都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「wall to wall Noriyuki Haraguchi」 √K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)
√K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)
「wall to wall Noriyuki Haraguchi」
2020/3/7~5/6

√K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)で開催中の原口典之個展、「wall to wall Noriyuki Haraguchi」を見てきました。
神楽坂の住宅地に今年3月に新しくオープンした「√K Contemporary」(ルートK コンテンポラリー)は、戦後から現代美術を専門としたギャラリーで、主に2つのフロア、及び地下の多目的スペースを合わせて約450平方メートルを有しています。
そのオープニングを飾るのが、現代美術家の原口典之の個展で、地下1階、1階と2階、それに屋上までを用い、立体作品やインスタレーションなど約30点を公開していました。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(地下1階)
まず1階で受付を済ませ、地下のフロアへと進むと、コンクリート打ちっ放しの暗がりの空間の中に、鉄板やアルミ、それにモルタルなどの工業的な素材を用いた作品が展示されていました。

原口典之「Oil Pool」 2020年
そして最奥部には原口の代表作とも言える「オイルプール」が置かれていて、約4メートル×5メートル四方のプールの中に廃油が満たされていました。

原口典之「wall to wall」 2020年
また個展のタイトルでもある「wall to wall」は、仮設のモルタル壁へ白い帆布を貼った作品で、周囲には壁を壊した痕跡なのか、モルタルの破片が無数に飛び散っていました。

原口典之「wall to wall」(部分) 2020年
原口といえば、2009年に横浜の「BankART Studio NYK」にて、個展「原口典之 - 社会と物質」を行いましたが、コンクリートに囲まれた無機的な空間の中での「オイルプール」などは、当時の展示を彷彿させるかもしれません。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(屋上) *奥が「Tension, and Compression」
地下に続き、エレベーターに乗って屋上へと上がると姿を表したのが、7本の角材を使ったインスタレーション「Tension, and Compression」でした。いずれの角柱もワイヤーロープで支えられていて、底部には小さな木片が横から差し込まれていました。

原口典之「Tension, and Compression」 2020年
ともかくマンションに囲まれた屋上からは想像もつかないような光景が広がっていて、陽の光を受けては影を伸ばす、角材の不思議な美しさにしばし見入ってしまいました。まるで天上との交信を計ろうとするような、古代の祭祀的な場を連想させるかもしれません。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(2階)
屋上に続くのが2階から1階へと連なる展示室で、地下とは一変し、白を基調とした近未来的なスペースが広がっていました。

原口典之「Ento」 2020年
その中でも特に目立っていたのが、高さ4メートル近い円筒状の「Ento」で、黒光りした合板のオブジェが、吹き抜けを貫くように置かれていました。

手前:原口典之「Out and In」 2020年
さらに1階では、アルミや鉄から作られた「Out and In」などが展示されていて、真っ白なスペースとあいまってか、例えば映画「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙船をイメージさせるものがありました。地下、屋上、そして2階、1階と、フロア毎にがらりと雰囲気を変える展示空間からして魅力的と言えるかもしれません。

右:原口典之「Ento」 2020年
出展の30点は全て2020年の新作でした。2009年の旧「BankART Studio NYK」以来の大規模な個展として間違いありません。
新型コロナウイルス感染防止のため、「田中泯 場踊り」の公演が中止、後日への振り替えとなりました。(今後の状況では、更なる延期と中止の場合もあり。)なお3月28日現在、展示自体は通常通り行われています。
5月6日まで開催されています。
「wall to wall Noriyuki Haraguchi」 √K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)(@rk_contemporary)
会期:2020年3月7日(土)~5月6日(水・祝)
休館:日・月曜日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:新宿区南町6
交通:都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅A2出口より徒歩5分。東京メトロ東西線神楽坂駅神楽坂口より徒歩12分。
「wall to wall Noriyuki Haraguchi」
2020/3/7~5/6

