◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「あなたの毛の手入れは間違えている」って?

2012-12-05 18:56:45 | 気になる言葉、具体例
                                   大切な日課

 「問題に間違えたら」は日テレの番組で見たテロップですが、正しくは「問題を間違えたら」です。「私たちはずっと間違えた答えを探していたんです」は「Answer」という番組で主人公が言ったセリフですが、「私たちはずっと間違った答えを探していたんです」と言うべきですよ。
 手元の辞書には、「間違い」は名詞、「間違う」は自動詞・他動詞、「間違える」は他動詞、このように記載されています。例えば、「情報が間違えている」は誤りで、「情報が間違っている」が正しいわけです。「間違えた情報」は誤りで、「間違った情報」です。
 このごろは、一般人の文章でもムズムズするような例が見付かります。なぁ~んか違うと感じるのです。例えば、「私の価値観は間違えていますか?」「あなたは間違えていない人生を歩まれています」「たとえ私の考え方が間違えていたとしても」「間違えたことをやっている」などなど。
 「価値観は」に続くのですから「私の価値観は間違っていますか?」、「人生」に係るのですから「あなたは間違いのない人生を歩んでいらっしゃいます」、「考え方が」に続くのですから「たとえ私の考え方が間違っていたとしても」、「~をやっている」と続くのですから「間違ったことをやっている」です。
 「○さんは間違えなく今の状況を繰り返します」「私の友人も間違えで空の○を出したことがあったみたいです」というのもあります。これについては意見が分かれるかもしれませんが、私の感覚では「○さんは間違いなく今の状況を繰り返します」「私の友人も間違えて空の○を出したことがあったみたいです」です。「何かの間違いで」とは言いますが、「何かの間違えで」とは言わないでしょう?
 話し手が「あなたの毛の手入れは間違っている」と言っているのに「あなたの毛の手入れは間違えている」と書いてあるテロップを見たこともありますが、「毛の手入れは」ですから「間違っている」でいいのですよ。「あなたは毛の手入れを」なら「間違えている」ですけどね。その前に、そもそも「毛」とは「髪の毛」のことですから、なぜ「髪の手入れ」でないのかな( ̄ ̄)?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする