浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】白井聡『長期腐敗体制』(角川新書)

2022-11-21 20:04:41 | 

 これでもか、これでもかと統一教会党=自民党の腐臭が全国を覆う。しかし人々はその腐臭がわからない。

 著者・白井は、この腐敗しきった政治の状況を、2012年体制と呼ぶ。中野晃一が提唱した概念のようだが、それを支えているのが、有権者の「無気力状態」だと最初に指摘する。

 この体制の特徴は、不正、無能、腐敗であるという。その通りである。よいことは何もない、悪ばかりなのだが、しかし人々はその体制を支え続けている。

 私はなぜそういう体制を人々が支持するのかが理解できなくなっている。政治から遁走したいと思うほどだ。

 そうはいっても、日々私が生きていれば消費税をはじめとした税金を払い、支配層の利権にカネを送り続けている。政治を見れば、政府支出を少し見るだけで、すべてが利権へとつながっていることがわかるほど、税は特定の勢力にばらまかれている。

 この腐臭にまみれた政治から逃げたいと思うのは、私だけでないはずだ。あまりにひどすぎて!!

 よく考えてみれば、創価学会の公明党は、やはり政治権力のなかにはいってはいけない政党であることがよくわかった。時折、公明党を「平和」の党だとして、右傾化する政権内でブレーキをかけることに期待する声が聞かれたことがあったが、それは明らかに間違いであることが、統一教会問題に於ける公明党の動きを見ればよく分かる。

 本書は、近年の政治の動きをおさらいするときに役に立つ。そしてそこに書かれていることが、私の思いと共感する故に、すらすらと読み進めることができる。

 いずれにしても、2012年体制はすでに「統治の崩壊」へとむかうものだと白井は記す。しかし、野党の体たらくを見れば、良い統治が日本に実現するとはとても思えない。

 白井がこのように2012年体制を撃つということは、いまも政治をなんとかしようという思いをもっているということだ。

 私はその熱がどんどんさめてきていることを実感している。あまりの不正、無能、腐敗に、もはや呆れるしかない。

 この本、読んだ方がよいと思う。

 

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【本】森まゆみ『聖子』(亜紀書房)

2022-11-21 13:01:13 | 

 昨日は雨。図書館に行き借りてきたものだが、一気に読み終えた。

 聖子という人は、新宿の「風紋」というバーの経営者。その父親は、大杉栄と交流があった画家・林倭衛で、「出獄の日のO氏」という人物画を描いた。O氏とはもちろん大杉である。

 第一部は戦前編で、父倭衛(しずえ)を中心としたものになっている。林聖子は1928年生まれであるから、戦前は成長過程ということとなり、したがって父倭衛の血縁、人間関係が主に書かれている。アナキストでありまた画家であることから、倭衛の交友関係は幅広く、次から次へと名だたる文化人らが列挙される。

 第二部は戦後編となり、父倭衛は1945年1月に亡くなるから、ここで聖子中心の記述となる。

 聖子が経営した「風紋」は文壇バーとして有名で、名だたる文化人が無数にそこに集まってきた。そこに挙げられた名前をみるだけで、驚くばかりである。

 東京というところは首都ということもあり、文化人その他がたくさん住んでいる。東京は文化の集まるところであり、またその文化の担い手が交流するなかで新たな文化が生まれてくるところでもある。

 私も4年間東京で学生生活を送ったが、卒業後は郷里に帰った。長男でもあり、父親がいなかったから、帰るということが当たり前という認識であった。東京を去る最後の日は、確かに後ろ髪を引かれる思いであったが、郷里に帰ってからは東京に住みたいとは思わなくなった。ただ、子ども3人の内、ふたりは東京で家庭を持っている。

 それに私は体質的に酒が飲めない。一度も酒がおいしいと思ったことはない。だから酒を飲むバーというところには足を踏み入れたことはない。就職してから酒を飲めるようにしようと努力したこともあったが、ムリだと分かってそれからはほとんど飲まない。

 だが、この本を読むと、酒を飲みながらいろいろな話をすることも、ある種の文化であることを感じた。

 面白く読んだ。こういう世界もあったのかという感慨である。

 興味深い本ではあるが、構成が雑のようにも思えた。ここでは行をあけたほうがいいとか、編集上の問題を感じた次第である。

 

 ただ今農繁期、かつ垣根の剪定などで、たいへん忙しい。雨が降らないと休むことはないほどだである。

 

 

 

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