東京国立博物館 「特別公開 中宮寺 国宝 菩薩半跏像」

東京国立博物館(台東区上野公園)
「特別公開 中宮寺 国宝 菩薩半跏像」
3/8~4/17

こんにちは。

サテュロス展と合わせてこちらの展覧会も鑑賞してきました。奈良の中宮寺に安置されている菩薩半跏像の特別公開です。この仏像は、木材を組み合わせて作った木彫のものとしては世界最古の作品で、また、Takさんのブログに紹介されている記事によれば、「世界の三大微笑像」(?)の一つなのだそうです。わざわざ東京くんだりまでお越しいただいた菩薩様。サテュロス展と同様に一体のみの展示でしたが、仏様の表情から感じられる穏やかな安らぎを堪能することができました。

この仏様は「半跏思惟」という姿を象っています。これは、「頬に右の指先を当てて深い思惟をめぐらす」(パンフレットから。)というスタイルだそうです。指先が軽く頬にあてられているお顔からは、思惟をめぐらすという表情よりも、全ての俗人の迷い事を半ば嘲笑って(失礼な表現でしたら撤回します。)いらっしゃるかのような、超越した境地を感じました。また、そのような境地にいらっしゃるからこそ、「安らぎ」などという、全身を優しく包み込んでくれるような温かい気持ちを与えることができるのではないかとも思います。実に穏やかです。

仏像の体はとてもなめらかに表現されていて、当然ながら無骨的な部分は一切ありません。穏やかなお顔の表情が、そのままストレートに体へ移ったかのような印象さえ与え、それがまたさらに「安らぎ」へと誘います。片足を腿にのせるという「半跏」のポーズも実に自然で、大地に足を下ろす瞬間を捉えた左足も上手くバランスがとれていました。

私はあまり仏像を鑑賞することがありませんが、会場も仏像の姿に集中できるようにゆったりととられています。素晴らしい雰囲気です。とても有り難みを感じました。
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