「彩色木彫 土屋仁応展」 日本橋高島屋美術画廊X

日本橋高島屋美術画廊X
「彩色木彫 土屋仁応展」 
8/28-9/16



日本橋高島屋美術画廊Xで開催中の土屋個展、「彩色木彫」へ行ってきました。

「人間はいきものたちの形や生態に、さまざまな物語や解釈をつけて、シンボルとしての役割を担わせる」 作品集「聞耳の森:土屋仁応」(リーフレットより)

意志漲るかのように構えて立つ獅子に麒麟。そして穏やかに前を見据えた可愛らしい子犬。そしてその潤んでなおかつ若干の憂いを帯びた瞳。

ともかく美しい土屋の彫刻の魅力を言葉にするのは非常に難しいのですが、そこには作家の生き物への慈しみの眼差しがあるように思えてなりません。


「子犬」 樟、彩色、水晶 2013年

1977年に横須賀市で生まれた土屋仁応(つちやよしまさ)は、2001年に東京藝術大学の彫刻科を卒業、2007年には同大学院の文化財保存学を修了した後、主に国内の美術館やギャラリーにて作品を発表し続けてきました。

作品はタイトルにもあるように木彫、きわめて繊細でかつ静的。それでいて内に確かなる生命感を秘めた生き物の彫像です。


「鹿」 樟、彩色、ラブラドライト 2013年

まずは「鹿」に「狐」から。「鹿」といっても高さは40センチほど。すくっと、しかしながら緩やかな曲線を描いてのびる4本の脚に首を少し曲げてややうつむき加減で下を見やる頭。またピンと伸びた耳。素材は樟。一見、木の色がほぼそのまま表れているようにも思えますが、実は仄かな彩色が施されています。

それにしてもこの滑らかな表面。思わず撫でたくなってしまいます。可愛らしき鹿。さらに瞳です。水晶などが用いられ潤んでいる。それがまた実に愛おしいのです。

ちなみにこの瞳には技法的にとある秘密が。それが仏像です。土屋は玉眼といわれる技術を取り込み、瞳を仕上げています。またこれまでは水晶を使うことが多かったそうですが、今回はその他にも硝子なども用いているそうです。

「聞耳の森/土屋仁応/求龍堂」

透かし彫りのような「犀」も身体もまた変化が。装飾的です。こちらも魅惑的でした。

9月16日までの開催です。おすすめします。

「彩色木彫 土屋仁応展」 日本橋高島屋美術画廊X(アッと@ART
会期:8月28日(水)~9月16日(月)
休廊:会期中無休。
時間:10:00~20:00
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋6階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
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「魔法の美術館」 上野の森美術館

上野の森美術館
「光のイリュージョン 魔法の美術館」
9/6-10/6



上野の森美術館で開催中の「光のイリュージョン 魔法の美術館」のプレスプレビューに参加してきました。

「見て、触れて、参加する、光で遊ぶ現代アート」

全国18会場を巡回中の「光のイリュージョン 魔法の美術館」展。既に各地でも大盛況。光をテーマにした参加型の現代アート作品で多くの観客を魅了してきました。

その展覧会がようやく東京巡回。上野の森美術館にやって来ています。


小松宏誠「Secret Garden」2010年

では早速、会場の様子から。掴みも抜群。小松宏誠さんの「Secret Garden」です。暗室に並んで回転する美しい羽。これらは実際のアヒルや画帖の羽だとか。それがLEDライトに照らされて白く浮き上がる。いつしか鳥が草花の姿へと変化します。だからこそガーデンです。見惚れました。

そしてアトリエオモヤの「光であそぶ」です。何やら会場に吊るされた白い布の立方体、中に入ってみると一体?仕掛けはビー玉です。


アトリエオモヤ「光であそぶ」2009-2013年

ご覧のように手で叩くとビー玉がバラバラと音をたてて動き、それがさながら万華鏡のように広がっていく。実にシンプルな仕掛けですが、これがまた美しいのです。


真鍋大度/比嘉了「happy halloween!」2010年

ちなみに今回はともかく『参加する』がキーワード。もちろん触れてはいけないものもありますが、手で触れ、また身体を動かして楽しめるような作品ばかり。動きやすい服での観覧が良いかもしれません。


