前回観戦時の試合前はまだ強い日差しが降り注いでいたのですが、気がつけばだいぶ夕暮れが早く、そして涼しくなりました。日中こそまだ気温が上がりますが、確実に秋の訪れを感じます。
さて、今シーズン最後になるかもしれませんが、9月25日、横浜スタジアムに横浜vs巨人23回戦の観戦に行ってきました。
この試合前時点で3位の横浜は2位広島と2ゲーム差、そして4位巨人とも2ゲーム差。残り7試合となってCS進出をかけた争いが熾烈になってきています。しかし横浜は2日前の中日戦に敗れ、前日の対巨人は今永投手を先発させながら6vs0となす術もなく、2位を伺うどころかこの直接対決の行方次第では3位すら危うくなる状況に追い込まれています。
それだけに極めて重要な一戦となったこの試合の先発を担ったのは、ここまで3勝4敗の大貫投手。長く勝ち星から遠ざかっていますが、前回登板した対阪神戦では、勝ち星こそつかなかったものの、6回1安打7奪三振、3四球、自責点0の好投を見せました(ただし死球2)。その立ち上がりは、長野選手、門脇選手を連続三振、坂本選手を2球でサードゴロに討ち取るなど、上々でした。全体的に、145㎞前後のストレートに非常に力があったのと、外に逃げるスライダーが素晴らしかったように感じました。
一方、巨人の先発は5勝4敗のメンデス投手。前回8月13日の対戦では、6回わずか2安打、8三振、1点に封じ込まれました。
そのメンデス投手に対し、先頭の大田選手がいきなり初球をレフト前に弾き返します。前日零封され、とにかく先制点が欲しい中、球場が大いに盛り上がります。
この日はソト選手を欠き、さらに攻撃力の低下したオーダーで、三浦監督としてもやはり先制点を重視していたのでしょう。初回から桑原選手は犠打の構え。ところが、あえなくキャッチャーフライ。続く佐野選手は8球粘ったものの、フルカウントからショートゴロ。牧選手もセンターフライに倒れ、無得点。何となく「今日もか…」という雰囲気が漂います。
大貫投手は2回表、二死から丸選手、秋広選手に連続安打を浴び、二塁・一塁のピンチを迎えますが、吉川選手をセンターフライに討ち取り、この回も無失点。
2回裏。先頭の宮﨑選手が、ひょっとしたらホームランかと思わせるレフトポール際へのファウルの後、造作もなく右方向に打ち返して出塁。
下位打線に向かう局面でしたが、ここでもやはり6番伊藤捕手に犠打の指示。伊藤捕手が確実にこれを決め、一死二塁。
知野選手は150㎞を超えるストレートで押してくるメンデス投手の前に三振に倒れますが、続くルーキー林選手が、初球の外角低め153㎞のストレートをセンター前に落とします。少し浅かったですが、一塁走者の宮﨑選手も必死に走りました。こうしてもぎ取った1点が、結果的には決勝点となりました。
その後は大貫投手とメンデス投手による締まった投手戦が展開されます。3回表は、投手からの打順ながら2三振を含む三者凡退。
4回表は二死から大城選手に安打を許し、続く丸選手にはストレートの四球を与え、二塁・一塁のピンチを迎えます。しかし、秋広選手の痛烈な打球をピッチャーライナーでここも無失点。一方、メンデス投手も5回4安打4奪三振2四球2失点でしたから、及第点の投球だったと言えるでしょう。
4回裏。四球で出塁した宮﨑選手が、伊藤選手の空振りによるアシストがあったとはいえ、まさかの盗塁。宮﨑選手、プロ初盗塁を記録しました。
先に継投に動いたのは巨人。6回裏からルーキー船迫投手が登板します。
その船迫投手に対し、二死から伊藤捕手が左中間を抜く二塁打で出塁。継投によって試合が動く局面かと思われたのですが、続く知野選手が見逃し三振。
すると逆に7回表、好投を続けていた大貫投手が先頭の大城選手にフルカウントから四球を与えてしまいます。その大城選手に巨人は代走重信選手を送ります。
続く丸選手は、この日11個目となる、それも三球三振で切って取りますが、次の秋広選手の打席で重信選手が盗塁成功。
その秋広選手にも四球を与え、一死二塁・一塁のピンチ。ここまでで投球数はちょうど100球。
好投を続けていても、スタミナがまだあるように見えても、何故か100球を境に突如崩れることの多い印象のある大貫投手。そのイメージもあながち間違いではないのか、横浜ベンチはここで躊躇なく大貫投手に代え、力のある伊勢投手を投入します。とはいえ、大貫投手は6回3/1で100球3安打11奪三振3四球無失点と素晴らしい内容でした。この試合は偏に大貫投手の好投の賜物と思います。一方、巨人は秋広選手に代走増田選手を送ります。
その伊勢投手は、チームとしてよくやられている印象のある吉川投手をファーストゴロに討ち取り、まず二死三塁・二塁とします。すると巨人は船迫投手に代え、代打梶谷選手を送ります。これに対し、横浜は梶谷選手と相性の良いエスコバー投手を投入。1点勝負にかける意思を示します。すると今度は巨人が左投手に代わったということで、代打の代打としてウォーカー選手を送ります。
そのウォーカー選手にエスコバー投手は155㎞、155㎞のストレートで押し、最後は内角足元に落ちるスライダー。これをウォーカー選手ハーフスイングで三球三振。1発のある最後まで気の抜けない巨人打線とは言え、この7回表の1点をめぐる攻防を制した横浜が、一歩勝利に近づきました。
8回表は4番手ウェンデルケン投手が登板。1安打と申告敬遠で二死二塁・一塁の局面とはなったものの、全体としてはしっかりと抑えました。
そして9回表は昨季楽天から移籍し、今シーズンは途中から山崎投手に代わる抑えとなり、安定した活躍を見せている森原投手が登板。丸選手、岸田選手、吉川選手を全く危なげなく三者凡退に切って取り試合終了。しかし、森原投手はこの試合で足を痛めたようで、気がかりです。
とにかく、これでこの日試合のなかった広島に1.5ゲーム差、巨人とは3ゲーム差となりました。翌日はここまで15勝を挙げ勝利数のトップを独走する東投手と、9勝のうち実に4勝が横浜という山﨑伊織投手との投げ合いです。横浜打線にはぜひやられっ放しではない、攻略の工夫を見せて欲しいところです。
因みに僕の今シーズンの観戦成績は甲子園の1試合(阪神vs中日)を除き、2勝4敗でした(昨年はCS1試合を含め、4勝4敗)。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした