「第14回shiseido art egg 橋本晶子展  Ask him」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第14回shiseido art egg 橋本晶子展  Ask him」
2020/10/30~11/22



資生堂ギャラリーで開催中の「第14回shiseido art egg 橋本晶子展  Ask him」を見てきました。

1988年に東京都で生まれ、日本画を学んだ橋本昌子は、モノクロの鉛筆画などのインスタレーションによって、銀座の地下のホワイトキューブを「詩的な空間」(解説より)へと変化させました。



地下へと立ち入った途端、色のない夢の世界へと誘われたように感じられるかもしれません。会場内には、静物や道、飛ぶ鳥や植物、戸外の風景やカーテンなどを描いた大小様々の鉛筆画が展示されていて、いずれもがテープやクリップで壁に留められていました。



いくつかの作品は壁の四隅で折り曲げるように広がっていて、白いLEDライトと思しき光にぼんやりと照らされていました。



瓶や電球、それに皿やスプーンなどの静物はもちろん、並木道や植物の葉、さらに鳥などのモチーフは繊細に描かれていて、時に白い紙の上に別の紙を貼って鉛筆を走らせていることもありました。



また1つの平面の中へ植物や道などの光景が重なり合うようになっていたり、描いた風景一部を別の白い紙で覆っているなど、紙とモチーフとが互いに関係し合うような表現も目を引きました。



ほぼ唯一モノクロでなかったのは、テーブルの上の花瓶に入った、5枚の緑色の葉を持つ観葉植物でした。



普段であれば特に気にも留めないような植物に見えましたが、他が全てモノクロであるからか、緑が殊更に鮮やかに映りました。例えばモノクロを夢の中とすれば、緑の植物のみが現実にあるような錯覚に陥るかもしれません。



とりわけ目立っていたのが、5枚のトレーシングペーパーに連なるカーテンの大きな作品でした。カーテンは一面に閉じられた様子が示されていて、中央には道をモチーフとした作品が薄く透けるように描かれていました。



上から下へと垂れるトレーシングペーパーに折り目はないものの、カーテンは美しく波打っているように思えて、実際にひだが寄っていると見間違うほどでした。

「壁に絵があるとき、ここと、ここから届かない遠くとがささやかに触れ合う。それがふと目に映り、また映るたび、見る人は ふたつの間を何度でも行きかう。」 橋本昌子 *解説より

しばらく眺めていると、カーテンの向こうに別の空間と行き交うことのできる窓が存在しているかのようでした。



「第14回 shiseido art egg」展示スケジュール
西太志展:2020年10月2日(金)~10月25日(日)
橋本晶子展:2020年10月30日(金)~11月22日(日)
藤田クレア展:2020年11月27日(金)~12月20日(日)


事前予約制です。11月22日まで開催されています。 *写真は全て「第14回shiseido art egg 橋本晶子展  Ask him(アスクヒム)」展示風景。

「第14回shiseido art egg 橋本晶子展  Ask him(アスクヒム)」 資生堂ギャラリー@ShiseidoGallery
会期:2020年10月30日(金)~11月22日(日)
休廊:月曜日。*祝日が月曜にあたる場合も休館
料金:無料。
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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