◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「歪んだ社会を正そうとする罠」って?

2015-12-06 13:34:23 | 言葉についてあれこれ
                                  罠じゃないから

 「図書特殊部隊所属の笠原、鬼教官堂上らの元に、図書館法規要覧が展示される芸術の祭典の警備指令が下る。それは、図書隊を解散させ、歪んだ社会を正そうとする罠だった」と言った森結有花アナ(石川テレビ)、映画の紹介で、原稿を読んでいたようです。書いたのは森アナではないかもしれませんが、仮にそうだとしても、そのまま読むなんて情けない。何も疑問を感じなかったのか?
 まず、「堂上らの元に」ですが、「堂上らに」で、「の元」は不要です。それから、「正そうとする」の部分が、発音が悪くて聞き取れず、しかも、「罠」と続くので「正そうとする」だとは思えず、録画してあったので何度も聞き直して「正そうとする」と言っていることを確認したのですが、「歪んだ社会を正そうとする罠」はおかしいですよ。「正そうとする」のに「罠」って何ですか? 「ジェダイの復讐」みたい(2007年4月「ジェダイが復讐なんかするか?」参照)┐( ̄д ̄)г。
 映画の公式サイトを見てみたら、「図書隊を解散させる事で、歪んだ社会を正しくしようと考えている、手塚の兄・慧(さとし)が、図書隊壊滅を目論み仕組んだ罠だった」と書いてあったので、これをテキトーに短くしただけのようですが、そんなことではいけません。「それは、図書隊を解散させて歪んだ社会を正そうと考えている、手塚の兄・慧が仕組んだ罠だった」と、これぐらいは必要ですよ。そんなに長くないでしょう?
 「餌をまくのを繰り返すこと30分」は「スマステ」のナレーションですが、「餌を繰り返しまくこと30分」ですよ。「子どもに食べやすくアレンジしましょう」はEテレ「まいにちすくすく」で聞いたナレーションですが、不自然ですね。日本人なら「子どもが食べやすいようにアレンジしましょう」と言えて当たり前なのに、今時の日本語ってどうなってるの( ̄д ̄)?
 「ウェークアップ!ぷらす」にて。年賀はがきの猿のイラストが、12年前は1匹だったのが、子どもらしき猿が加わって2匹になっているそうです。「子どもができて幸せになったのでは? などと、ネット上で憶測が飛び交っている」というナレーションにもやもや~( ̄~ ̄)。「憶測」は「想像に基づくいいかげんな推測」という意味で、「憶測で勝手なこと言わないで!」というように、通常、よくない意味で使うものですから、「幸せに~」に「憶測が~」と続けるのは違和感あり。
 「浦沢直樹の漫勉」のナレーターの発音がどうにもおかしくて、さいとう・たかをの回まで来るともぉ~~~腹が立ってきましたよ。「書き続ける(かっきっつっづっける)」「不朽の名作(ふぅっきゅーのめいさく)」、「従って」「描いてきた」「劇画」の「が」が鼻濁音の「んぐぁ」ではなく非常に強い「が」、とても耳障り!!!
 ナレーターは平愛梨か、ん? 前に一度書いたことがあるような気がする・・・と思って探してみたら、ありました、2月に書いていました。「お酒がいっぱい売ってあるお店」だの「漢字の意味が全然知ってなかったんで」だの、随分あほなしゃべり方をしていました。若い人の話す日本語なんてこんなもの、なのでしょうかね。
 「とくダネ!」にて。「友情」というテロップなのに「愛情」と読んだ女性ナレーター、これは明らかな誤り。心を込めすぎた? 続いて、テロップは「逆風」なのに「逆境」と読んだ男性ナレーター。「~を乗り越える」と続いたので「逆境を乗り越える」と言った気持ちは分かります。「~に立ち向かう」なら、すんなり「逆風」と読んだかもね・・・、う~ん、これは微妙です。
 「世紀の瞬間 事件の真相」で聞いたナレーションは「(飛行機は、犯人が操縦を続けていたら住宅地に墜落して)甚大な被害を巻き起こしていた」ですよ。「被害」は「巻き起こす」とは言いませんし、普通は「大惨事になっていた」と言うところですが、せめて「甚大な被害をもたらしていた」と言えないかな・・・、無理・・・?
 「トコトン掘り下げ隊!生き物にサンキュー!!」のナレーションでは、どう見ても「床下」なのに「軒下」と言いました。見れば分かるでしょ、見れば。一目で「床下」だと分かりますよ、ナレーターは渡された原稿を読むだけ? 「ネプ&イモトの世界番付」では「申請が下りれば」と言いましたが、下りるのは「許可」でしょ。それでも、ナレーターは渡された原稿を読むだけ?
コメント
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