都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「甲府を日帰りで楽しむ ミレーとバルビゾン、そしてワイナリー」 後編:甲府市街・サドヤワイナリー
前編:武田神社・山梨県立美術館から続きます。サドヤワイナリーの見学ツアーに参加してきました。
1917年(大正6年)に創業したサドヤワイナリーは、日本で初めてワイン専用ブドウ品種でワインを製造したことで知られ、甲府の自家農園でブドウを栽培してはワインを作り続けてきました。
サドヤワイナリーではワインの醸造と販売とともに、レストランやチャペル、宴会場などを運営している他、約700坪に及ぶ醸造場や貯蔵庫の地下ワインセラーの見学ツアーを行っています。
ツアーは各回40分程度、定員8名による事前予約制で、私も前もって土曜日の午後の2回目に当たる16時のツアーを予約していました。
山梨県立美術館からバスで甲府駅近くへ戻ると15時頃でした。見学まで少し時間に余裕があったため、甲府の街を散策することにしました。なお繁華街は主に駅の南側、甲府市役所から岡島百貨店付近に広がっていました。
商店街を練り歩きながら甲府城へと進むと、舞鶴城公園南広場にて公共空間を用いた社会実験「ADVENTURE in Kofu Scramble Park」が開催されていました。
これは新型コロナウイルスの影響下において、屋外広場を有効活用するための企画で、私が出向いた日はビアガーデン「KEEP CALM AND DRINK BEER」が行われていました。ソーシャルディスタンスの観点から一定の間隔を開けて座席が配置されていて、県内各地のブルワリーのビールが提供されていました。
そして舞鶴城公園からすぐ北にあるのが、豊臣秀吉の命によって築城が始まり、1600年頃に完成したと考えられている甲府城でした。
豊臣政権以降は徳川家一門が城主となり、1704年に柳沢吉保が治めると、城下町とともに栄えたと言われていて、2019年には国の史跡に指定されました。
城の威容を眺めながら線路を越えると、山手御門のある甲府歴史公園があり、すぐ横には明治から昭和初期の城下町を再現した商業施設、甲州夢小路が広がっていました。
ここでは古民家や蔵、倉庫など古い建築様式を取り入れた店舗が立ち並んでいて、明治初期まで甲府で200年以上も時刻を住民に知らせた「時の鐘」を再現した建物もありました。
レストランや和カフェ、ワイン販売やバー、それに和紙や紙小物などを販売する店などが連なっていて、甲府の1つの観光スポットを形成しているようでした。
また甲府駅北口では丹下健三の設計したメタボリズム建築、山梨文化会館も目立っていました。16本の円柱が建物を支える特徴的な外観は、まるで神殿か宇宙船のように見えました。
しばらく甲府駅周辺を歩いていると、予約していた16時が近づいてきたので、サドヤワイナリーへ行くことにしました。
駅から5分ほどの場所にあるサドヤワイナリーは、南フランスのプロヴァンスを思わせる佇まいが魅力的で、ツアーは入口すぐ右側のショップで受け付けていました。
スタッフの方の誘導の元、ぶどうの垣根を見た後は、いよいよ地下のセラーを見学することになりました。階段を降りると薄暗く古い空間が現れて、地上のお洒落な雰囲気とは一変しました。
地下セラーにはかつて地上からブドウを落としたタンクをはじめ、搾汁機などの昔の機械が残されていて、スタッフの方が樽の作り方やワインの製法などについて分かりやすく説明して下さいました。
一升瓶に換算して約300本ものワインを詰めた樽が並ぶのが、ワインを熟成するための樽熟庫でした。
サドヤのワインは樽で熟成させた後、さらに一升瓶に詰め替えてから寝かせるのが特徴で、無数の一升瓶が並ぶ貯蔵庫も見学することができました。
この他、非売品のヴィンテージワインなどが貯蔵されたスペースなども興味深いのではないでしょうか。
現在、サドヤではコロナ禍において結婚式などの宴会需要が激減し、営業に際しても困難な状況に置かれているとのことでしたが、ベテランのスタッフの方の楽しい解説を聞きながらツアーを巡っていると、あっという間に規定の時間を過ぎていました。
見学ツアーの後は地上へ戻り、ワインの試飲タイムへと移りました。ワインかブドウジュースをグラス一杯分試飲することが可能で、ワインを美味しく飲むための口に含ませ方についてもアドバイスもありました。
サドヤの見学ツアーは、ワインに詳しくなくとも、古い遺構を見られることからして魅惑的と言えるかもしれません。1000円の見学料金もリーズナブルに思えました。
この日は午前中に1回、午後に2回の計3回のツアーが行われましたが、いずれも事前予約で満員とのことでした。そもそもツアーはコロナ対策に伴って見学回数と人数をともに絞っていて、実際にも当日、飛び込みで参加を希望される方を断る様子も見受けられました。見学に際しては事前に予約されることをお勧めします。
最後にショップでお土産用にワインを買い、歩いて甲府駅へと戻りました。サドヤは駅から近く、気軽に立ち寄れるのも魅力かもしれません。
こうして午前中から武田神社と山梨県立美術館、そしてサドヤワイナリーの見学ツアーを日帰りで巡った後は、夕方過ぎの特急「かいじ」にて新宿へと帰りました。
「ワイナリー・地下セラー見学ツアー」 サドヤワイナリー(@SADOYA_Winery)
開催日時:11:00~(月~木)。11:00~、14:00~、16:00~(金~日祝)
見学料金:一般1000円、中学生以下無料。
*プレミアム見学ツアーあり。料金は一般2000円。(20歳以上が対象)
*完全予約制。公式サイトの専用フォームより要予約。
ショップ営業時間:10:00~15:00(月~木)、10:00~17:00(金~日祝)
