ちょうど3週間前の5月5日、火事でダメージを受けた裏砂漠(奥山砂漠)の植物たち。
今日、嶋田と一緒に、どの程度変化しているか見に行ってきました。
道(?)を挟んで、右と左で全く様相のことなる植物たち。

左(南側)を見ると元気な緑色の葉が茂っているのに

同じ場所で右側(北側)を見ると、多くの木がダメージを受け、緑の葉は目立ちません。

でも、近づいてよく目を凝らすと…
ススキの若葉があちらこちらで、地面から顔を出していました!!

37年前の噴火後の植生調査では、一番乗りで芽生えたとされるハチジョウイタドリは、数カ所だけでしたが、赤い若葉が確認できました。
台風の時、爆風で茎ごと無くなった時は、アシタバが一番乗りでしたが、一株もありません。
アシタバは茎をカットされるだけだとすぐに再生できますが、熱には弱いのかもしれません。
噴火だと、溶岩が流れてきたりマグマの飛沫が厚く積もったりして、“熱い状態”が長く続きますが、火災は一過性。
ススキは一過性の熱には強く、いち早く再生するのですね!
(ススキの草原を保つために野焼きをすることの意味に、おおいに納得しました)
ツル植物のサルトリイバラも、ほとんどが黒くなって枯れていましたが、一株だけ元気な若葉を出しているのを見つけました。

葉の落ちた茎の途中から、新たな茎を延ばしていました。

この逞しい姿の理由は何なのでしょう?
運なのか? 個体の強さなのか?
樹木は、ほとんどのものが枯れたまま。

特に、クロマツの大木が、燃えて倒れていたのは衝撃的でした。

中は綺麗でしたが、樹皮は完全に剥がれていました。

😢
でも、荒地にいち早く生え始めるニオイウツギが、葉も半分枯れているのに花を咲かせていたので、感動しました。

この姿、すごくありませんか?

別個体も、私の目線より高い場所で花を咲かせていました。

弱った個体にとって、花を咲かせるって、相当エネルギーがいるはずなんです。
でも生きものは、どんな悪条件でも子孫を残そうと頑張るのですよね。
37年前の噴火後の植生調査をしたという方に、偶然フィールドで出会ってお話を聞く機会があり、「焼け野原の中で、サクユリ(ニオイウツギだったかも?)が花を咲かせ、枯れていったのを見て感動した」とおっしゃっていたことを、思い出しました。
生命は逞しくて、ひたむきで、美しいです。
今日は、いつもにもまして、そのことを感じました。
(かな)