プラプラックス「kage's Nest」2001年

そうした全身で体感出来る作品といえばこちら。プラプラックスの「kage's Nest」です。床に広がる光のサークル、一歩足を踏み入れてみると?いきなり現れるのは無数の影絵。お花が流れて鳥が羽ばたく。影絵とのかけっこが楽しめます。


緒方壽人/五十嵐建夫「another shadow」2009年

また緒方壽人さんと五十嵐建夫さんの「another shadow」も同じく影がテーマとなった作品です。白い影の前で様々なポーズを取ると影のみが切り取られて置き去りとなる。分身のようでした。


宮本和奈「ミラボン」2006年

ずばり光の輝きで勝負するのは宮本和奈さんの「ミラボン」でしょう。暗室の中に置かれた毛むくじゃらの球体。それを手で裏返してみるとご覧の通り。ミラーボールから眩いばかりの光のシャワーが噴き出します。それこそプラネタリウムばりの宇宙空間です。


小松宏誠「Lifelog_シャンデリア」2012年

ラストには再び小松宏誠さんの作品が登場。タイトルは「Lifelog_シャンデリア」。一目瞭然、宙から吊るされるのは鳥の羽のシャンデリア、上野の森で最も天井高のあるスペースを効果的に用いています。もちろん巧みなライティングによる影も見どころ。圧巻です。


小松宏誠「Lifelog_シャンデリア」2012年

なお小松さんが仰るには、毎度巡回先の会場にあわせて、展示を変化させているとのこと。このシャンデリアは巡回中最大のものだそうです。



まだ他にも魅惑的な作品がいくつも。クワクボリョウタさんと山口レイコさんによるユニット、パーフェクトロンはおもちゃを使った車が街を照らす。東京ステーションギャラリーのリニューアルオープンを飾った「始発電車を待ちながら」での作品が『動』であるなら、今回は『静』。闇夜にメルヘンの街が浮かび上がります。


児玉幸子「そらだま」2007-2013年

出展の作家さんも実力派揃い。今触れたようにクワクボリョウタさんはステーションギャラリーにも出展。またプラプラックスは初回のあざみ野コンテンポラリーにも作品が。またアトリエオモヤの鈴木太朗さんに小松宏誠さんも幅広い活動をされています。

会期は僅か一ヶ月。話題の展示ということもあるのか、第一週目の土曜から入場規制がかかりました。なお公式のツイッターアカウント(@mahou_museum)が混雑情報をこまめに発信しています。会期中にお休みはありません。


森脇裕之「台風の夜ー記憶と想像の境界」2013年

新たなアプローチで魅せる「体感型 光の現代アート」。ファミリーでも楽しめるのではないでしょうか。(家族ペアチケットは1400円。)なお館内は写真の撮影が可能です。カメラをお忘れなく。

10月6日まで開催されています。

「光のイリュージョン 魔法の美術館」@mahou_museum) 上野の森美術館
会期:9月6日(金) ~10月6日(日)
休館:会期中無休
時間:10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
料金:一般・大学生1200円、高校・中学・小学生600円。家族ペア1400円。
住所:台東区上野公園1-2
交通:JR線上野駅公園口より徒歩3分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅徒歩5分。京成線京成上野駅徒歩5分。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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「特別展 京都 公式アプリ『洛中洛外図屏風舟木本』」リリース

10月8日から東京国立博物館で開催される「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」展。


「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」@東京国立博物館(10/8~12/1)

京都を舞台にした戦国期より江戸期の障壁画や屏風絵を展観。洛中洛外図屏風の全ての指定品(国宝・重文)や二条城大広間や黒書院の障壁画などが東京へ。また散逸した龍安寺の障壁画などがアメリカより里帰りします。

展覧会の内容などは、以前に参加した記者発表会の記事でもまとめてあります。あわせてご覧ください。


「特別展 京都」 記者発表会(拙ブログ)

さてこの京都展、かねてより「洛中洛外図屏風舟木本」をテーマとしたiPhone(iPad)アプリが公開中。無料版を既にダウンロードした方も多いかもしれませんが、9月4日(水)、ついに有料の完全版がリリースされました。

というわけで私もダウンロードしてみることに。iphoneからApp Storeにアクセスへ。キーワードに「舟木本」と入力するとすぐに出てきました。



それではトップ画面から。コンテンツは主に3つです。舟木本を自由に拡大して閲覧出来るコーナーと「舟木本のQ&A」、そして「60秒検定」と題した舟木本検定があります。



早速、舟木本を拡大すると以下の画面の通り。さすがの高精細画像です。細部の細部、人物の生き生きとした表情までがくっきりと浮かび上がってきます。



ちなみに先行する無料版では屏風の一部のみしか閲覧出来ませんでしたが、有料完全版では全画面、京都の隅々まで拡大可能です。これぞアプリの醍醐味と言えそうです。



さて続いては「舟木本Q&A」。怒濤の全152問。しかもフランクな語り口なのにかなり専門的です。また初めは「誰が描いたの?」や「いつ頃の京都が描かれたの?」といった基本的な内容ですが、その後は「桜の枝、折っちゃってますが?」に「なぜ顔を隠すの?」、そして「客引きが強引ですね?」などとマニアック。知らないことばかりです。



舟木本の様々なシーンをピックアップしての解説が続きます。



そして「舟木本 60秒検定」です。こちらは参加型のクイズ形式の舟木本検定。全部で12問あり、1問僅か3秒。早押しクイズさながらに回答しなくてはなりません。(結構大変です。)



また何パターンからあるようで、質問内容もその都度変わります。凝ってました。



最後に嬉しいのは「展覧会情報」です。本アプリ内の「割引券」画面を東京国立博物館正門チケットブースで提示すると、入場料が当日料金から100円引きになります。(但し他の割引との併用は出来ません。)

これだけ楽しめて価格は450円。ただし9月4日(水)から10日(火)までの間はリリース記念価格として250円でダウンロード可能。これはお得です。

ただ私の回線の問題か、アプリを落とすのにもの凄く時間がかかりました。(時間に余裕のある時をおすすめします。)最低Wi-Fi以上、LTE環境、もしくはPCからのダウンロードがベストです。また容量もかなりあります。iPadの方がより楽しめるかもしれません。



「特別展 京都」の公式アプリ「『洛中洛外図屏風 舟木本』完全版」。展覧会前に楽しむのも良いのではないでしょうか。まずは記念価格展開中の9月10日(火)までにお早めにどうぞ。

「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美 公式アプリ『洛中洛外図屏風 舟木本』完全版」
対応端末:iPhone、iPad、iPod touch *Android版はありません
カテゴリ:教育
入手方法:App Store
価格:450円 *リリース記念特別価格(日本時間9/4~10限定)250円
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「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」 千葉市美術館

千葉市美術館
「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」
8/27-9/23



千葉市美術館で開催中の「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」を見てきました。

既に江戸絵画コレクションでは大いに定評のある千葉市美術館ですが、今「花鳥風月」をテーマに、所蔵の江戸絵画(一部近代日本画を含む)を紹介する展覧会が行われています。

第一章 四季
第二章 花
第三章 鳥
第四章 風月
第五章 山水
第六章 人物
第七章 琳派の版本


章立ては上記の通り7つ。いずれもシンプルな見出しですが、展示自体は非常に見応えのあるものとなっていました。

さて冒頭の「四季」では二つの六曲一双の屏風が登場。狩野派の「瀟湘八景図屏風」と松村景文の「春秋唐人物図屏風」、いずれも四季の風景を描いた作品ですが、とりわけ山楽、山雪周辺の絵師が描いたという前者が印象的。丸みを帯びた岩山と広がりある前景の水辺の対比。漁に出るのか小舟には人の姿も。長閑な田園の日常が伝わってきます。

また屏風で一際目立っているのは森徹山の「春秋花鳥図屏風」です。こちらも六曲一隻。金地に桜と紅葉を配したものですが、とにかく色鮮やか。目に焼き付きます。


鈴木其一「芒野図屏風」 1830-54年頃 千葉市美術館

そして鈴木其一の「芒野図屏風」です。二曲一隻の画面には一面の芒が。しかしながらここは其一。その描写は実に抽象的です。もはや芒は純然たる曲線と化してリズムを刻む。霞もかかって空間は深淵。この世ならざる景色を生み出しています。

また先に一部近代日本画と記しましたが、本展では同館の近代日本画もいくつか展観。例えば橋本明治の「春庭」に中村岳陵の「青韻」。岳陵は江戸後期の琳派の絵師である池田孤邨の弟子のまた弟子。垂直の竹を二本、さながらトリミングするかのように描いています。そこにとまる蝉もアクセントです。