√K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)で開催中の原口典之個展、「wall to wall Noriyuki Haraguchi」を見てきました。
神楽坂の住宅地に今年3月に新しくオープンした「√K Contemporary」(ルートK コンテンポラリー)は、戦後から現代美術を専門としたギャラリーで、主に2つのフロア、及び地下の多目的スペースを合わせて約450平方メートルを有しています。
そのオープニングを飾るのが、現代美術家の原口典之の個展で、地下1階、1階と2階、それに屋上までを用い、立体作品やインスタレーションなど約30点を公開していました。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(地下1階)
まず1階で受付を済ませ、地下のフロアへと進むと、コンクリート打ちっ放しの暗がりの空間の中に、鉄板やアルミ、それにモルタルなどの工業的な素材を用いた作品が展示されていました。

原口典之「Oil Pool」 2020年
そして最奥部には原口の代表作とも言える「オイルプール」が置かれていて、約4メートル×5メートル四方のプールの中に廃油が満たされていました。

原口典之「wall to wall」 2020年
また個展のタイトルでもある「wall to wall」は、仮設のモルタル壁へ白い帆布を貼った作品で、周囲には壁を壊した痕跡なのか、モルタルの破片が無数に飛び散っていました。

原口典之「wall to wall」(部分) 2020年
原口といえば、2009年に横浜の「BankART Studio NYK」にて、個展「原口典之 - 社会と物質」を行いましたが、コンクリートに囲まれた無機的な空間の中での「オイルプール」などは、当時の展示を彷彿させるかもしれません。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(屋上) *奥が「Tension, and Compression」
地下に続き、エレベーターに乗って屋上へと上がると姿を表したのが、7本の角材を使ったインスタレーション「Tension, and Compression」でした。いずれの角柱もワイヤーロープで支えられていて、底部には小さな木片が横から差し込まれていました。

原口典之「Tension, and Compression」 2020年
ともかくマンションに囲まれた屋上からは想像もつかないような光景が広がっていて、陽の光を受けては影を伸ばす、角材の不思議な美しさにしばし見入ってしまいました。まるで天上との交信を計ろうとするような、古代の祭祀的な場を連想させるかもしれません。

「wall to wall Noriyuki Haraguchi」展示風景(2階)
屋上に続くのが2階から1階へと連なる展示室で、地下とは一変し、白を基調とした近未来的なスペースが広がっていました。

原口典之「Ento」 2020年
その中でも特に目立っていたのが、高さ4メートル近い円筒状の「Ento」で、黒光りした合板のオブジェが、吹き抜けを貫くように置かれていました。

手前:原口典之「Out and In」 2020年
さらに1階では、アルミや鉄から作られた「Out and In」などが展示されていて、真っ白なスペースとあいまってか、例えば映画「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙船をイメージさせるものがありました。地下、屋上、そして2階、1階と、フロア毎にがらりと雰囲気を変える展示空間からして魅力的と言えるかもしれません。

右:原口典之「Ento」 2020年
出展の30点は全て2020年の新作でした。2009年の旧「BankART Studio NYK」以来の大規模な個展として間違いありません。
神楽坂の新ギャラリー「√K Contemporary」に、“もの派”の原口典之による渾身の最新作が集結。 | Pen Online https://t.co/xwVEX692Ap @Pen_magazineさんから 公開になりました。2009年のBankART Studio NYK以来の大規模な個展。5月6日まで。日・月休。また改めて行きたい
— はろるど (@harold_1234) March 27, 2020
新型コロナウイルス感染防止のため、「田中泯 場踊り」の公演が中止、後日への振り替えとなりました。(今後の状況では、更なる延期と中止の場合もあり。)なお3月28日現在、展示自体は通常通り行われています。
5月6日まで開催されています。
「wall to wall Noriyuki Haraguchi」 √K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)(@rk_contemporary)
会期:2020年3月7日(土)~5月6日(水・祝)
休館:日・月曜日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:新宿区南町6
交通:都営地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅A2出口より徒歩5分。東京メトロ東西線神楽坂駅神楽坂口より徒歩12分。
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