◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

明らかに悪意のある話、何も明らかにしない話。

2007-03-06 11:43:45 | ディクテーションについて
                 答えないよ
 テープ起こしをするのは、経済や最先端医療などに関する講演や前向きの会議ばかりではありません。ときには、これってだます人とだまされている人の会話だよねぇというようなものがあります。やはり、だます人には共通した雰囲気というものがあって、分かるような分からないような話を早口で続けます。だまされている人のほうは、うーん、でもー、ええ、だけどねー、こればっかりです。何も明確になっていないのに、最後に「はい」と言ってしまうということが理解できない、そういう会話です。だましている人は想定内の会話、だまされている人は想定外の会話ですから、これはもう勝負になりません。
 「○○大臣の講演と質疑応答を入力作業したのだけど、何を言ってるのかさっぱり分からないんですよぉ」と言ったら、先輩のベテラン作業者が、「それは当然よ、政治家は、何か明確に言ったら後で困るからわざとぼかしてるのよ」と教えてくれました。なるほど~、言葉は一般人より明瞭で、知的な話し方で、頭の回転も速いらしく、すらすらと話しているのですが、いざ入力して文章化したものを読んでみるとさっぱり分からない、ちゃんとした文章になっていない、支離滅裂、肝心なことには答えていない、見事なほど何を言っているのか分からない、これはすごいなーと妙に感心してしまいました。
 想定外のことに下手に答えたら後で困る、だから明確には答えない、なのに、答えたように見えるのですから、自己防衛会話術とでもいいましょうか、日ごろの訓練のたまものなのでしょう。日ごろ全くやっていないことは、急にはできませんからね。それはそれですごいことですよ、失言よりずっとましです。そして、これが最近多いように感じるのですが、答えることすらできない、想定外のことには対処しない、一切何も答えないで無視する、こういう態度は論外ですよね、それでは何もよくなりません。自己防衛も、度が過ぎるとかえって大切なものを失うことになるのではないでしょうか。とはいえ、分かっていてもできないことはたくさんありますが・・・。
 さて、今日の気になるワード、「逆ギレ」、これってどういう意味? へまをしたAさん、「おまえ、何やってんだよー」と切れたBさん、「そんなに怒ることねーだろー、大したことねーじゃねーかよぉ」と逆に切れたAさん、こういう状況を「逆ギレ」と言っていたはずです。でも、最近は、‘逆’でなくても「逆ギレ」と言うようですね、どう見ても一人で勝手に切れている、それでも「逆ギレ」ですから、単に「逆ギレ」という言葉を使いたいだけなのだなーと思ってあきれて見ています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 会話を想定していないらしいよ。 | トップ | ハムスターの運動能力は想像... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ディクテーションについて」カテゴリの最新記事