都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
博物館でお花見を@東京国立博物館 (2008年3月)
先日、薬師寺展がはじまったばかりの東京国立博物館ですが、現在「博物館でお花見を」と題し、夜間開館(夜8時まで。)の他、夜桜ライトアップや、常設での桜に因んだ作品の展示などが行われています。昨日、夜間開館時に出向くことが出来たので、本館常設より関連の作品の写真をいくつか撮ってきました。
「月に桜花図つば」(19世紀)
目立たない刀の鍔に桜を忍ばせています。向き合う月との対話が微笑ましくも見えました。
「花下遊楽図屏風」 狩野長信 (17世紀)
国宝室から。右隻が桜です。牡丹雪のような白い桜が木々を彩ります。なお、右隻中央の余白は、震災にて失われてしまった部分だそうです。
「吉野山蒔絵小箪笥」(19世紀)
流水に桜の文様の組み合わせ。取っ手の部分までが桜の花びらであしらわれていました。
「桜蒔絵十種香道具」(19世紀)より
霞の漂う大和絵に咲く桜です。
「松桜南天苫屋柄鏡」(17-18世紀)
桜の老木が鏡を彩ります。
「観桜図屏風」 住吉具慶 (17世紀)
公卿の優雅なお花見です。屠蘇で一杯というのがたまりません。このシチュエーションには素直に憧れます。
「桜花図」 円山応挙 (18世紀)
非常に精緻な筆で描かれた、応挙ならではの写実的な桜です。小鳥は別の枝へと移ろうとしているのでしょうか。今にも飛び出しそうな様子を見せています。
「小袖」(18世紀)
枝が途中で途切れているように見えますが、これは雲から覗き込む桜を表現しているのだそうです。金糸が目に焼き付きます。
「打掛」(部分)(18世紀)
まさにモダンな意匠です。リズミカルに花びらが舞っています。
「北郭月の夜桜」 歌川国貞(19世紀)
吉原の花街の夜桜。大変な人だかり。賑わいは夜になってからが本番です。
「簪」(19世紀)
鳳凰より金銀の桜の花びらの垂れるかんざしです。似合う女性もまたきっと素敵でしょう。
「三囲花見」 喜多川歌麿 (1799)
歌麿に花見を描かせると場に躍動感が加わります。粋な花見です。
「名所江戸百景・日暮里諏訪の台」(部分) 歌川広重 (1856)
150年前も今も花見の光景は殆ど変わりません。まさに花より団子状態です。
開放中の庭園で、夜桜のライトアップを楽しんできました。上野公園は既に大変な人だかりでしたが、こちらはそれほどでもありません。夜桜くらいは静かに味わいたいものです。
薬師寺展も夜間は大変に空いているそうです。既に昼間は平日でもかなりの入場者があると聞きますので、もしかしたら夜間開館中の今が狙い目なのかもしれません。
東京国立博物館の夜間開館は4月6日までです。(月曜休館)
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