三越本店にはいろいろなものが詰まっている。なにしろ創業は1673年、今の建物が建設されたのが1914年、一部関東大震災で被災したが、1927年に復興した。さらに1935年に増改築して今の姿になった。つまり、建物自体は100年を超えていることになる。
ネオ・ルネサンス建築でなんと5階まで吹き抜けという贅沢な造りとなっている。
アーチ状の天窓からは自然光が照らし、バルコニーが周りを囲み、アールデコ風のデザインが目につく。1999年には都選定歴史的建造物にも指定されている。
玄関には2頭のライオン像が狛犬のように置かれ、その上にはマーキュリー像があるが、戦時下ライオン像もマーキュリー像も金属供出のため失われ、今のマーキュリー像は1972年に復元されたものである。
中に入ると天女(まごころ)像、1960年に佐藤玄々が創立50周年を記念して建立した。まるで紅白歌合戦の小林幸子のような像である。
パイプオルガンがその後ろにあり、1929年にアメリカから輸入されたもの。カーテンの後ろには852本のパイプが備え付けられている。金、土、日は昼過ぎに優雅な演奏があり、中々の音色である。
ついでに、その辺りの床や柱などの大理石をよく見るとアンモナイトの化石、はっきりとその姿が確認できる。
そしてシャンデリア、まるでお城にあるようなシャンデリアが1階には幾つも惜しげも無く下がっている。
エスカレーターは日本初というのは有名だが、エレベーターも高島屋東京店同様に中々の風格である。
いや、殆ど博物館のような日本橋三越本館、さらなる探検をしてみたい。