窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

経営者のためのSNS活用術-第128回YMS

2021年07月15日 | YMS情報


 7月14日、mass×mass関内フューチャーセンターにて第128回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回僕は初めてZOOMからの参加となりました。これまでであれば欠席となっていたところが、ZOOMの一般化によってこうして参加できるようになったのは、コロナ禍の中の良い側面かと思います。



 さて、今回の講師はミアサ企画代表、細山麻実様。フリーのWebライターとして、またイベント企画・SNSサポートなど企業のサポートも行っていらっしゃいます。そんな細山様に、「経営者の為のSNS活用術 〜会社経営をされている方の個人アカウントでの投稿ポイント〜」と題してお話しいただきました。

 初めに、日本で普及している代表的なSNS、LINE、Twitter、Instagram、Facebookなどについて、それぞれのユーザー層や特徴のお話がありました。まずツールが持つ特性や年齢層を理解しておく必要があるのは、そうしたことを踏まえて使い分けないと、経営者にとっては非効率なところにPRを行ってしまう可能性があるためです。

 細山さんによれば、SNSとは一頃で言えば「ネット上の自分新聞」。つまり、企業や商品PR、あるいは集客のために活用するのだとしても、そこには経営者の個性を反映できるという特徴があるということです。この特徴を上手にブランディングに活用していく必要があります。

 その上で、最も大切になるのが、SNSを活用する目的を明確にすることです。そもそも、どんなメッセージを誰に発信し、どんな成果を得たいのかが不明確では、使用するツールも定まりません。特に経営者としてはあくまで個人としてでも、ビジネスとしてでも、あるいはその両方としてでも、その使用目的は様々に考えられます。

 よく勘違いされる注意点として、SNSによる発信とは、TV番組に取り上げられるように即効性を求めるものではなく、地道にゆっくりとファンを獲得していく作業だと認識することです。これを勘違いすると、恐らく疲れてしまったり、嫌になってしまったり、あるいは延々と効果が出ないことを続けるといった罠に陥ることになるのでしょう。

 さて、実際にSNSを活用し始めたとします。前述のようにSNSは投稿者の個性が反映されるツールですので、耳寄りな情報や、告知など以外に、人柄が現れる投稿が可能です。それらがバランスよく組み合わさることで、「自分らしい」個性のある投稿が形成されていきます。古典的なAIDMAモデルで言えば、特に注意(A)、関心(I)、記憶(M)に働きかける、もちろん目的によってはそこから願望(D)を呼び起こし、行動(A)につなげる役割を担うようになります。個人的には、SNSはほぼ個人目的で下らないことばかり書いていますが、実感として記憶には残るようになったのかなと言う感触があります。

 また、投稿する時間帯、曜日も大事。SNSは時間の経過とともに大量の情報の中に投稿が埋もれていってしまうので、見てもらいたい人が見ている時に投稿するタイミングが重要になります。これ次第で同じ内容でも反応が全く違ってくるというのは、僕の実感としてもありますね(その割にあまり気にしていないですが)。また、コミュニケーションツールであるという点もSNSの大きな特徴。したがって、SNSを有効なものとするには、自分のことばかりに注意を払うのではなく、見てもらいたい人の投稿への関心、反応も大切になります。それに、このコミュニケーション自体が、その人の個性をより際立たせることに繋がります。さらに言えば、冗長な投稿はそもそも読んでもらえないので、要点を絞った投稿を心掛けるということも大切になります。

 最後に、いわゆる「SNS疲れ」にならないため、自分の性格を知る簡単な心理テストを行いました。半分遊びのようなものですが、こうしたテストはネット上でも手軽にできるそうです。

 個人利用とはいえ、お話を伺って、あまりにもいい加減すぎたかなという反省はあります。ちょっとした心がけでも、結構大切だなと言うお話が沢山ありましたので、ぜひ取り入れていきたいと思います。

 なお、情勢を鑑み、8月のYMSはお休みとさせていただきます。次回第129回YMSは9月8日の開催となります。

過去のセミナーレポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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リサイクルBORO環境学習2021でお話しさせていただきました

