ベトナム戦争反対の声を、高校生の頃から叫び始めた。それはもちろん、戦争が終わるまで続けられた。ベトナム戦争が、私の精神をつくりあげてきたという思いがある。
『週刊金曜日』が、私が若い頃読んだ本多勝一の『戦場の村』その他、それらが私たちに伝えたもろもろのことを、追体験した記事を連載している。私は、これらの連載を強い関心を持って読んでいる。
ベトナム戦争は、侵略してきたアメリカ帝国主義国家に対する抵抗闘争であった。その闘争は、明確に正義の戦いであった。
今週号は、北から南への、山岳を通ったホーチミンルートではなく、「もうひとつの補給路」であった「海のホーチミン・ルート」について書かれていた。私は、海からのルートが存在していたことをはじめて知った。それに関する本が出ていることを教えられ、早速読んでみようとさがしたが、県内の図書館では静岡文化芸術大学しか保有していないことがわかった。購入しようと思いさがしたが、すでにこの本(『海のホーチミン・ルート』)は、高額となっていた。
「海のホーチミン・ルート」の担い手たちを、本田雅和さんは取材している。記されているレー・ハーさん、グエン・ドゥク・タンさん、そしてその周辺にいた人々は、なんという気高い生き方であっただろうか。正義の戦い、しかしそのなかで多大な犠牲もあったであろうが、そのなかを生き抜いてきた人々は、高潔な人格をもった素晴らしい人々であることが記されている。
私は、ベトナムでの抵抗を支援しながら、ベトナムからいろいろなことを教えられ今に至っている。ベトナムは、私にとって仰ぎ見る地である。
今近所のアパートにベトナム人青年が住んでいるが、彼らは崇高な抵抗闘争をどれほど教えられているのだろうか。
おそらく、私だけではなく、多くの人々がベトナム民衆の闘いに教えられ、励まされていたはずだ。だから、今ベトナムはどうなっているのかと関心を持ち続ける。
この連載が、長期間続けられることを願う。