鉄道シリーズ その109。今回はJR日光線に乗る。今は日光の表玄関は東武日光駅になりつつあるが、JR日光線は由緒正しき路線である。江戸時代の五街道の一つ日光街道に沿って宇都宮・日光間40.5kmを42分で結ぶ。
開業は1890年でその後国営化された旧日本鉄道が造った。その後、昭和初期には東武線との熾烈な乗客獲得競争に破れ、戦後は優等列車も運行され、湘南方面から直通で行ける『湘南日光』なども運転されたが、今は全て普通列車である。
宇都宮駅5番ホームから出ているが、このホームはレトロな雰囲気に装飾され、電車も単なる205系の通勤電車だが、茶色を基調とした渋い雰囲気にまとめあげられ、行き先表示も何故か明朝体である。
4両編成の電車は宇都宮駅を出るとまっすぐ日光に向かうが、すぐに登りに入る。最初に鶴田駅に到着、人気がない。ドアはボタンで開けるシステムで、乗客は一両に10人程度、山歩きの格好をした人が多い。
単線で並木が多いからか、スピードが早く感じられ、鹿沼駅に到着。しかし、この駅も思いの外小さい。
次の文挟(ふばさみ)駅は中々読めない名前だが、この辺りは畜産農家が多いのか、車窓から牛たちがのんびり寝転ぶ姿が見える。
次の下野大沢駅周辺は田んぼが広がり、日光街道か見え隠れする。その杉並木は長さも木の大きさも日本一で4万本くらいあるらしい。
今市駅は少し大きい駅で次は日光駅終点、杉並木が左側にあったり、右に変わったり。
日光駅は今年で125年の歴史ある駅で今の駅舎はネオ・ルネッサンス様式の洒落たもの。終着駅ではあるが、櫛形ではない。建築も1912年だから100年間を超えている。
1階には貴賓室もあり、往時を偲ばせる。なるほど日光線自体もこの駅舎の基調に合わせたのかと納得。外に出ると日光連山も拝め、ここまで来るだけの価値はある。