10月27日、今シーズン初の野球観戦に行ってきました。今年は新型コロナの影響による入場制限などがあり観戦は諦めていたのですが、急遽お誘いいただきました。ありがとうございます。
本来であれば、すでに東京オリンピックの会場として使用されていたはずの横浜スタジアム。去年まではなかった入口が新設されていました。
さて、シーズンも終盤。既に横浜に優勝の可能性はなく、対戦相手の巨人の優勝マジックが4。この三連戦で優勝が決まる可能性もあります。そんな戦いの初戦を任されたのは、チームの勝ち頭、ここまで9勝5敗の二年目大貫投手。自身初の二桁勝利をかけて臨みます。その立ち上がりは、坂本選手にこそヒットを許したものの、上位打者4人を抑え上々でした。
一方、巨人の先発は高卒二年目にして先発ローテーションに定着した、戸郷投手。ここまで8勝5敗です。
その立ち上がり。先頭打者の梶谷選手が二球目をセンター前に運び出塁しますが、後続を断ち、こちらも上々でした。なお、この日梶谷選手は5打数4安打。怪我のためこの日登録抹消になった佐野選手と同率で首位打者に並びました。
二回表。巨人は二死から吉川選手がボテボテの二塁ゴロ内野安打で出塁します。その後、果敢に盗塁を試みますが、アウト。しかし、我々の目からは二塁手ソト選手の上からのタッチより、吉川選手の足が先に着塁したように見えました。原監督もリクエストを出しましたが、リプレイ検証の結果判定はアウト。
試合が動いたのは3回裏。先頭の大貫投手がライト前にヒットを放ち、出塁します。いつも飄々とした大貫投手ですが、この日は「自分の力で勝つんだ!」という気持ちがこちらにも伝わってきました。
すると、続く9番戸柱選手もライト前ヒットで続きます。この時の大貫投手の躊躇ない走塁も見事でした。10勝にかける想い、チームに勢いを与える走塁でした。これで無死三塁一塁、下位打線からチャンスを作ります。
1番梶谷選手はこの日唯一の凡退で倒れ、2番乙坂選手も一塁ゴロ。しかし、一塁ウィラー選手がまず1塁を踏んで打者アウト。一塁走者の戸柱選手が二塁一塁間で立ち止まり、挟まれる形となります。フォースプレーであれば三塁走者の生還は認められませんが、この場合はタッチプレーですので、戸柱選手がタッチされるまでの間に大貫投手が生還。併殺で3アウトではありますが、1点を挙げるという珍しいプレーで横浜が先制します。
大貫投手は5回表終了時点で2安打、62球と文句なしの内容。強いて言えば、丸選手の時だけ苦手意識があるのか、球が上ずってしまっていました。もう一人、この日3安打を放った坂本選手については、坂本選手が上手だったと言わざるを得ません。
5回裏。横浜は先頭の柴田選手がセンター前ヒットで出塁。
続く大貫投手はバントしますが、一塁走者の柴田選手が二塁タッチアウト。しかし、今度も我々の目から見ると明らかにセーフでした。再びリプレイ検証となりますが、やはり判定通りアウト。
しかし、続く戸柱選手、梶谷選手が連続ヒットで満塁。この日全くタイミングの合っていなかった乙坂選手が倒れ、二死満塁。横浜としては試合の流れを左右しかねない、何としても追加点が欲しい局面を迎えます。
そしてこれまでの二打席凡退していたロペス選手を迎えます。ところで、この日座っていた席は、三塁側のロペス選手がよくファウルを打ち込むエリアでした。予想通りロペス選手はガンガンこちらにファウルを打ち込んできて、前の打席でのファウルは僕の右腿裏に当たっています。正確に言うと、身体はよけてボールが欲しかったので脚に当てて落とした形ですが、何とコロナ対策とかでボールはもらえませんでした。あざの作り損です。
閑話休題。この日あまり合っていなかったロペス選手ですが、ファウルを見るに、徐々にアジャストしてきている雰囲気は感じていました。この第三打席も初球はファウル。2球目、外角真ん中の甘い球でした。これを逃さず捉え、打球はレフトスタンドに飛び込む満塁ホームラン。0vs1の投手戦は、これで一気に横浜に流れが傾きました。0vs5。
それでも巨人は6回表。先頭の坂本選手が三遊間を鋭く抜くヒットで出塁。この日3安打目、通算2,000本安打まであと8本と迫りました。
そして一死一塁から、丸選手がバックスクリーン横深くに飛び込むホームラン。これもど真ん中でした。大貫投手、まさに坂本選手、丸選手だけにやられた形です。2vs5。とはいえ、大貫投手はこの6回表を投げ切り、5安打2失点3与四球4奪三振。91球で初の10勝目を手にしました。おめでとうございます!
8回表。7回のパットン投手からマウンドを引き継いだ平田投手が四球とヒットで無死二塁一塁のピンチを作りますが、代わった石田投手が丸選手、ウィーラー選手、代打石川選手を抑え、無失点で切り抜けます。石田選手の活躍により、横浜はかなり楽な展開に。
8回裏、巨人はブラジル出身、身長193㎝、体重113kgs、球速163㎏を記録したこともある剛腕ビエイラ投手が登板します。
打席はオースティン選手。「ここまで来たら、あとはオースティンに気楽に打ってもらって、ホームランでも見て帰りたいよなあ…」なんて話していた2球目でした。真ん中低めに落ちる球を掬い上げ、詰まったかと思ったのですが、高々と放物線を描いた打球は、バックスクリーンまで届きました。何とオースティン選手は10月10本目のホームラン。2vs6。
さらに一死から、この日一軍登録されたドラフト1位ルーキーの森選手がついにプロ初打席に立ちます。高卒新人で、しかもビエイラ投手のような巨人を目の前にしたら怯えてしまいそうですが、森選手の物怖じしない溌溂とした雰囲気が伝わってきました。そしてそのプロ初打席は、レフトフェンスを直撃する二塁打。素晴らしいプロ初安打、その後の走塁も積極的でした。まだ18歳、考えてみたら僕の子供と同学年です。おめでとうございます!
さらに柴田選手が四球で出塁、暴投も重なって一死三塁二塁。これを大和選手が左中間を抜く彼らしい三塁打で還します。ついに2vs9。
最後は、シーズンが深まるにつれ良くなっている、個人的に注目している新人伊勢投手が登板。この日も150㎞を超える力強いストレートで巨人打線に反撃の隙を与えず。
優勝こそできませんでしたが、恐らく今シーズンは最初で最後になるだろう試合観戦で、ロペス選手の満塁ホームラン、大貫投手の10勝目、オースティン選手の本塁打、森選手のプロ初安打、期待の伊勢投手など、見どころ盛りだくさんでした。ボールにも当たりましたし。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした