グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

未記録種

2009年05月01日 | 植物
 大島には600種から700種程の植物が自生しているとされています。これは、1種ごとに調べて確認するという地道な作業を積み重ねて、およその数を出したものです。その集大成が、大島自然愛好会(1993年)発行の「伊豆大島植物目録」になり、同会編集、大島町(2000年)発行の「伊豆大島の植物」の総目録にまとめられました。

 それでも、目録に記載されていない未記録種が、まだまだ確認されます。大島への植物の新たな進出は、種子などが海流や風や鳥などによって運ばれて来るものや、人間が意図的に移入したもの、物資などにまぎれて意図せずに運び込まれたものなどがあります。最近は、人間の活動により入ってくる植物が増えているようです。

 また、目録に植物名はあるのに見かけなくなってしまうものもあります。伊豆諸島の固有種で、大島では三原山の高い所にあるシマタヌキラン(カヤツリグサ科)は、環境省レッドリスト2007の準絶滅危惧種にランクされています。現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種です。シマタヌキランは、ハチジョウイタドリなどと共に裏砂漠に最初に生えてくる先駆植物のひとつで、この地域の独自性の象徴です。それを広範囲に除草してしまったのは残念です。
 
 数年前、海岸付近に咲くスカシユリ(イソユリ)が、ほとんど見られなくなって心配していましたが、今年はあちこちに伸びています。これは6-7月の花期が楽しみです。 

 里山にありふれているので、今まで未記録だったのでしょうか。南アメリカ原産とされる帰化植物のトキワツユクサは、ドクダミのように木陰を好んで白い花を咲かせています。いつでも瑞々しいようすをトキワ(常盤)と表現しているようです。

(なるせ)
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