「宮島達男 Uncertain」 SCAI THE BATHHOUSE

SCAI THE BATHHOUSE
「宮島達男 Uncertain」
2020/11/7〜12/12



SCAI THE BATHHOUSEで開催中の「宮島達男 Uncertain」を見てきました。

今回の個展で何よりも目を引くのが、壁面に展開した新作の絵画シリーズ「Painting of Change」でした。

そこでは宮島の代名詞とも呼べるデジタルの数字が、7つに分割されたセグメントによって表現されていて、使用されないセグメントは床へと直に置かれていました。


宮島達男「Painting of Change - 000」 2020年

例えば数字の「9」は、6つの金色に染まったセグメントによって示されていて、左下の使われない1つのセグメントのみが手前の床に横たわっていました。


宮島達男「Painting of Change - 001」 2020年

また「7」は3つ、そして「8」は全てのセグメントによって数字が表されていました。また「8」など、一見同じ青色に塗られていると思いきや、かなり濃淡があるのも特徴で、いずれも油絵具が用いられていました。但し「9」の作品のみ金箔が貼られていました。


右:宮島達男「Painting of Change - 006」 2020年

最も興味深いのは何の刻印もない、つまりは「0」の状態でした。ここに全てのセグメントは床に置かれていて、壁にはセグメントを設置するための突起物のみが残されていました。


宮島達男「Painting of Change - 003」(部分) 2020年

これらの数字はあらかじめ決められた周期により、サイコロの出た目に応じて変化するとのことで、LEDのカウンターと同様に明滅を繰り返していると言えるのかもしれません。


宮島達男「Unstable Time S - no.9」 2020年

そのLEDを組み込んだのは「Unstable Time」と題した3つの作品でした。いずれもが真っ白なナイロンの布へ極小のカウンターが刺繍するように連なっていて、緑、青、赤に点灯しながら、1から9へのカウントを繰り返していました。


宮島達男「Unstable Time C - no.6」 2020年

先のセグメントと同様、いわばフレームに変化を促していて、同じ数字を扱いながらも、かつての電子回路基盤を用いた作品とは異なったイメージを生み出していました。


宮島達男「Unstable Time L - no.3」 2020年

タイトルの「Uncertain」とは、不安定な、変わりやすい、不確かななどを意味していて、「物事を真に予測することなど人間には不可能であり、またその展開は常に偶然性に委ねられている」(展覧会解説シートより)とする宮島の考えが反映されているそうです。


宮島達男「Unstable Time S - no.9」(部分) 2020年

宮島は現在、千葉市美術館でも大規模な個展を開いていますが、同じく作品を出展している森美術館の「STARS展」とあわせて見ておきたい内容ではないでしょうか。


宮島達男「Painting of Change - 000」(部分) 2020年

事前予約は不要になりました。但し混雑状況によっては入場制限を行う場合があります。お出かけの際はご注意下さい。

12月12日まで開催されています。

「宮島達男 Uncertain」 SCAI THE BATHHOUSE@scai_bathhouse
会期:2020年11月7日(土)〜12月12日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:12:00~18:00
料金:無料
住所:台東区谷中6-1-23 柏湯跡
交通:JR線・京成線日暮里駅南口より徒歩6分。東京メトロ千代田線根津駅より徒歩7分。
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