この推理、なんだかとても納得しました。
(2)同じ木なら葉っぱの体積は同じ?
ここの椿の木は、葉が小さく色も濃いのが以前から気になっていました。

実際のところ、先日自宅庭にある椿の葉と比べてみたら、色も大きさも随分違っていたので「栄養状態の悪いところ生きているからかな」と思っていました。(左側が自宅庭の椿の葉です)
でもK氏の指摘でよく観察したら、同じ1本の木でも生えている位置によって、色も大きさも厚みも違っていました。

K氏の説明によると「日当たりが悪いほど葉を薄く広げる」「同じ日当たりが得られる場所は、風が強いところほど小さくて厚い葉で飛ばされるのを防ぎ、風が弱ければ大きくできる」のだそう。
同じ木に生える葉の体積は同じらしく、デジタルノギスで正確な厚みと大きさを測って体積を出すと同じなのだそうです!(こんど測ってみます)
(3)風には逆らわない?
K氏に言われてよく見たら、木の枝が急に向きを変えていることに気づきました!

樹木は常に同じ方向から風が吹き付けていると、その方向に枝を伸ばせないのだそうです。

近くに生えている木のおかげで風が強くあたらなかった木は、最初は光を求めて上に伸びていましたが、背が高くなって風が当たるようになった途端、クルッと向きを変えたようです。
風は、障害物にぶつかっては向きを変え、時には渦を巻きますが、同じ場所には大体同じ向きからの風が吹くために、こうなるそうです。(普段何気なく見ていた風景が、これからメチャ楽しめそうです☺️)
(4)根っこだって枝になる?
2019年9月の台風で倒れ、根の半分以上が剥き出しになった木。(写真は1ヶ月前)

根っこが枝に変身し、空を目指していました。

K氏がここで、筋道立ててわかりやすく変身していく過程を話してくれたので、自分が木になった気がしました(笑)
(5)木の気持ちになって空を見上げて!
実は私、以前この場所で、木が倒れて空が開いている場所と、木が密集して生えている場所の光の量を、照度計で測ったことがありました。(写真は昨年11月)

でも照度計を使わなくても、空を見上げて観察するだけで、分かる
とのこと。裏砂漠の光の量を100%としてみると、"倒れた木の上は3割"、"密集しているところは1%ぐらい"、だそうです。照度計でデータを取るよりも、まず
植物の立場になって、周囲をよく観察することが大切ですね😅
K氏の、知識と経験に基づく筋道立てた説明が、本当に面白かったです。

どなたかが「シャーロックホームズ」と呼んでいましたが、いろいろ観察、推理しながら歩く姿が、まさに名探偵だと思いました☺️
ツアー以外でもいろいろな話が聞けたので、いつかまた、機会があったら書きたいと思います☺️
(かな)