◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

“何でも名詞化”「お見せをさせる」って?

2010-06-13 08:58:00 | めちゃくちゃな敬語
                                   頂きたいです
 “何でも名詞化” 「を」さえ入れれば何でも名詞、自由自在。「お答えをさせていただきます」「お会いをさせていただきたい」「ご覧をいただく」「お見せをさせてあげる」、こういう言い方について考えてみましょう。これは、どちらかというと年配の人、特に政治家が好む言い方なのですが、ひどいですね、日本語として成立していません。
 「お答えをさせていただきます」は、「お答えいたします」もしくは「答えさせていただきます」、「お会いをさせていただきたい」は、「お会いしたい」もしくは「会わせていただきたい」、「ご覧をいただく」は「ご覧いただく」です。
 「お見せをさせてあげる」は、要するに「見せる」ということなのですが・・・、「見せる」→「お見せする」、「見せてあげる」→「見せて差し上げる」、「見させる」→他人に何かを「見させる」というのは・・・、「見ていただく」とか、「ご覧いただく」とか、別の形で言うしかないわけで、間違っても「お見せをさせてあげる」とはなりませんね。
 あ、そうだ、「見せる」といえば、街頭インタビューに答えた一般女性が「国民のかたがたに見せてくれた」なんて言いましたよ。どう見てもこの人は日本人、ということは、この人も日本国民の一人ですから、自分を含む「国民のかたがた」はおかしいですね。何でも敬語にすればいいというものではありません。
 ニュースを見ていると、「幹事長ともご相談を申し上げながら」だの「よろしくお願いをいたします」だの「皆様がたのお力でもってお作りをいただきたい」だの、「反省をしてございます」だの、続々と聞こえてきます。こうなると、本当にそう思って言っている自分の言葉というより、他人に聞かせることだけが目的の単なるセリフですね。
 ところで、話は変わりますが、真っ黒ソフト社の更新って勝手なことをあれこれしてくれますよね。日本語変換がいつもと違う動きをして変だなぁと思ったら、ナチュラルインプットになっていました。私はスタンダードに慣れているのですぐに直しましたが、おかしいなと思いながらそのことに気づかずそのまんま、という人もいるのではないでしょうか。青い○がナチュラルインプット、赤い○がスタンダードですよ~。(⌒・⌒)
コメント
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