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鉄道シリーズその114。山手線内にある駅について考える。鉄道マニアの間では周知の事実だが、品川駅は港区芝浦、目黒駅は品川区上大崎、新宿駅の一部は渋谷区代々木にある。とはいえ、それぞれの近くには(北)品川、目黒、新宿という地名が残っている。
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しかし、東京メトロ銀座線で言えば稲荷町駅、末広町駅などの地名はかなり以前に消失しているものも多い。同様に駅名はあるが、地名にはないものを調べてみた。(北◯◯、◯◯東といった地名はまだ消失していないとした。)
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まず、田町駅。田町駅は港区芝5丁目にあるが、周囲には『田町』という地名はない。実はこの駅ができた1909年当時は『芝田町』という地名であったが、1964年に町名変更から芝5丁目に、さらに1967年には残りの芝田町も三田3丁目になり、田町の名前は消失した。(芝田町は芝+田町の合成であり、例えば日本橋人形町とおなじである。)
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次は原宿。今の所在地は渋谷区神宮前1丁目にある。その名前の起源は1906年10月に駅が開業した際の地名で『豊多摩郡千駄ヶ谷村原宿』からきているが、1965年には原宿1~3丁目、原宿駅があった隠田3丁目などが神宮前に統一され、原宿と言う地名は全く無くなった。
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御徒町と言う地名も1964年までは地名としてあったが、駅は上野5丁目に包含された。また、御徒町・仲御徒町は台東区台東や東上野、上野になってしまい、今は行政地名としては残っていない。
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もちろん、東京駅は東京という地名ではなく、千代田区丸の内1丁目であるが、まあ、これはやむを得ない。
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これと同様に地名としては存在したことがないのが『鶯谷駅』である。地名と言うと『根岸』で、鶯谷の名前は代々寛永寺の住職は京都から皇族を呼んでいたが、その1人の公弁が『江戸の鶯はなまっている』と言って尾形乾山に京都の鶯を運ばせ、放したため、鶯の名所となり、鶯谷と呼ばれたことから来ている。
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これは『御茶ノ水駅』も同様で江戸時代初期の治水工事で今のような地形になったが、近くの高林寺から泉が出て、将軍にお茶用の水として献上されたために付いたもので地名にはない。
つまり、こうしていつも使っている駅も今は地名には無くなった駅や元から通称や名所の名前で地名ではないものもあるのは中々興味深い。