窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

10周年の節目に再開しました!-第119回YMS

2020年10月15日 | YMS情報


 2020年10月14日、7カ月の休止期間(1回のオンライン開催を挟む)を経て、mass×mass関内フューチャーセンターにて第119回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

 2010年10月13日に横浜情報文化センターにて第1回YMSを開催して以降、コロナによる休止期間を除けば毎月第二水曜日のセミナーを絶やすことなく、記念すべき10周年を迎えることができました。これも偏にこれまでご参加いただいたのべ2,237名の皆さまとのべ125名の講師の皆さま、そしていつも会場を快く貸して下さるmass×mass関内フューチャーセンター様、馬車道十番館様のおかげです。心より感謝申し上げます。



 今回の講師はコンサルティング歴35年、ブランディングコンサルタントの髙橋珠美様。「コロナ禍の中、前年月額対比1000%の売上を達成するビジネスアクションとは」と題してお話しいただきました。

髙橋珠美様HPはこちらです。



 また、今回からオンライン受講も並行して行えるようになりました。まだ改善点は多々ありますが、今後も続けていきたいと思います。

 さて、脈絡にかける点はあろうかと思いますが、お話の要点をまとめさせていただきたいと思います。

<売れる仕組みづくり>
ビジネスコンセプト
ブランディング
マーケティング(仕組みづくり)
これらが三位一体でなければならない

事例:コロナ期にもかかわらず、売上を前年同月対比、5月4.65倍、6月6倍、7月10倍に伸ばしたパン教室。

1.ビジネスコンセプト(売り方、スタイル、理想)
・自らの存在性を定義する
・存在性には「Being」と「Identity」の二つがある

Being…性格・資質など(identityの土台になるもの)
Identity…後天的に付加されるもの(肩書や役割など)

Beingから表に出したくないものを消していく。すると、表に出しても良いものが残る。それがIdentityの土台となり、その人(事業)の独自性を形作る。したがって、自分のBeingをどれだけ深く知るかが大事となる。

2.ミッション・ステータス
・ブランディングの土台となるもの
・「根源的ミッションステータス」、「職業を通じたミッションステータス」、「オペレーションを通じたミッションステータス」の三種類があり、順番に下からの階層構造を成している。
・これらが「評判」につながる

3.ペルソナ(たった一人の顧客)を決める
・その顧客の問題を認識する(5つのキーワードに基づき、100個書き出す)
・本当に顧客を知っているかを徹底的に考える

4.ポジショニング(自分のビジネスフィールドはどこか、ライバルは誰か)
・自分はポジショニングマップのどこにいるのか?
・ベンチマークすべき相手はどこに位置しているのか?
・競合他社をプロットし、業界のポジショニングマップを作成した時、どこに隙間があるか?
・空いている隙間のどこを選ぶか?
・それによりブランディングの仕方が変わってくる

5.ブランディングは、以下の全てを含んだプロセスである

入力:会社を意味するものすべて
処理:整理・精査
出力:市場に対するメッセージをビジュアル化。適切な媒体による発信

6.計画策定のプロセス
①ゴール(何を目指すのか)を決める
②目的を決める
③独自性を決める
④理想の光景(結果どうなるのか)を考える(現状は置いておいて、妄想をたくましくする)
⑤本当に価値のある最終生産物は何か?

これらに基づき、戦略計画、戦術計画が作られる

7.マーケティングの逆三角形(パーチェスファネル)
・(逆三角形の底辺より)認知→興味・関心→比較・検討→購入・申し込み
・本命商品を持っているか?
・フロント商品(お試し)は何か?
・見込み客の導線をどう作るか?(媒体の活用)
・マーケティングは知ってもらい、購買につなげる仕組みづくり
・したがって、逆三角形の底辺が広いことが大事

事例:コロナ期にもかかわらず売上を前年比207%伸ばしたボディケアサロン。

8.ストーリー作り
・「アーンドメディア」、「オウンドメディア」、「ペイドメディア」のサイクルを回す

① アーンドメディア
・口コミで獲得するメディア露出
・オウンドメディアと双方向の影響関係にある
② オウンドメディア
・自分でコントロールできるコンテンツ(ブログ、SNSなど)
・ペイドメディアからの影響を受け、アーンドメディアへ影響する関係
③ ペイドメディア(有料広告)
・アーンドメディアとオウンドメディアへ影響する関係

・とりわけオウンドメディアのアクセスをいかに伸ばし、滞在時間を長くするかが大事
・そのために見込み客の啓蒙を行う

8.コンディションの公式
・自分の状態を数値化し、グラフの傾きから処方を考える(コンディションごとにとるべきアクションがある)
・より良いコンディションへ移動させていく
・横ばいはノーマルではない、緊急事態である
・良いコンディションも危険の兆候となり得る

 このようにまとめると、抽象的な知識のインプットが続いたように見えますが、実際のお話は非常にリアルなものでした。とりわけ、コロナ禍でセミナー業やコンサルティング業自体が苦境に立たされていた中、早期の段階で、すでに顧客に対しコロナ禍での適切な処方箋を示していた点に感銘を受けました。これも何年も前からネットを活用したマーケティングと、成果を出すまで伴走することによる実績の蓄積があったからこそと思います。いかに「普段が大事か」ということを思い知らされました。先生も「リスクも適切な行動を取ることによってチャンスとなり得る」とおっしゃっていましたが、「言うは易し、行うは難し、成果を生むのはなお難し」です。

今回のお話を一言でまとめますと、「良い商品だから売れるとは限らない。『見せ方、売り方』が大事。知られないことには始まらない」と言えるかと思います。

過去のセミナーレポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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