2021年07月15日 | リサイクル(しごと)の話


 去る7月11日、世田谷区烏山区民会館で開催された「リサイクルBORO環境学習2021」にて、「服はどこへ行くの?」と題してお話しさせていただきました。

 28年前、PTA仲間6人で始められたという、世田谷区における古着回収の先駆け「リサイクルBORO」さん。当社も当初からずっとお付き合いさせていただいていますが、毎年こうした環境学習も行っており、リサイクル関係企業の見学や講演会などをされておられます。

 今年はもともと4月末に開催される予定でしたが、東京都における度重なる緊急事態宣言により2度の延期を余儀なくされ、3度目の正直でようやく開催の運びとなったわけです。その間、大変なご苦労がおありだったのだろうと思います。



 当然、会場であるホールも間隔を空けての着席、会場へ通じる階段の入口には「ウィルスバスター」という除菌剤を噴霧するアーチ状の設備が設置されていました。



 日曜の朝にもかかわらず、50名ほどの来場者。この地域の意識の高さと長年の地道な努力の成果が窺われます。国会議員、都議会議員、区議会議員のみなさんも10名ほど来られていました。



 さて、今年の環境学習のテーマは、「今日からできるSDG’s(衣類・紙おむつのリサイクル)」。衣類もおむつも私たちにとって非常に身近な存在です。SDG’sというと何かとても大きな概念で敷居が高いように感じられますが、その核心は私たち一人一人の日常行動であり、決して縁遠いものではありません。そういう意味で、一番身近にある衣類やおむつから目を向けてみるというのはとてもよい試みだと思いました。

僕は前半の衣類の担当で、長年衣類に携わってこられたリサイクルBOROさんには自明のお話しだったかもしれませんが、それでも一般の方々にはとても身近な存在でありながら未だにそのリサイクルについては馴染みが薄いものと思われます。ということで、できる限りビジュアルに、簡単に、しかしながら決定的に重要な部分についてお話しさせていただきました。僕自身も、お話しの後の質疑では今まで気づかなかったような視点が得られ、大変勉強になりました。



 また、会場の外では、当社の「特殊紡績手袋よみがえり」シリーズを展示・販売していただきました。この手袋は、「衣類のリサイクルはどうなっているのか見えにくい」という多くの生活者のみなさまのお声に応える形で、「手元に戻ってくるリサイクル品」の実現を目指し2009年に開発した経緯があります。



 第二部は、一般社団法人NIPPON紙おむつリサイクル協会理事長、須東亮一様より、「大人の紙おむつが大変!」と題してのお話しでした。恥ずかしながら、僕はこの日まで使用済みの紙おむつがリサイクルできるとは思ってもみませんでした。紙おむつは大人用、子供用合わせて年間55万トンも消費されているそうです。しかも、おむつですから使用後はかさが増します。その量、重さにして約4倍。つまり、55万トンが220万トンに膨れ上がるわけです。超高齢化社会の進行により、この量は今後ますます増えていくことになります。

 その使用済み紙おむつですが、大手メーカーにより様々な手法でリサイクルする技術が確立されつつあるようです。例えば、水解性でパルプを抽出する方法、粉砕・乾燥し、固形燃料とする方法、下水道を利用し、洗浄して廃プラスチックと汚物を処理する方法、炭化処理する方法などです。こうした技術は、日本だけでなく今後世界中で大いに貢献していくことでしょう。ご講演では写真や映像と共に、これらの技術をひとつひとつご紹介いただきましたが、全く初めてのことばかりで、感心しきりでした。また、僕自身は子供も大きくなってしまいましたし、両親は健在ということで、介護のことが実感として薄いということに気づきました。興味深いお話しをありがとうございました。

 土曜は山梨、日曜は東京と目まぐるしい週末でしたが、コロナで様々な活動が制限される昨今にあって、久しぶりに充実したものとなりました。お招きいただき、ありがとうございました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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