都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『イギリス風景画と国木田独歩』 茅ヶ崎市美術館
茅ヶ崎市美術館
『イギリス風景画と国木田独歩』
2023/6/18〜8/27
トマス・ゲインズボロ『荷馬車のいる丘陵地帯の森の風景』 1745〜46年頃 郡山市立美術館
茅ヶ崎市美術館にて『イギリス風景画と国木田独歩』が開かれています。
これは明治時代の小説家、国木田独歩の代表作『武蔵野』を起点に、その世界観に影響を与えたウィリアム・ワーズワース(*)から当時のイギリスの風景画の系譜を辿るもので、同国の画家、およびイギリス風景画に影響を受けた日本の画家の作品が展示されていました。*イギリスのロマン派の詩人。1770年〜1850年。
いずれも郡山市立美術館と府中市美術館、および同館のコレクションで、絵画だけでなく、版画や水彩の優品も目立っていました。
トマス・ゲインズボロの『荷馬車のいる丘陵地帯の森の風景』とは、文字通り森の中を馬車が進む様子を描いたもので、空には白い鳥が舞うとともに、この後の天気の変化を連想させるような暗い雲が広がっていました。
ジョン・クローム『ヘレスドンの眺め』 1807年頃 郡山市立美術館
ジョン・クロームの『ヘレスドンの眺め』とは、イングランド南東部、ケント州のカンタベリーの村を俯瞰して描いた作品で、雲の広がる空の下、光に反射して蛇行する川や建物などを見ることができました。
リチャード・ウィルソン『キケロの別荘』 郡山市立美術館
神々しいまでの夕陽を背に、崩れかけた廃墟と手仕事に励む女性を描いたのが、リチャード・ウィルソンの『キケロの別荘』でした。ウェールズ出身のウィルソンは、ロランやプッサンのもと、古代の神殿などを登場させて演出する理想的風景とも呼べる絵画に影響を受けた画家で、透明感に満ちた画面にも魅力を感じました。
牧野義雄『チェルシー発電所遠望』 明治40年 府中市美術館
このほか、日本の画家では渡米後、ロンドンへと移った牧野義雄の作品も印象に深かったかもしれません。テムズ川に面した発電所を描いた『チェルシー発電所遠望』における淡くオレンジ色の光にも見入りました。
チャールズ・ワーグマン『西洋紳士スケッチの図』 1870年代 郡山市立美術館
国内3館のコレクションによってイギリス風景画の変遷を追う良い機会だったかもしれません。ターナーやコンスタブルといった有名な画家だけでなく、むしろあまり見ることの少ない画家の作品にも惹かれるものを感じました。
一部作品の撮影が可能でした。
8月27日まで開催されています。
『イギリス風景画と国木田独歩』 茅ヶ崎市美術館 (@chigasakimuseum)
会期:2023年6月18日(日)〜8月27日(日)
休館:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)。
時間:10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(900)円、大学生800(700)円、市内在住65歳以上500(400)円。
*高校生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
交通:JR線茅ヶ崎駅南口より徒歩約8分。
『イギリス風景画と国木田独歩』
2023/6/18〜8/27
トマス・ゲインズボロ『荷馬車のいる丘陵地帯の森の風景』 1745〜46年頃 郡山市立美術館
茅ヶ崎市美術館にて『イギリス風景画と国木田独歩』が開かれています。
これは明治時代の小説家、国木田独歩の代表作『武蔵野』を起点に、その世界観に影響を与えたウィリアム・ワーズワース(*)から当時のイギリスの風景画の系譜を辿るもので、同国の画家、およびイギリス風景画に影響を受けた日本の画家の作品が展示されていました。*イギリスのロマン派の詩人。1770年〜1850年。
いずれも郡山市立美術館と府中市美術館、および同館のコレクションで、絵画だけでなく、版画や水彩の優品も目立っていました。
トマス・ゲインズボロの『荷馬車のいる丘陵地帯の森の風景』とは、文字通り森の中を馬車が進む様子を描いたもので、空には白い鳥が舞うとともに、この後の天気の変化を連想させるような暗い雲が広がっていました。
ジョン・クローム『ヘレスドンの眺め』 1807年頃 郡山市立美術館
ジョン・クロームの『ヘレスドンの眺め』とは、イングランド南東部、ケント州のカンタベリーの村を俯瞰して描いた作品で、雲の広がる空の下、光に反射して蛇行する川や建物などを見ることができました。
リチャード・ウィルソン『キケロの別荘』 郡山市立美術館
神々しいまでの夕陽を背に、崩れかけた廃墟と手仕事に励む女性を描いたのが、リチャード・ウィルソンの『キケロの別荘』でした。ウェールズ出身のウィルソンは、ロランやプッサンのもと、古代の神殿などを登場させて演出する理想的風景とも呼べる絵画に影響を受けた画家で、透明感に満ちた画面にも魅力を感じました。
牧野義雄『チェルシー発電所遠望』 明治40年 府中市美術館
このほか、日本の画家では渡米後、ロンドンへと移った牧野義雄の作品も印象に深かったかもしれません。テムズ川に面した発電所を描いた『チェルシー発電所遠望』における淡くオレンジ色の光にも見入りました。
チャールズ・ワーグマン『西洋紳士スケッチの図』 1870年代 郡山市立美術館
国内3館のコレクションによってイギリス風景画の変遷を追う良い機会だったかもしれません。ターナーやコンスタブルといった有名な画家だけでなく、むしろあまり見ることの少ない画家の作品にも惹かれるものを感じました。
🇬🇧第1章「イギリス、ピクチャレスクな風景」1770年代以降に提唱された「ピクチャレスク」。それは起伏に富み、唐突に変化し、不揃いで、「絵に描いたときに心地よく、特殊な種類の美に満ちている」というもの。ターナーやコンスタブルが描いた眺望はピクチャレスクな風景の最たる例です。 pic.twitter.com/i09aoEFFmY
— 茅ヶ崎市美術館 (@chigasakimuseum) July 30, 2023
一部作品の撮影が可能でした。
8月27日まで開催されています。
『イギリス風景画と国木田独歩』 茅ヶ崎市美術館 (@chigasakimuseum)
会期:2023年6月18日(日)〜8月27日(日)
休館:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)。
時間:10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(900)円、大学生800(700)円、市内在住65歳以上500(400)円。
*高校生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
交通:JR線茅ヶ崎駅南口より徒歩約8分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )