生まれたばかりの赤ん坊を、男は新聞紙の上にのせた
そして、男はそれを両手にかかえたまま、いきなり外へとびだした
ちょうど頃は夏の盛り7月、セミの声はまだ聞かれなかったが
南の空にはもくもくと入道雲が湧きあがり、夏の太陽は容赦なく二人を照り付けていた
いったいこの男は、この赤ん坊をどうするつもりなのか・・・
「うまれましたよ!、女の子!
750匁もあって、ほら かわいかでしょ?」
100匁=400g
(いまの単位に計算すれば 体重3K、そのころでは大きかったかも?)
K家の長女として誕生した 杏子さんの披露は
こうしてはじまりました・・・
今日、7月8日
わたしは75才の誕生日を無事に迎えることができました。
25歳で結婚、女の子二人に恵まれ
今は孫たち4人の成長ぶりに
毎日、一喜一憂しながらも夫婦二人のつつましい生活が流れています。
今年、 金婚式を迎えました 幾たびかの山坂を越えて・・・
今日が無事におわり、明日もまたきっとすがすがしい朝を迎えられますように
「おはよう!」とじいやは、今日も穏やかな声を
かけてくれました
「いよいよたいね、今日じゃろ?75になったばいな」
これがわたしの誕生日への、じいやのメッセージでした
花束はないけど、自作の農作物を毎日頂けるのが
大きなプレゼントでしょうか・・・
おりしも巨大台風8号が、九州方面をめがけて猛突進中
これからの二人の残りの人生を、まさかまさか
暗示している訳では 決してないと祈って・・・