「『三千世界』 内海聖史」 ヴァイスフェルト 9/30

ヴァイスフェルト港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3階)
「『三千世界』 内海聖史」
9/8-30(会期終了)

一昨年のMOTアニュアル展でも印象深かった内海聖史の個展です。彼の作品は、昨秋このヴァイスフェルトでも展示されていましたが、それとはまた一変した雰囲気の作品が待ち構えていました。例の重々しいドットが、あたかも色彩分割するかのように並んでいます。5×5センチほどのキャンバスに配されたドットの色彩がズラリと1000個、壁いっぱいに整然と揃うのです。



パンチ穴サイズのドットは、赤や青、それに緑や黄、さらには紫などと、何種類もの色を用いながら無数に描かれています。このドットは、かつての内海の作品に見られたように群れ、また巨大化すると、有無を言わさないその色彩に重みが感じられますが、今回のように小さなキャンバスへ分散するように描かれると、むしろ色自体の透き通るような軽さと、ドットの生み出すその形に関心が移ることが分かりました。折重なるドットが、キャンバス上にてあたかもCGを描くように立体化され、色彩同士が照応するかのように蠢き合う。深い色の連鎖に見る迫力こそ内海の醍醐味かとも思いましたが、全くそれを否定するかのようなこの軽さはとても新鮮でした。色の粒が、あたかもガラス玉のようにキラキラと輝いています。

ミニマル・アート的な味わいも感じられました。毎回の展示から目の離せないアーティストの一人です。
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