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『古刹を巡る』その38。前回の勝常寺に続き、恵隆寺を巡る。この寺は会津坂下町、酒好きの人ならば『飛露喜』で有名な広木酒造がある町としても有名である。
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この寺は縁起では千手観音像が808年に彫られ、観音堂が1190年に建立されたと伝えられる。まずその観音像に参拝するが、観音堂はそれほど大きい訳ではない。お堂に入り、カーテンのような幕が張られている。
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そしてその幕を開けると8m50cmの一木造りの千手面観音像(重文)が現れるが、すぐ下から見上げていることもあり、その巨大さにまず驚く。周りには二十八部衆と風神雷神像が左右を守り、その迫力は凄いとしか言いようがない。
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話を聞くと立ち枯れた木に弘法大師作とも徳一大師作とも言われるが、誰かが仏像を根がついたまま彫り上げて、今も根がついていると言われている。また、足には触れることができ、願いを叶えると信じられている。
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次に同じく会津三観音の一つ『鳥追観音』を訪れる。こちらは隣の西会津町にあり、縁起によると807年徳一大師が、会津の西方浄土として開基したと伝えられている。
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先ほどの立木観音と違い小さな鳥追聖観音様だが、行基の作と言われ、子授け、安産、子育て、厄除けなどにご利益があるらしく、本堂にも赤ちゃんの涎掛けが奉納されていた。
もう一つ中田観音はご開帳の時しか観音様は拝めないため今回はいかなかったが、いずれも地元の人の深い信仰心に支えられた会津らしいお寺である。