「シルケ・オットー・ナップ」展 タカ・イシイギャラリー 10/14

タカ・イシイギャラリー江東区清澄1-3-2 5階)
「シルケ・オットー・ナップ」展
10/7-11/4

ロンドンを拠点として制作を続けているアーティスト、シルケ・オットー・ナップの日本初個展です。パフォーマンスをする人などのダイナミックなイメージを、水彩を用いてキャンバスへ静的に移し替えています。銀色に爛れた水彩の中から浮かび上がるシルエットが印象的な作品でした。

描かれているモチーフは、パフォーマンスやロック・ミュージシャンです。その彼らの動きをキャンバスに閉じ込め、徹底した単純化の元、水彩にて美しく表現します。軽やかにダンスをする人たちが、銀色がかったモノトーンから限りなく淡く滲み出す。これは自身の撮影した写真を元に、水彩だけを使ってキャンバスへ再現する手法を用いているのだそうです。そして水彩は、あたかもキャンバスの水溶性を超えるのではないかと思うほど、瑞々しく、またたっぷりと配されています。そこから、どこか懐かしい残像があくまでも朧げに飛び出してくる。ストイックな表現から生まれた、簡素で落ち着いた美が感じられました。

銀色をベースにしたキャンバスはまるで白黒写真です。11月4日まで開催されています。
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