河田小龍「花鳥図」より 幕末~明治時代 千葉市美術館

二章の「花」へ進みましょう。ともかく注目したいのは河田小龍。江戸後期から明治に活動した画家とのことですが、何と彼は絵金の弟子というから驚きです。中国の草虫画に倣ったという三幅の「花鳥図」が展示されていますが、その描写はまさに濃厚。百合も牡丹もねっとりと爛れています。さらに面白いのが左幅の雀。羽を広げて威嚇するような仕草をしていますが、真っ正面を向いてこちらを見ているので視点が完全に合うのです。

さらに重要なのが小原古邨です。はて聞き慣れない画家、と思う方もおられるかもしれません。彼は明治から昭和にかけての版画家。フェノロサのすすめでヨーロッパへの輸出向けの木版画を多数制作。これが大変な人気を集め、現在でも海外で評価が高いとか。会場ではその古邨の版画を20点弱ほど展示しています。いずれも伝統的な日本の画題を時に西洋風描写にアレンジ。花鳥画にも関わらず、どこか芳年の「月百姿」を思わせる叙情性も。とても魅力的です。

図版がないのでなかなかお伝えしにくいのですが、本展の主役の一人といっても申し分のない小原古邨。この絵師に出会えただけでも行って良かったと思いました。


伊藤若冲「旭日松鶴図」 1755-56年頃 摘水軒記念文化振興財団

さて三章の「鳥」。ここではちょっとした作品の配列に注目です。それが岡本秋暉と伊藤若冲の鶴対決。秋暉の「鶴図(若冲写)」に「松に鶴図」、そして若冲の「旭日松鶴図」が並んで展示されています。


岡本秋暉「若冲写鶴図」 江戸時代後期 摘水軒記念文化振興財団

それらの主題はもちろん鶴ですが、秋暉の鶴は若冲はプライスコレクションの「群鶴図」を模しているというから一興。しかもキャプションに「目力は若冲以上」とあるように、いずれも鶴の目が爛々。不気味なほど迫力があるのです。

ちなみに今回はキャプションもなかなか読ませます。また図録はありませんが、会場内には作品の詳しい解説を載せた冊子も配置。嬉しい配慮でした。


伊藤若冲「乗興舟(部分)」 1767年頃 千葉市美術館

このペースで感想を書いていくとキリがないので先を急ぎます。四章の「風月」では若冲の「月夜白梅図」の隣に橋本関雪の「水城暮雨図」が並ぶという離れ業も。また五章「山水」では若冲の「乗興舟」、そして六章の「人物」では抱一の「老子図」など、お馴染みの名品も目につきます。


神坂雪佳「百々世草」 1909-1910年刊 千葉市美術館 ラヴィツコレクション

また七章では琳派の絵師の版本がかなり紹介されているのもポイントです。芳中の「光琳画譜」に抱一の「光琳百図」、そして可愛らしい雪佳の「百々世草」など。いずれも2~3面の展示です。そして面白いのは古谷紅麟。さて名を何と読むでしょうか。答えは『こうりん』、雪佳に学んだ明治期の画家です。彼は光琳の図像を取り込んだ「こうりん模様」を出版。それが展示されています。一連の版本を通して見ることで、光琳画受容の変遷過程など浮かんでくるかもしれません。

市民美術講座「日本絵画の花鳥風月」
日時:9月7日(土)14:00より
講師:伊藤紫織 (同館学芸員)
聴講無料/先着150名/11階講堂にて

千葉市美では新たな試みとして本展のフェイスブックページもオープン。作品の一部の解説などを読むことが出来ます。こちらも是非どうぞ。

「千葉市美術館所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」(facebook)

タイトルにもあるように若冲、そして琳派を楽しみながら、知られざる江戸絵画の絵師の作品とも出会える展覧会。出品数は怒濤の120点余。(出品リスト)ボリュームも満点。しかも料金はたったの200円(一般)です。


松村景文「秋草図」 1818-44年頃 千葉市美術館

9月23日まで開催されています。おすすめします。

「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」 千葉市美術館
会期:8月27日(火) ~ 9月23日(月・祝)
休館:第1月曜日。(9月2日)
時間:10:00~18:00。金・土曜日は20時まで開館。
料金:一般200(160)円、大学生150(120)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:千葉市中央区中央3-10-8
交通:千葉都市モノレールよしかわ公園駅下車徒歩5分。京成千葉中央駅東口より徒歩約10分。JR千葉駅東口より徒歩約15分。JR千葉駅東口より京成バス(バスのりば7)より大学病院行または南矢作行にて「中央3丁目」下車徒歩2分。
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9月の展覧会・ギャラリーetc

今月に見たい展覧会などをリストアップしてみました。

展覧会

・「日本の絵 三瀬夏之介展」 平塚市美術館(~9/16)
・「八谷和彦 OpenSky 3.0」 3331 Arts Chiyodaメインギャラリー(~9/16)
・「引込線2013」 旧所沢市立第2学校給食センター(~9/23)
・「中村不折コレクション 江戸ワールド」 台東区立書道博物館(~9/25)
・「館蔵品展 狩野派SAIKO!」 板橋区立美術館(~9/29)
・「光のイリュージョン 魔法の美術館」 上野の森美術館(9/6~10/6)
・「戦争/美術 1940-1950」 神奈川県立近代美術館葉山(~10/14)
・「速水御舟ー日本美術院の精鋭たち」 山種美術館(~10/14)
・「竹内栖鳳 近代日本画の巨人」 東京国立近代美術館(~10/14)
 #前期:9/3~9/23、後期:9/25~10/14。展示替え作品多数あり。
・「トスカーナと近代絵画」 損保ジャパン東郷青児美術館(9/7~11/10)
・「Drinking Glass 酒器のある情景」 サントリー美術館(9/11~11/10)
・「ミケランジェロ展」 国立西洋美術館(9/6~11/17)
・「コレクション展 清雅なる情景 日本中世の水墨画」 根津美術館(9/11~10/20)
・「国宝 興福寺仏頭展」 東京藝術大学大学美術館(~11/24)
・「生誕120年 宮芳平展」 練馬区立美術館(9/15~11/24)
・「ウィリアム・モリス」 府中市美術館(9/14~12/1)
・「明治のこころーモースが見た庶民のくらし」 江戸東京博物館(9/14~12/8)
・「モローとルオー」 パナソニック汐留ミュージアム(9/7~12/10)
・「六本木クロッシング2013」 森美術館(9/21~1/13)

ギャラリー

・「富田菜摘 おとなの大運動会」 ギャラリー東京ユマニテ(~9/14)
・「飯山由貴 湯気 けむり 恩賜」 JIKKA(9/4~9/18)
・「高木正勝 発芽祭」 山本現代(~9/21)
・「ミン・ウォン展」 資生堂ギャラリー(~9/22)
・「TWS-Emerging 菅亮平、河合真里、西村有未」 TWS本郷(~9/23)
・「近藤聡乃展 KiyaKiya 1/15秒」 ミヅマアートギャラリー(~9/28)
・「高石晃 シャンポリオンのような人」 児玉画廊東京(~9/28)
・「奥村昂子展 あれをつくる」 リクシルギャラリー(~9/28)
・「楽園創造ー芸術と日常の新地平 vol.4 コンタクトゴンゾ」 ギャラリーαM(9/7~10/12)
・「小林孝亘ー夢みる2秒前」 西村画廊(9/17~10/19)
・「東美貴子展」 アルマスギャラリー(9/7~10/26)
・「ホンマタカシ展」 TARONASU(9/19~10/26)

まだ暑い日が続くとはいえ、そろそろ秋の展覧会シーズンに入ります。上野では西美でミケランジェロ、そして芸大で興福寺仏頭展も始まりました。

また東博では「和様の書」が9月8日までの開催。その後、10月8日から「特別展 京都」が始まりますが、その間に「秋の特別公開」企画も。以前にブログでもご紹介しましたが、酒井抱一の「夏秋草図屏風」などの優品が2週間限定で紹介されます。



「東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開」@東京国立博物館(9/18~9/29)

会期中の9月28日(土)は20時までの夜間開館も実施。特別展のない時期の東博平常展、ゆったりと楽しめるのではないでしょうか。私も出かけるつもりです。

さて上野といえばもう一つ、上野の森美術館で「魔法の美術館」がはじまります。



「光のイリュージョン 魔法の美術館」@上野の森美術館(9/6~10/6)

魔法に美術館?初めに名前を聞いた時には見当もつきませんでしたが、展覧会サイトを開いてみればなるほど納得。光をテーマにした現代アート展です。しかもアトリエオモヤに小松宏誠、そして先だって東京ステーションギャラリーでも見事な作品を披露してくれたクワクボリョウタらによるユニットと、魅力的な参加グループの名が。これは行かないわけにはまいりません。

ギャラリー関連では長らく休館していたリクシルギャラリーが9月よりリニューアルオープン。布や緩衝剤を用いてオブジェを展開する奥村さんの個展もはじまっています。

7月から忙しくなってしまい、その後もあまり展覧会を追っかけられませんでしたが、かなり落ち着いてきました。あくまでもマイペースではありますが、ブログの更新頻度ももう少しあげたいと思います。

それでは今月も宜しくお願いします。
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「光琳を慕う 中村芳中」展が開催されます

時に「和みの琳派」などとも称される江戸時代後期の絵師、中村芳中(?~1819)。



主に大阪を中心に活動した芳中は、次第に光琳に傾倒し、1802年には「光琳画譜」を出版。光琳画に倣いながら、たらしこみを多用したおおらかでユーモラスな画風を確立しました。

[関連エントリ]
「光琳を慕う 中村芳中」 千葉市美術館(芳中展を見て来ました。)


また芳中の「光琳画譜」は抱一の「光琳百図」に先行して出版されたもの。もちろん光琳百回忌に記念の法要や展観まで行い、印譜の研究もつとめた抱一の業績と比べるのは議論あるかもしれませんが、江戸における光琳顕彰の先駆けといって良いかもしれません。


中村芳中「草花図色紙」 細見美術館

その芳中、楽し気な人物画やのびやかな花鳥図など、作品を一目見るだけでも惹かれるものですが、これまで展覧会で単独で取り上げられたことは殆どありませんでした。

2014年は芳中復権元年。いよいよ回顧展が開催されます。

「光琳を慕う 中村芳中」展
千葉市美術館 2014/4/8(火)~5/11(日)
細見美術館 2014/5/24~6/29(日)
岡山県立美術館 2014/9/26~11/3(月・祝)


巡回展です。先行は千葉市美術館から。以下、細見美術館、岡山県立美術館へと巡回。なお岡山会場に関しては現在、開催に向けて調整中だそうです。(各会期とも予定。)

もちろん芳中、決して珍しい絵師というわけではなく、いわゆる江戸絵画、とりわけ琳派関連の展示ではほぼ常連メンバー。近年は首都圏でも「三都画家くらべ」(府中市美術館、2012年)、「諸国畸人伝」(板橋区立美術館、2010年)、「日本の美と出会う」(日本橋高島屋、2009年)に出品があった他、東博常設の琳派絡みの展示などで見かけることがあります。


中村芳中「白梅小禽図屏風」 細見美術館

しかしながら光悦に宗達、また光琳や抱一、其一(単独の回顧展も待たれるところですが。)に比べれば、出品頻度が低いのは事実。私も最近は琳派関連の展示を追っかけているつもりですが、いつも芳中に関しては「もっと見たい!」と思うことばかりでした。

「すぐわかる琳派の美術/仲町啓子/東京美術」

「ユニークな表現方法と、その結果画面にもたらされるほのぼのとした気分。大阪で活躍した芳中の人自身の性格を反映しているのだろうか。(略)芳中の作品は、琳派の中でも抜群の癒し効果をもっており、見る人は微笑まずにはいられない。」 *「すぐわかる琳派の芸術」(東京美術)監修:仲町啓子より

まさに琳派ファン待望の芳中展。また「芳中の世界に多角的に迫る展示を目指す。」(チラシより)とのこと。単に可愛らしい云々を超えた芳中の新たな魅力も見えてくるやも知れません。


中村芳中「光琳画譜」より

開催は来年春と少し先ですが、ともかくは芳中展、大いに期待出来るのではないでしょうか。

ちなみに現在、千葉市美術館で開催中の「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」(facebookページ)で芳中の「光琳画譜」(一部)が展示中です。私も先日見てきました。展覧会の感想も別途まとめたいと思います。



「所蔵作品展 琳派・若冲と花鳥風月」 千葉市美術館
会期:8月27日(火) ~ 9月23日(月・祝)
休館:第1月曜日。(9月2日)
時間:10:00~18:00。金・土曜日は20時まで開館。
料金:一般200(160)円、大学生150(120)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:千葉市中央区中央3-10-8
交通:千葉都市モノレールよしかわ公園駅下車徒歩5分。京成千葉中央駅東口より徒歩約10分。JR千葉駅東口より徒歩約15分。JR千葉駅東口より京成バス(バスのりば7)より大学病院行または南矢作行にて「中央3丁目」下車徒歩2分。
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