都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「彩色木彫 土屋仁応展」 日本橋高島屋美術画廊X
日本橋高島屋美術画廊X
「彩色木彫 土屋仁応展」
8/28-9/16

日本橋高島屋美術画廊Xで開催中の土屋個展、「彩色木彫」へ行ってきました。
「人間はいきものたちの形や生態に、さまざまな物語や解釈をつけて、シンボルとしての役割を担わせる」 作品集「聞耳の森:土屋仁応」(リーフレットより)
意志漲るかのように構えて立つ獅子に麒麟。そして穏やかに前を見据えた可愛らしい子犬。そしてその潤んでなおかつ若干の憂いを帯びた瞳。
ともかく美しい土屋の彫刻の魅力を言葉にするのは非常に難しいのですが、そこには作家の生き物への慈しみの眼差しがあるように思えてなりません。

「子犬」 樟、彩色、水晶 2013年
1977年に横須賀市で生まれた土屋仁応(つちやよしまさ)は、2001年に東京藝術大学の彫刻科を卒業、2007年には同大学院の文化財保存学を修了した後、主に国内の美術館やギャラリーにて作品を発表し続けてきました。
作品はタイトルにもあるように木彫、きわめて繊細でかつ静的。それでいて内に確かなる生命感を秘めた生き物の彫像です。

「鹿」 樟、彩色、ラブラドライト 2013年
まずは「鹿」に「狐」から。「鹿」といっても高さは40センチほど。すくっと、しかしながら緩やかな曲線を描いてのびる4本の脚に首を少し曲げてややうつむき加減で下を見やる頭。またピンと伸びた耳。素材は樟。一見、木の色がほぼそのまま表れているようにも思えますが、実は仄かな彩色が施されています。
それにしてもこの滑らかな表面。思わず撫でたくなってしまいます。可愛らしき鹿。さらに瞳です。水晶などが用いられ潤んでいる。それがまた実に愛おしいのです。
ちなみにこの瞳には技法的にとある秘密が。それが仏像です。土屋は玉眼といわれる技術を取り込み、瞳を仕上げています。またこれまでは水晶を使うことが多かったそうですが、今回はその他にも硝子なども用いているそうです。
「聞耳の森/土屋仁応/求龍堂」
透かし彫りのような「犀」も身体もまた変化が。装飾的です。こちらも魅惑的でした。
9月16日までの開催です。おすすめします。
「彩色木彫 土屋仁応展」 日本橋高島屋美術画廊X(アッと@ART)
会期:8月28日(水)~9月16日(月)
休廊:会期中無休。
時間:10:00~20:00
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋6階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
「彩色木彫 土屋仁応展」
8/28-9/16

日本橋高島屋美術画廊Xで開催中の土屋個展、「彩色木彫」へ行ってきました。
「人間はいきものたちの形や生態に、さまざまな物語や解釈をつけて、シンボルとしての役割を担わせる」 作品集「聞耳の森:土屋仁応」(リーフレットより)
意志漲るかのように構えて立つ獅子に麒麟。そして穏やかに前を見据えた可愛らしい子犬。そしてその潤んでなおかつ若干の憂いを帯びた瞳。
ともかく美しい土屋の彫刻の魅力を言葉にするのは非常に難しいのですが、そこには作家の生き物への慈しみの眼差しがあるように思えてなりません。

「子犬」 樟、彩色、水晶 2013年
1977年に横須賀市で生まれた土屋仁応(つちやよしまさ)は、2001年に東京藝術大学の彫刻科を卒業、2007年には同大学院の文化財保存学を修了した後、主に国内の美術館やギャラリーにて作品を発表し続けてきました。
作品はタイトルにもあるように木彫、きわめて繊細でかつ静的。それでいて内に確かなる生命感を秘めた生き物の彫像です。

「鹿」 樟、彩色、ラブラドライト 2013年
まずは「鹿」に「狐」から。「鹿」といっても高さは40センチほど。すくっと、しかしながら緩やかな曲線を描いてのびる4本の脚に首を少し曲げてややうつむき加減で下を見やる頭。またピンと伸びた耳。素材は樟。一見、木の色がほぼそのまま表れているようにも思えますが、実は仄かな彩色が施されています。
それにしてもこの滑らかな表面。思わず撫でたくなってしまいます。可愛らしき鹿。さらに瞳です。水晶などが用いられ潤んでいる。それがまた実に愛おしいのです。
ちなみにこの瞳には技法的にとある秘密が。それが仏像です。土屋は玉眼といわれる技術を取り込み、瞳を仕上げています。またこれまでは水晶を使うことが多かったそうですが、今回はその他にも硝子なども用いているそうです。

透かし彫りのような「犀」も身体もまた変化が。装飾的です。こちらも魅惑的でした。
9月16日までの開催です。おすすめします。
「彩色木彫 土屋仁応展」 日本橋高島屋美術画廊X(アッと@ART)
会期:8月28日(水)~9月16日(月)
休廊:会期中無休。
時間:10:00~20:00
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋6階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )