窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第2回大阪交流会―第154回YMS

2023年09月06日 | YMS情報


 2022年9月5日、昨年8月の第141回YMSヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)以来2度目となる大阪交流会を開催しました。今回も、地域ポータルサイト 「オオサカジン」の「大阪の社長インタビュー」で取り上げられた社長の皆さまとYMSとの合同セミナー&交流会となりました。



 第1部のセミナーですが、主催者であるジェイ・ライン株式会社の本社会議室にて行われました。



 講師は、株式会社FCEトレーニング・カンパニー執行役員の松村聖也様。「7つの習慣ⓇBusiness Ownership研修体験会~当事者意識を向上させる3つの要素とは?~」と題し、1996年に日本でも一世を風靡し、未だに最もよく読まれているビジネス書の一つであるスティーブン・R・コヴィー著、『7つの習慣』のフレームワークを用いた、「内側から変わる」、「主体性を発揮する」組織づくりの2日間研修の概要と、その一端に触れる体験会が行われました。



1.当事者意識意とは?



 そもそも「当事者意識」とは何でしょう?辞書によれば「自分が関わる仕事や物事を『自分の物』と捉えて取り組む姿勢」だそうです。しかし、それは「一人一人が好き勝手に仕事を進める」こととどのように違うのでしょう?独り善がりではない、真の当事者意識を生み出すには、以下の3つの要素が必要になります。

①先に大切なのは、「あり方」
②その上で、「価値観」に共感する
③さらに「体系化」で加速

 つまり、当事者意識とは知識やテクニックではなく、個人の「あり方」の問題ですが、さらに個人が所属する組織が共有する価値観に共感していることが、単なる独善的な行動との違いになります。

当事者意識を持った人材を育成するには、

1.テクニカルスキル…専門分野の仕事を進めるにあたって必要な知識、スキル、テクニック
2.(セルフ)マネジメントスキル…コミュニケーション、PDCA、報連相など分野に関わらず必要なスキル
3.(セルフ)リーダーシップマネジメント…理念、ビジョンの体現者。仕事に対してのあり方。

の3つの層に働きかけることが必要ですが、多くの企業は1.にのみアプローチし、2.にアプローチしているところは少なく、まして3.にまで踏み込んでいるとことはほとんどないそうです。それが構成員一人一人が当事者意識を持った組織がなかなか生まれないことに一因となっているのでしょう。

2.パラダイムとは?



 そして組織の価値観を浸透させ、効率よく人材育成していくためには、組織の価値観を整理してフレームワーク化することが必要です。しかし、この作業には非常に長い時間がかかります。ある企業では、この作業だけで3年を費やしたとか。そこでどんな企業にも適用でき、効果が実証された既存のフレームワークを利用するというのも方法の一つです。そのようなフレームワークとして、『7つの習慣』の「SEE-DO-GETサイクル」があります。SEE-DO-GETサイクルは、人にはぞれぞれ「物の見方、考え方(SEE)」があり、それに基づいて「行動を起こし(DO)」、行動することによって「結果を得る(GET)」と考えます。つまり、良い結果を得るには、その根本にある物の見方、考え方(これをパラダイムと言います)をまず見詰め直す必要があるのです。



 パラダイムには、①人によって違う、②間違ってしまうこともある、③自分の行動を制限してしまう、④変えることができる(パラダイムシフト)といった特徴があり、今回は私たちがいかに先入観や思い込みに囚われているか、そしてそれが自分の行動を制約しているかに気づき、またそれは変えることができるものであることを体験するいくつかのワークを行いました。スティーブン・R・コヴィーは次のように言っています、

「人生において小さな変化を起こしたいのであれば、私たちの態度や行動に対し働きかければよい。しかし、劇的な変化を望むなら、土台となるパラダイムを変えなくてはならない」

3.第1の習慣:「主体性を発揮する」とは?

 今回は7つの習慣の体験セミナーですので、7つある習慣の内の第1の習慣、「主体性を発揮する」にだけ触れました。

 「主体性」とは、「どのような状況に置かれても、価値観に基づき反応を選択する」ことを言います。これと正反対の行動は「状況によって起きた感情や気分で反応すること」で、これを「反応性」と言います。人は外部から刺激を受けると、それに伴って何らかの感情が生起します。しかし、その感情に対してどのように反応するかを選択することもできるのです。主体的な人は、自身の価値観に基づき、どう反応するかを自ら選択します。自分で選択するのですから、その責任も自分にあると考えます。これが7つある習慣の内の第一に位置付けられているということは、それだけ反応的ではなく主体的に生きることが重要だからなのでしょう。

4.やりっ放しで終わらせないために



 最後に、どんなに良いトレーニングを受けたとしても、そこで終わりでは何にもなりません。学んだことが日常業務の中でも浸透し、文化として定着しなければなりません。そのために、研修をデザインするにあたっては、ただ「誰に対してどのような内容を行うのか」を考えるだけでなく、「研修が終わった後どうするか」というフォローアップや定着アプローチを初めから考えておく必要があります。さらには、「何のために研修を実施するのか」その目的を言語化し、対象者に対して事前通知し、合意を得ておく必要があります。



 セミナー終了後は、場所を移して懇親会が行われました。横浜と大阪、初対面とは思えないほど盛り上がり、楽しく有意義な夜を過ごすことができました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする