都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「オンラインで楽しむ横浜美術館」で見たい「澄川喜一 そりとむくり」展
横浜美術館
「澄川喜一 そりとむくり」
2020/2/15~5/24 *2/29より当面の間、臨時休館。
新型コロナウイルス感染拡大、及び政府による緊急事態宣言のため、美術館の休館が長期化しています。そのような中、横浜美術館では、企画展「澄川喜一 そりとむくり」の展示風景やイベントレポート、またはコレクション展の作品解説を映像などで配信する、「オンラインで楽しむ横浜美術館」が行われています。
「オンラインで楽しむ横浜美術館」
https://yokohama.art.museum/news/news/data-20200331-1095.html
まず企画展「澄川喜一 そりとむくり」では、横浜美術館の副館長で主席学芸員である柏木智雄氏が、展覧会の内容を会場写真とともに詳細に解説していて、具象から抽象へと至る澄川の作風の変遷を辿ることが出来ました。
展覧会の見どころダイジェスト/「澄川喜一 そりとむくり」展
https://yokohama.art.museum/blog/2020/03/post-538.html
ここで目を引くのが、仮面や甲冑のような形をした抽象彫刻で、独特のプリミティブな造形は、後の木のねじれや反りを作品に活かした「そりのあるかたち」に連なるようにも思えました。また澄川は東京スカイツリーや東京湾アクアライン川崎人工島の「風の塔」のデザイン監修を担っていて、彫刻を超えた幅広い領域で活動していることも分かりました。
全64もの質問を澄川本人に直接ぶつけた、「教えて澄川先生」のコンテンツも大変に充実していました。幼少期から現在までの体験や、制作にまつわるエピソードなど追っていて、最近ハマっているものや趣味を「仕事」としたり、好きなおにぎりの具を「ツナマヨネーズ」と答えるなど、澄川の人となりも浮かび上がっていました。なお澄川は、88歳になっても、アトリエで木に向き合っては、日々、創作に励んでいるそうです。
「アトリエ訪問記(前半)」/「澄川喜一 そりとむくり」展
https://yokohama.art.museum/blog/2020/02/post-533.html
アトリエに取材した訪問記も興味深いではないでしょうか。作品を保存する「彫刻館」なる施設には、今回の展覧会への出品作を含め、まさに反った作品が多数置かれていて、あたかも森の中の樹木を目の当たりにするかのようでした。
また2020年2月22日(土)に横浜美術館で行われた記念対談「澄川喜一×深井隆」のyoutube動画も、澄川の制作に対するスタンスを知るのに重要と言えるかもしれません。澄川と20歳年下で、現在、板橋区立美術館で個展を開催(新型コロナウイルス感染防止のため、臨時休館中。)している彫刻家、深井隆は、東京藝術大学の彫刻科にて澄川に学んでいました。それゆえか、トークも大学時代のエピソードから始まっていました。
コレクション展「横浜美術館の西洋美術 木版挿絵からボルタンスキーまで―絵画・版画・写真・彫刻」のページにも、全7章の詳細な展示解説が掲載されていて、ヴァシリィ・カンディンスキーの「網の中の赤」の解説もyoutubeにアップされていました。カンディンスキーの画家としての変遷や青騎士との関連を踏まえつつ、作品を紹介していて、あたかもギャラリートークに参加したかのようでした。
さらに若手作家を紹介する小企画展である「New Artist Picks 柵瀨茉莉子|いのちを縫う」では、展示写真風景、動画での作家インタビューなどを見ることが出来ました。
New Artist Picks 柵瀨茉莉子展|いのちを縫う
https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20200314-555.html
葉や貝などの自然の素材を用い、布に縫って広げた作品は、写真や動画からしても魅惑的で、作家の自然への共感が感じられるようでした。なお同館が再館された後、会期を変更の上、改めて開催されるそうです。
2月15日に開幕した「澄川喜一 そりとむくり」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日に臨時休館が決まりました。その後、状況を鑑みつつも、休館期間は延長され続けていて、実のところ私もまだ展示を見られていません。
当面の会期は5月24日までとされていますが、再開館に期待を寄せながら、「オンラインで楽しむ横浜美術館」の各コンテンツを追っていきたいと思いました。*掲載画像は美術館サイトより
「澄川喜一 そりとむくり」 横浜美術館(@yokobi_tweet)
会期:2020年2月15日(土)~5月24日(日) *2月29日より当面の間、臨時休館。
休館:木曜日。
時間:10:00~18:00
*5月の金曜・土曜は20時まで。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1500(1400)円、大学・高校生900(800)円、中学生600(500)円、小学生以下無料、65歳以上の当日料金は1400円(要証明書、美術館券売所でのみ発売)
*( )内は20名以上の団体料金。要事前予約。
*当日に限り「横浜美術館コレクション展」も観覧可。
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
交通:みなとみらい線みなとみらい駅3番出口から徒歩3分。JR線、横浜市営地下鉄線桜木町駅より「動く歩道」を利用、徒歩約10分。
「澄川喜一 そりとむくり」
2020/2/15~5/24 *2/29より当面の間、臨時休館。
新型コロナウイルス感染拡大、及び政府による緊急事態宣言のため、美術館の休館が長期化しています。そのような中、横浜美術館では、企画展「澄川喜一 そりとむくり」の展示風景やイベントレポート、またはコレクション展の作品解説を映像などで配信する、「オンラインで楽しむ横浜美術館」が行われています。
「オンラインで楽しむ横浜美術館」
https://yokohama.art.museum/news/news/data-20200331-1095.html
まず企画展「澄川喜一 そりとむくり」では、横浜美術館の副館長で主席学芸員である柏木智雄氏が、展覧会の内容を会場写真とともに詳細に解説していて、具象から抽象へと至る澄川の作風の変遷を辿ることが出来ました。
展覧会の見どころダイジェスト/「澄川喜一 そりとむくり」展
https://yokohama.art.museum/blog/2020/03/post-538.html
ここで目を引くのが、仮面や甲冑のような形をした抽象彫刻で、独特のプリミティブな造形は、後の木のねじれや反りを作品に活かした「そりのあるかたち」に連なるようにも思えました。また澄川は東京スカイツリーや東京湾アクアライン川崎人工島の「風の塔」のデザイン監修を担っていて、彫刻を超えた幅広い領域で活動していることも分かりました。
全64もの質問を澄川本人に直接ぶつけた、「教えて澄川先生」のコンテンツも大変に充実していました。幼少期から現在までの体験や、制作にまつわるエピソードなど追っていて、最近ハマっているものや趣味を「仕事」としたり、好きなおにぎりの具を「ツナマヨネーズ」と答えるなど、澄川の人となりも浮かび上がっていました。なお澄川は、88歳になっても、アトリエで木に向き合っては、日々、創作に励んでいるそうです。
「アトリエ訪問記(前半)」/「澄川喜一 そりとむくり」展
https://yokohama.art.museum/blog/2020/02/post-533.html
アトリエに取材した訪問記も興味深いではないでしょうか。作品を保存する「彫刻館」なる施設には、今回の展覧会への出品作を含め、まさに反った作品が多数置かれていて、あたかも森の中の樹木を目の当たりにするかのようでした。
また2020年2月22日(土)に横浜美術館で行われた記念対談「澄川喜一×深井隆」のyoutube動画も、澄川の制作に対するスタンスを知るのに重要と言えるかもしれません。澄川と20歳年下で、現在、板橋区立美術館で個展を開催(新型コロナウイルス感染防止のため、臨時休館中。)している彫刻家、深井隆は、東京藝術大学の彫刻科にて澄川に学んでいました。それゆえか、トークも大学時代のエピソードから始まっていました。
コレクション展「横浜美術館の西洋美術 木版挿絵からボルタンスキーまで―絵画・版画・写真・彫刻」のページにも、全7章の詳細な展示解説が掲載されていて、ヴァシリィ・カンディンスキーの「網の中の赤」の解説もyoutubeにアップされていました。カンディンスキーの画家としての変遷や青騎士との関連を踏まえつつ、作品を紹介していて、あたかもギャラリートークに参加したかのようでした。
さらに若手作家を紹介する小企画展である「New Artist Picks 柵瀨茉莉子|いのちを縫う」では、展示写真風景、動画での作家インタビューなどを見ることが出来ました。
New Artist Picks 柵瀨茉莉子展|いのちを縫う
https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20200314-555.html
葉や貝などの自然の素材を用い、布に縫って広げた作品は、写真や動画からしても魅惑的で、作家の自然への共感が感じられるようでした。なお同館が再館された後、会期を変更の上、改めて開催されるそうです。
【お家で楽しむ、澄川喜一展!】澄川喜一に幼少期から現在までについて64の一問一答する特別企画「教えて澄川先生」。【質問27】毎年新作を制作されていますが、1年に何作品くらい制作されますか。答えはこちら #yokobihttps://t.co/7ST2IEnie9 pic.twitter.com/lRWP8Yv1na
— 横浜美術館 (@yokobi_tweet) April 6, 2020
2月15日に開幕した「澄川喜一 そりとむくり」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日に臨時休館が決まりました。その後、状況を鑑みつつも、休館期間は延長され続けていて、実のところ私もまだ展示を見られていません。
当面の会期は5月24日までとされていますが、再開館に期待を寄せながら、「オンラインで楽しむ横浜美術館」の各コンテンツを追っていきたいと思いました。*掲載画像は美術館サイトより
「澄川喜一 そりとむくり」 横浜美術館(@yokobi_tweet)
会期:2020年2月15日(土)~5月24日(日) *2月29日より当面の間、臨時休館。
休館:木曜日。
時間:10:00~18:00
*5月の金曜・土曜は20時まで。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1500(1400)円、大学・高校生900(800)円、中学生600(500)円、小学生以下無料、65歳以上の当日料金は1400円(要証明書、美術館券売所でのみ発売)
*( )内は20名以上の団体料金。要事前予約。
*当日に限り「横浜美術館コレクション展」も観覧可。
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
交通:みなとみらい線みなとみらい駅3番出口から徒歩3分。JR線、横浜市営地下鉄線桜木町駅より「動く歩道」を利用、徒歩約10分。
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