浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「日本人だ、撃たないで」は神通力を失った?

2016-07-05 07:15:59 | その他
 何度も書いているが、2003年のイラク戦争から、日本はアメリカなどが進めるアラブ世界の「民主化」という名の「平定作戦」に参加している。ここでいう「民主化」は、本来の意味での使用方法ではなく、「アメリカへの従属化」である。その意味では、日本はかなり早い時期にそれをやりとげた国だ。

 しかし平和憲法を持つ日本は、実際にアメリカが行う「平定作戦」に公然とは参加してこなかった。同時に、従来の日本の為政者は、賢明であった。アメリカとは異なった、武力を使わない平和外交を展開することで、日本国民の安全を守ってこられた。

 2003年、中東地域を混乱させ、主権国家を崩壊させる「平定作戦」をアメリカが始めたとき、小泉政権はそれを支持し、参戦した。それ以降、日本人は安全ではなくなった。

 そして安倍政権はさらにその「平定作戦」への参加を強化した。国際的にも、あちらこちらでそれを明言した。安倍首相は、昨日記したように、武力を強化し、アメリカと軍事的に協調すれば「日本人にはこれから先、指一本触れさせない」ことが可能であるかのような幻想を与えた。

 日本人は世界各地に散らばっている。その日本人一人一人に「指一本触れさせない」ことは物理的に不可能である。「指一本触れさせない」ーそれを実現させる手段はただひとつ、「平和国家日本」をアピールすることだ。

 だが日本人はそうは考えないようだ。参議院選挙、安倍政権を支える自民党や公明党の支持率が高いままだ。

 日本人の多くは、統治者的発想をもつようになっている。つまり為政者と同じ視線をもつようになってきた。

 為政者と、庶民とは、隔絶した世界に生きているのに。

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