◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「才能をうずもらせないために」って?

2011-12-04 09:25:39 | 言葉についてあれこれ
                               毒があっちこっちに

 「相棒」で聞いた「○○の指紋しか残っていなかった」というセリフ、セリフというのは、その場面の状況をきちんと理解し、役になりきって初めてちゃんと言えるものですが、ベテラン女優なのにいけませんねぇ、ここは「○○の指紋しか」+「残っていなかった」というふうに聞こえなければいけないところだったのですが、「○○の」+「指紋しか残っていなかった」と聞こえました。
 幾つもの場面をいろいろな場所で撮影する、天候や時間帯、屋外か室内か、ロケかセットか、そうした事情によって話の流れどおりに撮影できるわけではないにしても、1話完結なら台本を読めば話の筋は分かるでしょう。それに、演出家は分かっているはずで、役者に適宜説明して演じてもらう、矛盾が生じないようにしなければならない、ということは、役者の力不足ということ以外に演出家の説明不足というのもあるのでしょうか。
 凶器に○○以外の人物の指紋がない、ということは、○○が死んだのは、他殺ではなく自殺だったということになるのですが、その前の肝心なセリフが「指紋しか残っていなかった」と聞こえたせいで訳が分からなくなり、指紋のほかに何が検出されないといけないのだろうか、なんて、余計なことを考えてしまいました。
 それから、ある俳優が、この人もベテランですけど「歌人」を ̄__と発音し、( ̄д ̄)! と思っていたら、続けて別の俳優が_ ̄ ̄と発音し、そうだっ、いいぞ、と思いました。でも、直後にその同じ俳優が今度は ̄__と発音してがっかり、なんだよっ! とテレビに向かって吠えてしまいましたo(`д´)oガオーッ。
 そして、右京の「毒入りと知らずにコーヒーを飲んだ」というセリフ、これは脚本家の力不足です。毒入りのコーヒーを飲んで△△は死んだのですが、実は、△△が自分でコーヒーに毒を入れたのです。知人から渡された青い小瓶、コーヒーに入れて飲むと疲れが取れるという説明だったので、中の液体が毒であるとは夢にも思っていなかったのですが、その液体をコーヒーに入れたのは自分です。
 ということは、「毒入りと知らずに」はおかしいですね。知らない間にだれかがコーヒーに毒を入れたのなら「毒入りと知らずに」ですが、得体の知れない液体を自分で入れたのですから、「それが毒とは知らずにコーヒーに入れて飲んだ」と言うべきです。え、長い? それじゃぁ、「毒とは知らずにコーヒーを飲んだ」ですかね。
 そして、△△に毒を渡した犯人が「◇◇の才能をうずもらせないために△△を殺した」と告白するのですが、りっぱな人物、研究や才能が人に知られずにいるという意味なら「うずまる(うずもる)」ではなく「うずもれる」ですから、「うずもれる」を使役の形にすると「うずもれさせる」です。したがって、「◇◇の才能をうずもれさせないために△△を殺した」です。変なところで引っ掛からせないでく~ださ~い(ーー;)。

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