住所:山梨県甲府市北口3-3-24
交通:JR線甲府駅北口より徒歩5分。
1917年(大正6年)に創業したサドヤワイナリーは、日本で初めてワイン専用ブドウ品種でワインを製造したことで知られ、甲府の自家農園でブドウを栽培してはワインを作り続けてきました。
サドヤワイナリーではワインの醸造と販売とともに、レストランやチャペル、宴会場などを運営している他、約700坪に及ぶ醸造場や貯蔵庫の地下ワインセラーの見学ツアーを行っています。
ツアーは各回40分程度、定員8名による事前予約制で、私も前もって土曜日の午後の2回目に当たる16時のツアーを予約していました。
山梨県立美術館からバスで甲府駅近くへ戻ると15時頃でした。見学まで少し時間に余裕があったため、甲府の街を散策することにしました。なお繁華街は主に駅の南側、甲府市役所から岡島百貨店付近に広がっていました。
商店街を練り歩きながら甲府城へと進むと、舞鶴城公園南広場にて公共空間を用いた社会実験「ADVENTURE in Kofu Scramble Park」が開催されていました。
これは新型コロナウイルスの影響下において、屋外広場を有効活用するための企画で、私が出向いた日はビアガーデン「KEEP CALM AND DRINK BEER」が行われていました。ソーシャルディスタンスの観点から一定の間隔を開けて座席が配置されていて、県内各地のブルワリーのビールが提供されていました。
そして舞鶴城公園からすぐ北にあるのが、豊臣秀吉の命によって築城が始まり、1600年頃に完成したと考えられている甲府城でした。
豊臣政権以降は徳川家一門が城主となり、1704年に柳沢吉保が治めると、城下町とともに栄えたと言われていて、2019年には国の史跡に指定されました。
城の威容を眺めながら線路を越えると、山手御門のある甲府歴史公園があり、すぐ横には明治から昭和初期の城下町を再現した商業施設、甲州夢小路が広がっていました。
ここでは古民家や蔵、倉庫など古い建築様式を取り入れた店舗が立ち並んでいて、明治初期まで甲府で200年以上も時刻を住民に知らせた「時の鐘」を再現した建物もありました。
レストランや和カフェ、ワイン販売やバー、それに和紙や紙小物などを販売する店などが連なっていて、甲府の1つの観光スポットを形成しているようでした。
また甲府駅北口では丹下健三の設計したメタボリズム建築、山梨文化会館も目立っていました。16本の円柱が建物を支える特徴的な外観は、まるで神殿か宇宙船のように見えました。
しばらく甲府駅周辺を歩いていると、予約していた16時が近づいてきたので、サドヤワイナリーへ行くことにしました。
駅から5分ほどの場所にあるサドヤワイナリーは、南フランスのプロヴァンスを思わせる佇まいが魅力的で、ツアーは入口すぐ右側のショップで受け付けていました。
スタッフの方の誘導の元、ぶどうの垣根を見た後は、いよいよ地下のセラーを見学することになりました。階段を降りると薄暗く古い空間が現れて、地上のお洒落な雰囲気とは一変しました。
地下セラーにはかつて地上からブドウを落としたタンクをはじめ、搾汁機などの昔の機械が残されていて、スタッフの方が樽の作り方やワインの製法などについて分かりやすく説明して下さいました。
一升瓶に換算して約300本ものワインを詰めた樽が並ぶのが、ワインを熟成するための樽熟庫でした。
サドヤのワインは樽で熟成させた後、さらに一升瓶に詰め替えてから寝かせるのが特徴で、無数の一升瓶が並ぶ貯蔵庫も見学することができました。
この他、非売品のヴィンテージワインなどが貯蔵されたスペースなども興味深いのではないでしょうか。
現在、サドヤではコロナ禍において結婚式などの宴会需要が激減し、営業に際しても困難な状況に置かれているとのことでしたが、ベテランのスタッフの方の楽しい解説を聞きながらツアーを巡っていると、あっという間に規定の時間を過ぎていました。
見学ツアーの後は地上へ戻り、ワインの試飲タイムへと移りました。ワインかブドウジュースをグラス一杯分試飲することが可能で、ワインを美味しく飲むための口に含ませ方についてもアドバイスもありました。
サドヤの見学ツアーは、ワインに詳しくなくとも、古い遺構を見られることからして魅惑的と言えるかもしれません。1000円の見学料金もリーズナブルに思えました。
この日は午前中に1回、午後に2回の計3回のツアーが行われましたが、いずれも事前予約で満員とのことでした。そもそもツアーはコロナ対策に伴って見学回数と人数をともに絞っていて、実際にも当日、飛び込みで参加を希望される方を断る様子も見受けられました。見学に際しては事前に予約されることをお勧めします。
最後にショップでお土産用にワインを買い、歩いて甲府駅へと戻りました。サドヤは駅から近く、気軽に立ち寄れるのも魅力かもしれません。
こうして午前中から武田神社と山梨県立美術館、そしてサドヤワイナリーの見学ツアーを日帰りで巡った後は、夕方過ぎの特急「かいじ」にて新宿へと帰りました。
「ワイナリー・地下セラー見学ツアー」 サドヤワイナリー(@SADOYA_Winery)
開催日時:11:00~(月~木)。11:00~、14:00~、16:00~(金~日祝)
見学料金:一般1000円、中学生以下無料。
*プレミアム見学ツアーあり。料金は一般2000円。(20歳以上が対象)
*完全予約制。公式サイトの専用フォームより要予約。
ショップ営業時間:10:00~15:00(月~木)、10:00~17:00(金~日祝)
住所:山梨県甲府市北口3-3-24
交通:JR線甲府駅北口より徒歩5分。
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