◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「お手堅い人」って?

2019-06-02 09:08:06 | 言葉についてあれこれ
                                 堅豆腐ですよ

 「ろんぶ~ん」(Eテレ)で、論文の著者から「お手柔らかに、よろしくお願いします」と言われて「僕はお手柔らかいんですけど、こちら、お手堅い人がいますから」と言った田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、また随分自由な( ̄д ̄)! 「手厳しい」「手加減しない」といった意味で言ったようなのですが、「手堅い」は全く違う意味ですよ。
 「壮大な腑に落ちた」と言ったこともあって、やはりお笑い芸人、ということでしょうか、言い方がテキトーです。お笑い番組とは違うからちゃんとした日本語を話そうとか思わないのかな? 東野幸治も、いろいろな番組の司会を務めていますが、「藁をもすがる思い」だの「的を得たコメント」だの、「言葉の端々に」は「ことばのすみずみに」なんて読むし、敬語もおかしいし・・・、そんなにテキトーでいいのか?
 「そこまで言って委員会NP」で、初めて見る人が「今回は、ちょっと的を得ているところがあるんじゃないかなぁと」と言ったのであきれていたら、初登場ということでプロフィールが出ました。岸田雪子、日本テレビ報道局、記者、解説委員、報道番組のキャスター、今年からフリーで活動・・・、誰か「的を射る」だと教えてあげて!
 「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」という番組について、番組表に書かれていた文に「別人に成り代わった逃亡者」というのがあったのですが、「別人に成り済ました逃亡者」ですね、若い人でも「なりすまし」ぐらい知っているはずですが( ̄- ̄)。「屋上から黒い煙が立ち込めた次の瞬間」は「ワイド!スクランブル」で聞いたナレーション。フランスの大学で発生した火事の話で、画面を見ると、屋上から黒い煙が空に向かってもくもくと立ち上って(たちのぼって)いました。
 アイドルグループのメンバーに対する暴行事件が起き、運営会社の人たちが記者会見を行い、新たに劇場支配人になった人が「心を割って話をして」と言ったのですが、「腹を割って」でしょ、大丈夫か? 「うらやましさに身が張り裂けそうになっていく」(2019/1/19 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン)は、「身」ではなく「胸」だし。
 「すごい値段になってた」と言ったのはお笑い芸人のいとうあさこですが、ヒモに貢いだ“金額”が積もり積もって1200万円ほどというから驚きです。森重有里彩(北陸朝日放送アナウンサー)も、“その日に貯金箱に入れる金額が印刷されているカレンダー”とセットになっている貯金箱を見て「日によって値段が違う」なんて言いましたからね。ときどきいるのですよ、こういう「金額」を「値段」と言う人。
 「被害生徒の1人は打撲しており、近く県警に被害届を出す意向を示しているという」(2019/2/20 8:28配信 毎日新聞)って、書いたのは記者? これは「打たれてけがをしている」ということですよね、「骨折」は「骨折しており」と言いますが、「打撲」は「打撲傷を負っており」ですかね。
 「彼らの存在や行為を問答無用で『邪魔だ』『野蛮だ』とするのは、あまりにも他人行儀すぎると筆者は思う」(2019/2/24 8:31配信 HARBOR BUSINESS Online)は、路上駐車、エンジンかけっぱなし、ハンドルに足を乗せて寝る、そういうトラックドライバーにも事情があるという話なのですが、「他人行儀」はおかしいですね、だって、明らかに他人です。その“事情”は理解できますし、“物流”あっての我々の生活ということを考えると「あまりにも他人事すぎる」でしょうか。
 「船は立ち去ってしまった」は「世界まる見え!戦慄の瞬間SP!」のナレーションとテロップですが、船ですよ、「立ち去る」はないでしょ、どういうセンス ┐( ̄д ̄)г? 向こうに見えているのに、だんだん自分から離れていく、それは「船は去っていった」「船は遠ざかっていった」「船は離れていってしまった」でしょ、誰かチェックしてよ!
コメント
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