政治の話はもうちょっと食傷気味なのでちょっと一休みね。何かの時だか忘れちゃったけど、テレビで全真教、丘 処機の話が出ていたので書いてみました。
全真教(ぜんしんきょう)は、金の支配下にあった中国の 華北の人、王重陽が開いた道教の一派である。七真人と呼ばれる七人の開祖の高弟たちが教勢の拡大に努め、次第に教団としての体制を整えていった。 七真人とは、馬丹陽、譚長真、劉長生、丘 長春(1148~1227)
、王玉陽、郝広寧、孫不二の七人である。この丘長春が丘 処機です。
全真教の挿絵
針外しが全真教の事を知ったのは「射鵰英雄伝」。水滸伝の中で地祐星、賽仁貴の郭盛の子,郭 嘯天(かくしょうてん)と陽家の槍の系図を持つ義兄弟、陽 鉄心(ようてっしん)の処に丘 処機が暖を求めて来たところから物語が始まります。
金の趙王の完顔洪烈(わんやんこうれつ)と郭 嘯天の子(郭青とその仲間が戦う構図です。郭青と黄薬師の娘、お容(およう)←(日本的な言い方だね、魔女の宅急便でお徳さんが出てきますがこれと同じですね(笑) がお互い惹かれあって色々物語が展開していきます。丘 処機を中心に書きたいのですが、全てのキャラクターが主人公になってしまいます。ま、歴史書だという事ですね。
この小説は金庸氏の書で、これを映画化するにあたって当時の風俗、衣装、場所、歴史に忠実に再現する事を条件にしたそうです。ただ、監督のせいかちょっと漫画っぽい処もあります。前巻、8枚 後巻 7枚の長編です。でも当時の様子が良く分かって面白いです。
尤も、仙人の方々を描いているので内功を治めて空を駆け巡っていますので、空想小説ですけどね。ワイヤーアクションも頻繁に出てきます。紅衛兵の兵士なんかこういう画像見て、中国の民族は優れていると勘違いして、好戦的な考えを持つような気がします。
郭青のお師匠さん達。江南の七怪
大体中国人は「人のいう事を聞かない」自分の言い分しか認めない」だから当然意見が合わなくなって結果直ぐ喧嘩になります。日本人にはこの感じが分かりませんね。
例えば道路に立って話等している時、其処に人が来て通りたくても道を譲らないなんて普通にありますね。
で、喝剌播得(カラ・ホト・)という場所でチンギス・カンに拝謁した折、不老長生の秘訣を問われた時に「衛生・養生の道はありますが、長生の薬はありません」と答えて全真教の教えを説いたとあります。(これは史実です)
中華とモンゴル帝国と金国をまたがる壮大な作品です。この後、新射鵰英雄伝が撮り直されましたが、キャストが皆、若者、衣装もとても綺麗に直されてしまっています。これじゃ歴史背景もあったもんじゃありません。多分汚い衣装だと中国のイメージが下がるという事で、何処からかクレームが出たんでしょう。撮り直しの後、大概、駄目な作品になってしまいました。
まるで三銃士の中で、ディカプリオの「鉄仮面」ッだったと思うがダルタニアンとルイ13世妃の「アンヌ ドーっトリッシュ」が恋仲の設定(んな訳ないだろ!、原本ではバッキンガム公爵です)になっていて、ストーリーが滅茶苦茶になっているのと同じです。原作を読んでいると、こういう描き方をされるとお興冷めですね。